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「中立なんか、ないよ」田原総一朗が参議院選挙の前に18歳に伝えたいこと #YoungVoice

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The Huffington Post
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政治はややこしい。変な色に染まりたくない。近寄りたくない。果たしてそうか。日本で初めて18歳以上が投票する参議院選挙を前に、ジャーナリストの田原総一朗さん(82)は、田嶋嶺子さん(20)、福井規子さん(18)、吉川敦也さん(18)の若者計3人とハフィントンポスト日本版編集部で対談しました。田原さんは「中立なんか、ないよ」という言葉とともに、「政治について語ること」の大切さを訴えました(司会はハフポスト日本版編集長の竹下隆一郎)。

■政治の話をする人は「空気読めないヤツ」

若者 僕たち18歳の中で政治や社会の問題について語ると「空気を読めないヤツ」というか、いきなりそういう話をすると「なんで急にそういう話をするの?」と言われます。田原さんの時代は、どんな感じでしたか。

田原 毎日やってたね。タレントの春香クリスティーンさんの出身地、スイスでは高校生も大学生も集まると政治の話をすると。日本では政治の話をしないから、びっくりしたらしい。何でしないんだろう、政治の話を。

若者 あまり話しすぎると、政治の話というのは賛否が分かれやすいというか。

田原 皆さんもこれから勤めたら税金がかかるわけだけど、税金の税額を決めるのも、あるいは福祉をどうするのかも、全部政治が決めてるんだよね。君らの大学の授業料が高いのも、みんな政治と絡んでくるわけだ。何で関心がないんだろう。

若者 あんまり困ってない人が多いのかな。

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田原 困ってないと言っても、親からお金をもらってるんでしょう。

若者 普通に毎日学校に行けて電車に乗れて昼ご飯食べられて、授業を受けて友達と遊んで帰るという1日が完結していて、明日生きることができるかわからない状態という若者が少ない。関心を持つきっかけがないのかもしれません。

田原 僕らの頃は、学校で政治的な論議をしたよね。1972年に連合赤軍事件というのが起きるわけね。で、同志を殺し合うわけだ。仲間たちを。これでみんな嫌になっちゃったんだね。それで学生運動があまりなくなっちゃって、その辺から若者が政治に関心がなくなったんだろうな。

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■憲法が変わるってどういうこと?

田原 もし国会で自民党と公明党とおおさか維新の会なんかで、3分の2以上の議席をとったら、憲法改正の論議が始まる。憲法改正って何を変えるんだかわかる?

要するに今の憲法9条では自衛隊は戦えない軍隊なの。安倍さん(首相)は戦える軍隊にしたいの。どっちがいい?戦える軍隊と戦えない軍隊。

若者 今は憲法を様々に解釈して議論をしています。そういう意味では、戦える軍隊にするなら、改正してそういう憲法に基づいでやるべきだし、もし現在のまま憲法が変わらないのであれば戦えない軍隊でも仕方ない……。

田原 僕らは戦争を知っている世代だから、戦えない軍隊のほうがいいと思ってるわけ。軍隊っていうのは戦えると、戦っちゃうんだよね。太平洋戦争なんてね、日本の誰もが、アメリカに勝てると思ってなかった。昭和天皇もどっちかっていうと反対だった。

陸軍や海軍のトップが「今なら戦えます」と言った。勝つか負けるかではなく、軍隊は戦えれば戦いたいんだよね。そういうことを僕らは知ってるもんだから、やっぱり戦えない軍隊のほうがいいんじゃないかと思う。

ベトナム戦争の時にアメリカが、「一緒にベトナムで戦おうじゃないか」と言ってきた。当時の佐藤栄作首相は、もちろん戦いたいが、あなたの国(アメリカ)が難しい憲法を押しつけたから行くに行けないじゃないか、と断った。

あるいは小泉純一郎首相の時にイラク戦争があって、アメリカは「日本の自衛隊も一緒にイラクに行って戦おうじゃないか」と。そしたら小泉純一郎も断った。

日本は戦えない軍隊ということで、アメリカの戦争に巻き込まれないで来たという歴史がある。僕は、戦える軍隊にしたら戦っちゃうと思う、という恐怖心を持っている。

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竹下 実際自民党はこういうふうに憲法を変えたいという案を発表しています。個人よりは国家を大事にしましょうという考えがベースにあるように私は見えます。憲法によって、家族のかたちも変わっていくかもしれない。現代の日本は個人をベースに形作られています。しかも今はインターネットも発達し、個人の発信や活動がやりやすくなってきている。もう少し個人をベースにした憲法であって欲しいなと思いますね。

田原 今の自民党は個人じゃなくて家族制度を強調するわけね。しかもその家族の上に国があって、個人の上に国を置いてるわけね。それが2012年の自民党の憲法改正草案なの。僕らはそれが嫌だなと思ってるわけ。

竹下 例えば家族にしてもLGBTの権利を認めて、同性同士の家庭というのも今後受け入れないといけないと思いますが、(固定化された)家族制度や集団がベースになってしまうと、なかなか個人の違いが認められなくなる心配があります。憲法改正の話をする場合、主に9条が論じられますが、改正が個人の生き方に関わる部分も大きいと思いますね。

■声が大きい友達に流されないために

若者 選挙について、メディアからいっぱい入ってくる情報をどう生かせばいいのでしょうか。

田原 聞けばいい。書いた人に聞けばいい。新聞社に電話してもいいわけ。朝日新聞でこんなこと書いてるけどどうって。朝日は不親切だからやってくれないかもしれないが(笑)、産経や読売はちゃんとやってくれる。

若者 新聞がこういう意見なのねってわかったとしても、自分としてはどうしたらいいんだろうっていうのがあって。

田原 じゃあ友達に聞けばいい。

若者 でもそれは友達の意見だし……。

田原 友達と話し合えばいい。

若者 声が大きい友達に流されてしまいそうになるんですけど。

田原 声の大きい友達に流されそうになったら、また別の友達と話し合えばいい。話し合うんですよ。

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■中立なんか、ないよ

若者 (今の社会は)中立であることが正義であるみたいな感じで。

田原 中立なんか、ないよ。ありえない。

新聞を見ても各党の政策などが出てるじゃない。今は新聞だけじゃなくてネットでも色々と政治の報道をやってるから見ればいい。スマホで見れば出てくる。

若者 そうですね。結構Twitterとかも活用されている政治家の方とかもいますもんね。

田原 若い人こそ政治に関心を持たなきゃいけない。これからの時代を決めていくのが政治だから。僕らはあんまり先がないんだからね、やっぱり若い人ほど関心を持ってほしい、政治に。税金がおそらくこれから先もっと高くなって、消費税が20%以上になる可能性だってある。そういうのを決めるのが政治だから、あなた方こそ政治に関心を持ってほしいです。

■対談後記 違う色が集まって、一つの社会

対談が終わった後、「『中立なんて、ない』とはどういう気持ちでおっしゃったのですか」と田原さんに聞いた。「虹と一緒で、赤色の人もいれば、青も黄色もいる。白い光だけ見ていたらつまらない。いろいろ違う色が7つ集まって一つの社会だ」。

私たちが、政治に関心を持つ時、「意見の偏りへの恐怖」が心の壁となる。今回の対談の準備のため、ある18歳の大学生に政治についての意見を聞いたところ、「投票に行くのが怖い。自分の意見はどこまで『正しいのか』『ネットに影響され過ぎていないか』を気にしてしまう」という答えが返ってきた。

でも、今まで何度も何度も投票してきた大人だって、社会のすべてを客観的に観察して、投票しているわけではない。案外、直感的な「好き・嫌い」で政治家や政策を選んでいることも多い。

与党の政策にも野党の政策にも良いところがある。ちょっとした好みでも良いから、意見を表明し、誰かと話し合っていれば、自分の「好み」を補強したり、逆に変えたりする理屈や知識が身についていく。まずは好きな色を選ぶような気軽さで、投票に行ってみればいいと思う。(竹下隆一郎)

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