ドナルド・トランプ氏、ヒラリー・クリントン氏に露骨な攻撃開始、しかし反ユダヤ的だと炎上(画像)

ドナルド・トランプ氏が7月2日、自身のTwitterにヒラリー・クリントン前国務長官を誹謗中傷するポスターを公開した。しかし、ポスターの中にユダヤ教の「ダビデの星」(六角星)のデザインが含まれていたため、「反ユダヤ的だ」と炎上している。
Republican presidential candidate Donald Trump addresses the audience at the 2016 Western Conservative Summit in Denver, Colorado on July 1, 2016. Trump is in Colorado for the first time since starting his presidential campaign. / AFP / Jason Connolly (Photo credit should read JASON CONNOLLY/AFP/Getty Images)
Republican presidential candidate Donald Trump addresses the audience at the 2016 Western Conservative Summit in Denver, Colorado on July 1, 2016. Trump is in Colorado for the first time since starting his presidential campaign. / AFP / Jason Connolly (Photo credit should read JASON CONNOLLY/AFP/Getty Images)
JASON CONNOLLY via Getty Images

アメリカ大統領選で共和党の候補指名を確実にしている実業家のドナルド・トランプ氏が7月2日、自身のTwitterに民主党候補指名を確実にしているヒラリー・クリントン前国務長官を誹謗中傷するポスターを公開した。しかし、ポスターの中にユダヤ教の「ダビデの星」(六角星)のデザインが含まれていたため、「反ユダヤ的だ」と炎上している。

トランプ氏がこの露骨な反ユダヤ主義的画像をツイートしたところ、ネットは瞬く間に大炎上し、トランプ氏が政治的に許容される誹謗中傷の限界をはるかに超えていることが改めて浮き彫りになった。

2日の午前8:30頃に投稿されたこのツイートには、「インチキヒラリー、歴史を作る!」というコメントとともに、100ドル札の背景にヒラリー・クリントン氏の顔写真とその横に六芒星を貼りつけた画像が描かれていた。六芒星はユダヤ人やユダヤ教の象徴とされ、イスラエルの国旗にも描かれている。

星の中には、「史上最悪の汚職候補者!」と書かれている。

これは、一般の人にはわからない、特定の人だけが理解できる表現を用いた政治手法ではない。オブラートに包んだ表現でもない。これはユダヤ人ですらないクリントン氏に向けられた、反ユダヤ主義的な画像だ。

ハフポストUS版は、クリントン陣営にコメントを求めることはできなかった。

ニュースサイト「Mic News」によると、トランプ氏が使った画像は、過去にネオナチや反ユダヤ派が集まるウェブサイトでシェアされた。この画像は6月22日ごろ、トランプ陣営がツイートする1週間以上も前に投稿されたとみられる。

皮肉なのは、トランプ氏にはユダヤ教徒の親戚がいるということだ。娘のイヴァンカさんはユダヤ教徒であるジャレッド・クシュナー氏と結婚する際、ユダヤ教に改宗した。トランプ氏の孫たちもユダヤ教徒だ。トランプ氏自身にも数多くのユダヤ人支援者がいる。

このツイートで、ユダヤ人を嫌う人々に大きくアピールするというトランプ氏の狙いは必ずしも成功していない。トランプ氏は過去、白人至上主義やネオナチを支持するツイートをリツイートしている。また、ネット上でユダヤ教徒の記者を攻撃した、トランプ支持者の反ユダヤ教集団に対する批判は控えている。

これまでのトランプ氏ならば、批判されれば、何のことか分からないとでも言いたげにとぼけるところだ。そして、2日朝、ダビデの星の画像をツイートした直後、トランプ氏は何事もなかったかのように同じ文言で別の画像を掲載した。この画像では、六角星の箇所が赤い丸になっている。最初のツイートはしばらくアップされていたが、その後削除された。

ユダヤ系共和党員であり、ジョージW.ブッシュ元大統領の報道官を務めたアリ・フライシャー氏は、トランプ陣営のこのツイートを批判した。

「これは悪意ある行為というより愚かな行為だと思うが、どちらにしろトランプ陣営は愚かなミスばかり犯している」と、フライシャー氏は言った。「週末の3日間、トランプ陣営が自虐的な行動を起こさずにいてくれるといいのだが」

クリントン氏はメソジスト派(キリスト教プロテスタントの一派)だ。トランプ氏は過去、クリントン氏の信仰についても攻撃している。6月の集会でトランプ氏は、公式記録にクリントン氏の宗教に関する記録がほとんどないことを挙げ、彼女はキリスト教徒ではないのではないかと疑問を投げかけた。それ自体攻撃的だが、2日のツイートを踏まえると何となく趣深い、あからさまに間違った解釈である。

トランプ氏のアドバイザーであるロジャー・ストーン氏は、この記事を掲載後数時間後に、「全くばかげている」という件名のメールをハフポストUS版に送ってきた。

「保安官バッジもダビデの星と同じ形をしている」と、ストーン氏はこのように記載した。「こんなバカげた記事を発表するなど恥ずかしい限りだ。あなた方は本物の報道機関ではないからね」

アメリカ最大のユダヤ人団体「名誉毀損防止同盟(ADL)」はトランプ氏に声明を出し、一部の反ユダヤ主義的なトランプ支持者を非難した。

「(トランプ氏が)こうした反ユダヤ主義者たちに強く反論していないことを懸念している。大統領候補者が、最悪の社会集団から情報収集しているとは言語道断だ」。ADLのジョナサン・グリーンブラットCEOは、政治ニュースサイト「The Hill」に声明を発表した。「[トランプ氏の]発言は、ぶれずに明確であって欲しい。この手の偏見を拒絶するだけでなく、その支持者も排斥することを願う」

3日夜の時点で、トランプ氏は何も行動していない。しかし、彼はどういうわけか、ホロコーストの生き残りであるノーベル賞受賞作家エリ・ヴィーゼル氏の死について遺憾の意をツイートをした。

土曜日、偉大なるエリ・ヴィーゼルが逝去した。ヴィーゼル氏や、正義は悪に勝つという彼の信念により、世界はより良い場所へと導かれた!

編注:ドナルド・トランプ氏は世界に16億人いるイスラム教徒をアメリカから締め出すと繰り返し発言してきた嘘ばかりつき極度に外国人を嫌い人種差別主義者ミソジニスト(女性蔑視の人たち)、バーサ―(オバマ大統領の出生地はアメリカではないと主張する人たち)として知られる人物である。

ハフポストUS版より翻訳・加筆しました。

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