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「保育園見つからず退職。悔しい」調査で浮かぶ過酷な保活【都知事選】

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「保育園が見つからず退職せざるを得ない。悔しい」「うんざり」「納得がいかない」――。

東京都大田区の渡邊麻奈美さん(27)らが2016年4月にまとめた「保活」アンケートに寄せられた言葉だ。アンケートが明らかにしたのは待機児童で退職を余儀なくされた人々の声、そして、やっと保育園に入れても続く、過酷な保活の現状だった。7月31日投開票の都知事選では主要な候補は口を揃えて保育の改善を公約に掲げるが、渡邊さんは「今度こそ本気でやってほしい」と強く願う。

■保育園に入れず退職

アンケートは2016年3月26日〜4月1日、大田区で保育園の入園申し込み、いわゆる「保活」を行った保護者を対象に、ネットを通じて行われた。有効回答数は191人。4月からの託児状況については、約93%が何らかの預け先に決まっていたが、約7%(13人)はアンケートの時点で預け先が決まっていなかった。

保育園に子供を預けることができなかった13人に、今後について尋ねたところ、育児休業の延長が9人、退職が3人、未定が1人だった。育児・介護休業法の規定では、育児休業は1歳までだが、保育園に入所できない場合などは、半年間延長できるとされている。

■保育園には入れたが...電車で通園、引っ越し検討

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長男を抱っこして会社とは逆方向へ。毎朝の出勤風景だ。

アンケートの取りまとめに加わった大田区の会社員女性(34)と夫(32)は、近隣の保育園に子供を預けることができず、まもなく1歳になる長男を、4月から横浜市内の無認可保育所へ毎日電車で送り迎えしている。区内の認可保育所は第6希望まで、認可外保育所(東京都の独自制度・認証保育所を含む)も区内外の5カ所に申し込んだが、全て入園できなかったためだ。

女性は自分たちの保活の結果に「ここまでどこにも入れないとは...」と愕然としたという。もちろん、妊娠中から保育園の見学にいき、入れそうな枠があるかどうかの情報収集をするなど「保活」もした末のことだ。問い合わせた保育所などは全部で25カ所近くになる。

現在、見送りは夫の担当だ。朝7時半頃、長男を抱っこして会社のある方角とは逆の電車に乗り込む。保育園は4駅先だ。通勤には毎朝30分ほど余計にかかっている。

「全滅」と一旦は諦めた保育園に「入れただけでもありがたい」と夫妻。一方で、「息子の体重が重くなったり、歩けるようになったりすると、長い距離を一緒に通勤するのは大変だと思う」と夫は話す。

夫妻は、秋には保育園に近い横浜市に引っ越すつもりだ。「保育園に入れたから良いでしょ、とは思わないでほしい。希望の園に入れず大変な思いをして通勤・通園している人もいる。息子も体力的にも精神的にも辛いと思う」と女性は懸念する。

■保育園に入れても、「保活」は続く

アンケートでは、93%の人が何らかの施設に預けることができると回答した。一方で、認可保育所に子供を入れることができたのはわずか38.2%だった。認可保育所以外への保育所内定者へのアンケートでは、今年度・来年度に申し込みを続けたいとの意向が8割を超えた。「待機児童」にカウントされていない人々も、さらに「保活」を続けなくてはならない現実がある。

「保活」を続ける理由(複数回答可)としては、「保育料が高いから」31.9%、「園舎・設備への不満」22.5%、「3歳以降は預けられないから」20.4%、「遠いから・通園が不便だから」16.8%となっている。

■新しい知事は「本気出して」

代表としてアンケートを取りまとめた渡邊さんに聞いた。

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――そもそも「保活」とはどんなことをするのですか?

経験したことない方にとって、保活とは保育園に申し込むこと、もしくは「近所にどんな園があるのか?」「園の雰囲気や施設、保育の方針は?」を調べること、と思われているかもしれません。でも、今の東京都の保活は、そんな悠長なことは言ってられません。雰囲気などは二の次。「どこなら入れるのか?」を見極めて、入れる可能性を少しでも上げるため、申し込みの作戦を練るのが「保活」です。

典型的な例だとまず、自分の家庭の状況や働き方に応じて与えられる「指数」がいくつになるかを調べます。そして、区役所に問い合わせて、希望する認可保育所ごとに大体どのぐらいの「指数」があれば入れそうなのか、その参考値を聞きます。それから、園に問い合わせたり見学に行って、実際に次のタイミングで入れる児童数の枠が何枠あるのかを調べます。

実際に行くのは、園の雰囲気を見るため以外に、今通っている子供の兄弟姉妹で入園予定者がどのぐらいいるのかを聞き出す目的があります。今通っているこの兄弟姉妹は入園で優先され、実質的にその数だけ枠が埋まるから、とっても重要な情報なんです。園によっては「個人情報」と言って教えてくれないところもありますが、こちらも必死で聞き出します。

そして、いざ申し込みという段階では、入れそうな園を見極めて、第1希望から順番に保育園を申請することになります。同時に、認可保育所に全部落ちた時のために認証保育所にも申し込みをします。ここでは「100人待ちです」なんて言われたという話も聞きますが、先に申し込んだ人の分のキャンセルが出る可能性にかけて申し込むんです。でも、認可保育所の当落結果が出る前に申し込みをしなければならず、その費用が余計にかかるところもあります。

結果が出て、どちらにも入れなかったら、その時点でまだ申し込みが可能な認証保育所を探したり、保育ママを当たったり、区外の保育園を探したりしなければなりません。

――アンケート結果をどう感じましたか?

私自身は2015年4月に、長女を認可保育所に無事入園させることができました。妊娠中から、出産後は子供を連れていろんな園を回りました。申し込みのときには、エクセルシートを使って「どこなら入れるか」と夫と真剣に分析しました。こんな普通じゃない保活のあり方は「全部おかしい」という怒りしかわいてきませんでした。それがアンケートをしようと思ったきっかけです。

国とか東京都は私たちをどうしたいのかな?働く人を応援して、納税者を増やすっていうのが、国のやるべき本来の姿ではないのかな?って思いました。それなのに「女性が輝く社会」を目指すってどういうことなのかな?「本気出してよ」って思いました。普通の親子が普通に保育園へ入りたい。それが私たちの願いです。

――「保育園に入れない」だけではなく、保活の「手続きを改善して」という意見も多いです。

例えば、認可保育所は区役所で一括で申し込みできるのですが、それに落ちた時の受け皿になる「認証保育所は、各自探してください」と言われます。認可保育所は区の管轄、認証保育所は都の管轄だからです。認証保育所の情報を得るためには、まず園がどこにあるのかから自力で調べなくてはならないことが多いのです。

また、緊急で(2001年に東京都の事業として)作られた小規模保育所(認証保育所B型)は、対象年齢が2歳までなんですね。仕方なくそこに入った人は、3歳以降の行き先がないのでまた保活をしなければならない。

これは、抜本的に制度を変えることなく、問題が起こった時にツギハギの応急措置を続けてきたことが、結局根本の問題なんじゃないでしょうか。だからこそ、「本気出してよ」って言いたいんです。

――新知事がすべきことは?

今回の選挙で保育園の問題を候補者の皆さんが取り上げていることは喜ばしいことだなと思います。でも小手先の改善はしないでほしい。本気でやってほしい。

保活コミュニティでもよく話に出るのですが、現場の保育士さんも忙しくていっぱいいっぱいです。例えば保育士と子供の人数の比率を変えたりすれば、枠は増えるかもしれないけれど、現場の負担がより高まることが不安です。

「こんなに保活がしづらいなら2人目は無理」という声もアンケートではたくさん寄せられました。みんな、このような状況はおかしいと思っているんだから、政党を超えて良い政策を作って、みんなで取り組んでほしいと思います。

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