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ドナルド・トランプ大統領になったら財政赤字がアメリカ史上最悪レベルになる

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DONALD TRUMP
ASSOCIATED PRESS
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アメリカ大統領選で共和党の候補指名を確実にしている実業家のドナルド・トランプ氏が大統領に就任して公約を実行したら、国の借金は史上最悪レベルになるとの調査結果が発表された。

責任ある連邦財政のための委員会」(CFRB: Committee for Responsible Federal Budget)が6月26日に発表した報告書によると、トランプ氏か、ライバル候補ヒラリー・クリントン前国務長官が大統領に選出された場合、連邦財政にどのような影響を及ぼすか評価した。

この調査では、トランプ氏が掲げた遺産相続税廃止や、クリントン氏の共働き夫婦を対象とした子供手当といった個々の公約に注目するのではなく、候補者がこれまでに掲げてきたすべての提案を考慮し、それらが連邦財政にどのような変化を与え、最終的に国民がどれほどの借金を負うことになるかを評価している。

委員会の研究グループにとってこれは容易な作業ではなかった。共和党の指名確実候補者であるトランプ氏は自らの政策についてほとんど語らないからだ。トランプ氏が政策について語っても、その内容は曖昧であるか一貫性がないことが多い。しかし、トランプ氏が実際に公式に語った提案の中から大まかに分析を行い、その課題を民主党の指名確実候補者であるクリントン氏が掲げるより詳細な提案と比較できた内容が2、3点あった。

結果は驚くべきものであった。報告書に示される通り、これは単純にあらゆる民族と宗教団体を軽視するトランプ氏か、多民族の重要性を説くクリントン氏かをアメリカ人が選択する選挙ではない。これは、疑問の多い減税政策により巨額の財政赤字を招くトランプ氏か、ほぼすべての支出をカバーできる追加収入案も提示した上で政府の制度を拡張させる謙虚な政策を提案しているクリントン氏かを選択する選挙でもある。

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責任ある連邦財政のための委員会(CFRB: Committee for Responsible Federal Budget)
現行法の下で主な2大大統領候補者の政策の結果生まれる対GDP財政赤字率の比較

トランプ氏の政策で最も重要なものは、新たな法人税の緩和や個人税率の引き下げなど、過去の調査からアメリカの富裕層に不当な利益をもたらすことになる一連の減税案である。シンクタンク「アーバン・ブルッキングス研究所・税金制作センター」が出した予測を基に委員会の研究グループが分析を行ったところ、減税により今後10年間で新たに約9.25兆ドルの財政赤字が増えると判断した。

退役軍人の保障見直しや医療保険制度(オバマケア)廃止の撤回など、トランプ氏の他の政策を合わせれば、この数字はさらに数千億ドル膨れ上がる。

こうした支出を相殺するための大幅な新規収入や支出削減策はなく、利子率も上がることから非常に多くの新規借入が必要になるため、おそらくトランプ氏の政策では今後10年間で累積11.5兆ドルほどの追加財政赤字が生まれることになる。

この数字自体にそれほど大きな意味はない。アメリカ合衆国は建国当時、アレクサンダー・ハミルトン(建国の父で初代財務長官)の時代、独立革命で全州が被った負債を背負って以来、巨額の財政赤字を抱えているからだ。

それよりも問題なのは、GDP(国民総生産)で測定される他の経済分野と比較した借金の割合だ。この数字は、過去の借金を清算するために教育、国防、退職金制度などの現在の優先政策から多額の予算を割かなければならない割合を示すものだ。

また、トランプ氏の政策で最も問題なのは、アメリカの財政赤字の対GDP比だろう。委員会の研究グループによると、トランプ氏の政策が実施されれば、財政赤字の対GDP比の割合は現在の75%から127%まで急上昇する。

過去最高の赤字は、第二次世界大戦で異例の巨額借入を行った1940年代に記録したが、その割合は110%であった。自身の政策の中でこれほど多額の追加赤字をどのように正当化できるのか、トランプ氏は未だに説明していない。

当然、クリントン氏の政策でも連邦の負債は増える。具体的には、クリントン氏は医療費自己負担を相殺するための税額控除や、新規の大学授業料の連邦奨学金制度など、一連の新しい制度を提案しており、それによって連邦の財政規模や赤字幅は拡大するであろう。委員会の分析によると、クリントン氏の政策でも連邦政府は今後12年で新たに1.4兆ドルの追加支出が必要になる。

しかし、クリントン氏の公約にかかる財政支出は、トランプ氏の減税政策で失われる巨額の連邦資金に比べれば僅かな額だ。幼児期に注目する政策など、クリントン氏が掲げる政策の多くは、未来にさらに大きな経済的リターンが望まれる。また、クリントン氏は富裕層に対する増税で1.25兆ドルという十分な収入増が見込まれ、彼女の政策で必要になる支出が賄える。

委員会の分析では、クリントン氏の政策により、2026年までに財政赤字の対GDP比は87%になるとしている。現在の政策にまったく変化がなければ対GDP比は2026年までに86%程になると予測されていることから、赤字拡大の割合は変わらない。

ただし委員会の報告書では、10年後の87%という財政赤字の対GDP比は、現在の割合(75%)よりも高いと指摘している。高齢化により政府の福祉費用、特に医療制度による支出は将来的には増大する可能性が高く、大きな問題であると委員会は述べている。

現在の予測では、このまま政府の財政動向に変化がなければ、2040年までに対GDP財政赤字は130%を超える可能性がある。

報告書では、「現段階では、ヒラリー・クリントン前国務長官もドナルド・トランプ氏も財政赤字の打開策を提示していない」としている。

しかし、遠い未来の財政予測はまったく当てにならない。財政赤字の対GDP比の厳密な割合や、そもそも理想的な割合というものがあるのか、経済学者の間で統一された意見はない。将来より生産的な経済効果を生む(と期待される)支出額ではなく、現在の政策がどのくらいの債務で賄われているのかによって、前提の多くが変わってくる。

その一方で、報告書では2大候補者のどちらの政策に巨額の借入が必要なのか明確に結論づけている。「トランプ氏の公約では、財政赤字は大幅に増加する」。その点については、主要な専門家の間でも大きな異論はない。

「クリントン氏とトランプ氏の違いは歴然だ」。ブルッキングズ研究所の経済学者ヘンリー・アーロン氏は今回の調査に参加しなかったが、報告書についてハフポストUS版の取材に次のように述べた。「クリントン氏は、少なくとも赤字拡大の幅を抑えようとしている。トランプ氏は、全く反対のことを唱えている」

編注:ドナルド・トランプ氏は世界に16億人いるイスラム教徒をアメリカから締め出すと繰り返し発言してきた嘘ばかりつき極度に外国人を嫌い人種差別主義者ミソジニスト(女性蔑視の人たち)、バーサ―(オバマ大統領の出生地はアメリカではないと主張する人たち)として知られる人物である。

ハフポストUS版より翻訳・加筆しました。

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表情豊かなドナルド・トランプ氏
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