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ドナルド・トランプ氏が指名受諾演説「アメリカが第一。再び偉大な国にする」

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DONALD TRUMP
ASSOCIATED PRESS
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大統領選への立候補を表明したのは1年前の2015年6月16日だった。泡沫候補と過小評価され、記者会見したマンハッタンの超高層ビル「トランプタワー」のエスカレーターを降りてきた。あれから401日後、不動産業者から転身したエンターテイナー、ドナルド・トランプ氏が正式に、2016年アメリカ大統領選の共和党公認候補の座を獲得した。

「友人、代議員、仲間のアメリカのみなさんへ、私は謹んで、同時に感謝の念をもって、アメリカ大統領への指名を受諾します」と、トランプ氏は7月21日夜、オハイオ州クリーブランドのクイックン・ローンズ・アリーナを満員にした数千人の共和党員に語りかけた。

選挙運動の間、トランプ氏は準備してきた意見を読む政治家を嘲笑してきたが、トランプ氏はこの日、テレプロンプターに映しだされた4000語のスピーチ原稿を読みあげ、犯罪、不法移民、テロ、国際貿易に焦点を当てた。

トランプ氏は指名受諾演説で、「敵との最も重要な違いは、我々はアメリカを第一にすることだ。アメリカを再び偉大な国にする」と述べ、アメリカ第一主義を明確にした。大統領選を争う民主党のヒラリー・クリントン氏については、彼女が国務長官だった時代からアメリカから安全が失われ、世界が不安定になったと批判し、「クリントンの負の遺産を、アメリカの負の遺産にしてはならない」と、クリントン氏が大統領になることへの警告を発した。また、クリントン氏を「大企業の言いなりだ」と批判し、アウトサイダーであるトランプ氏を支持するよう求めた。

経済政策では、環太平洋経済連携協定(TPP)について、「製造業を破壊する。アメリカの労働者に被害を及ぼし、自由と独立が損なわれるいかなる貿易協定に決して署名しない」と明言。北米自由貿易協定(NAFTA)についても「望ましい合意が得られなければ離脱する」と述べた。

治安政策では、「不法移民、ギャング、暴力や薬物の流入を食い止めるため、メキシコとの国境に巨大な壁を築く」と、トランプ氏は述べた。また、「アメリカを悩ませる犯罪や暴力はもうすぐ終わる。(私が大統領に就任する)2017年1月20日から、アメリカは再び安全な国になる」と宣言した。

「今回の党大会は、私たちの国が危機に瀕している瞬間に行われている」と、トランプ氏は語った。「警察が攻撃され、都市ではテロが起きている、これらはまさに私たちの生活が脅かされている。この危険性を理解しないどんな政治家も、私たちの国を導くには適していない」

トランプ氏は過去に数度、大統領選への立候補を公言してきた。中でも2011年が最も注目された。この時トランプ氏は「バーサー」(オバマ大統領の出生地を疑い、大統領の資格がないと主張する人たち)運動で最も注目を浴びる推進者となり、前半の世論調査では、トップに躍り出ることもあった。

トランプ氏はオバマ大統領の出生を調査するために、ハワイに調査チームを派遣したと主張していた。最終的にオバマ氏は、自分が実際にハワイで生まれたことを証明するために、出生証明書の原本を公表することになった。後日、オバマ大統領はホワイトハウス記者協会の夕食会で、トランプ氏を酷評した。トランプ氏は大統領選への出馬を断念した。

トランプ氏が2015年に再び大統領選に立候補すると発表したとき、それまでの経緯から、他の共和党の候補者や評論家たちは、単にまた自分のブランドを宣伝したいだけだろうと見くびっていた。そうした見方は、トランプ氏が実際に選挙活動のための組織をつくっていなかったことからも正しいと思われた。

それにもかかわらず、バラエティー番組のスターであるトランプ氏にはエンターテインメントとして価値があったことから、ケーブルテレビなどでトランプ氏の動向や発言が常に報道された。結果として各州の世論調査の大部分でトランプ氏がトップグループに居続けることになった。その時になってようやく、他の候補者たちや共和党の主流派はトランプ氏の存在を真剣に受けとめるようになった。しかし、それでは遅すぎた。トランプ氏はアイオワ州の予備選で第2位につけたのち、ニューハンプシャー州やサウスカロライナ州、ネバダ州では圧倒的な勝利を収め、3月1日のスーパーチューズデーの各州でも勢いは止まらなかった。

トランプ氏は予備選で代議員の大部分を押さえたが、党員票の大部分を押さえることはできなかった。活発な共和党員の支持基盤はいまだトランプのもとに結集してはいない。18日も、党大会の会場では、トランプ氏から共和党大統領候補者の指名を剥奪しようとする動きがあった。

19日も、トランプ氏が指名獲得に必要な票数を獲得したと発表された時、ニューヨーク、ペンシルバニア、カリフォルニア州などのトランプ氏を強く支持する代議員グループがフランク・シナトラの「ニューヨーク、ニューヨーク」に合わせて踊っていた。しかし、党大会会場の周辺部にいたテキサス、コロラド、ユタ、バージニア州などの代議員の大部分は着席したままであった。

予備選でトランプ氏に大差をつけられて2位に終わったテキサス州上院議員のテッド・クルーズ氏は、20日の党大会のスピーチで明確なトランプ氏支持を表明せず、分断の続く共和党内に驚きを与えた。

元々はクルーズ氏を支持していたテキサス州選出のスティーブ・トス議員は、11月の選挙でトランプ氏に投票すると語った。その理由は何よりも、民主党の大統領候補になることが予想されているヒラリー・クリントン氏が大統領になるのを阻止することだが、トランプ氏の子供たちに感銘を受けたこともその理由だという。「親が駄目なら素晴らしい子供は育ちませんからね」と、トス議員は語った。

しかしそれでも、共和党の上層部の多くは、11月の選挙でトランプ氏が大差で負ける可能性はかなり高いと内心では認めている。いずれにせよ、かつてないほど民族的に多様になったアメリカで、どのように支持基盤を築いていくのか、共和党は考え直す必要がある。現在のトランプ氏は大学教育を受けていない白人男性からの支持が圧倒的に多く、この層の人口は実際には減少している。

その点では、反トランプ派の共和党員の多くが今回の選挙で大敗することが党にとって最善だと考えている。

「多くの点で、それが最も楽な展開でしょう。そうなれば今回のことは一回限りの逸脱ということで、また元通りになると思います」。長年共和党の資金調達を行っているある人物は、匿名を条件にそう語った。「今回流れ込んできた人々は共和党第一ではないので、幻滅と怒りを抱えて元の生活に戻っていくことになると思います」

ハフポストUS版より翻訳・加筆しました。

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