鳥越俊太郎氏、その人となりは? 一躍、都知事選候補に浮上

東京都知事選の告示日を控え、民進党は11日、ジャーナリストの鳥越俊太郎氏に立候補を要請する方向で最終調整に入った。鳥越氏はどういった人物なのか。

東京都知事選の告示日を7月14日に控え、民進党は11日、ジャーナリストの鳥越俊太郎氏(76)に立候補を要請する方向で最終調整に入った。野党統一候補として擁立する方針だ。朝日新聞デジタルなどが報じた。

鳥越氏はどういった人物なのか。自身のサイトなどによると、福岡県出身。京都大学文学部を卒業後、毎日新聞社に入社。大阪社会部や東京社会部、テヘラン支局長などを経て「サンデー毎日」編集長などを歴任した。1989年に退社後はフリーに転じ、いずれもテレビ朝日系の「ザ・スクープ」でキャスターを、「スーパーモーニング」でコメンテーターを担当した。また、2003〜05年には関西大学社会学部教授(マスコミ専攻)も務めた。

編集長を務めていたサンデー毎日は1989年、首相に就任したばかりの故・宇野宗佑氏と神楽坂の芸者に絡むスキャンダルをスクープ。また、「ザ・スクープ」では「桶川女子大生ストーカー殺人事件」を独自に検証して被害者報道のあり方を世に問い、2001年に日本記者クラブ賞を、04年には「ギャラクシー賞報道活動部門大賞」を受賞した。

15年に成立した安全保障関連法を巡っては、国会前デモに参加するなど反対の立場で活動した

一方、05年に大腸がんの手術をするなど、これまで4回のがん手術を受けている

11年12月10日付の朝日新聞朝刊に掲載された記事「(逆風満帆)ジャーナリスト・鳥越俊太郎」は、鳥越氏について「現場から事実を見ようとする姿勢は駆け出しの地方支局時代からだ。新潟では農業取材のため重いテープレコーダーをかついで田んぼの中を歩き、農民の声を聴いた」と記し、鳥越氏は記事中、「大所高所でなく、アリの目ではいずり回って書く現場主義に徹した」と語った。

またこの記事では、テヘラン支局長時代などの経験を振り返り、「がんもイスラムも農業も、日が当たらない部門で、だれもやりたがらない。でも、それがオセロゲームのように白黒が逆転して、今の私に役だっている。人生って、面白い」とも述べている。

■ハフポストにも登場、前回都知事選について「統一戦線を組んで統一候補を立てれば、また違ったと思うですけどね」

14年2月には、ハフポスト日本版の長野智子・編集主幹と対談した。安倍政権について「特定秘密保護法案もそうですし、靖国神社参拝でもアメリカが『ノー』と言っているのに行ってしまうし。集団的自衛権でも、国会で『俺が全部決めるんだ』みたいなことになっている。それは憲法を否定することじゃないですか」と批判し、「そういう独裁的な政権が出現したときに、国民はどうしたらいいのかというと、バラバラではだめ。統一戦線方式しかないです」と指摘した。

さらにこの記事では、14年2月にあった前回の都知事選について次のように語っていた。

鳥越:都知事選もそういう統一戦線を組んで統一候補を立てれば、また違ったと思うですけどね。

長野:鳥越さんが出ればよかったじゃないですか(笑)。新聞に想定される候補者としてお名前が出ていましたよね。実際にオファーはあったのですか?

鳥越:「出ませんか」というお誘いはありました。でも、1つ目は収録済の番組が7本、講演も14本決まっていたので、そうはいきませんでした。2つ目は家族が全員反対。3つ目は、自分の仕事は何なのかと考えた時に、当事者になってやるのは本分ではない。自分はアウトサイダーで、野次馬でいるのが人生だろうなと。それで、最終的にはノーと言いました。でも、ちょっと悩みました。今年もう74歳ですから。残り時間、最後のチャンスと思ったら、いいかなと(笑)

ジャーナリスト・鳥越俊太郎さんに長野智子ハフィントンポスト日本版編集主幹が本音で聞いた「ネットと報道」「都知事選」「安倍政権」【後編】より 2014/03/09)

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