白井健三、超絶技巧を繰り出す「ひねり王子」の素顔とは【リオオリンピック】

リオ五輪の男子体操の代表メンバーで最年少選手が白井健三だ。若干19歳の大学生。五輪は初出場となるが、自身の名前「シライ」を冠した新技を4つも生み出した強者だ。

リオ五輪の男子体操の代表メンバーで最年少選手が白井健三だ。若干19歳の大学生。五輪は初出場となるが、自身の名前「シライ」を冠した新技を4つも生み出した強者だ。

8月8日(日本時間9日)の予選では、床運動でラインオーバーするミスがあったものの、「決勝ではもっと気を引き締めてやっていけるはず。そう思えるのは全員が場数を踏んでいるから」と前を向く。日本時間で10日午前4時から始まる体操団体決勝で、エースの内村航平らとともに世界に挑む。

■内村航平も舌を巻く「シライ3」とは?

「シライ3」を披露して優勝した際の、白井健三の演技=2015年12月、愛知・豊田市総合体育館

国際体操連盟は2月、白井が2015年12月に初めて挑戦し、成功した床の大技「後方伸身2回宙返り3回ひねり」を「シライ3」と命名した。体操競技では主要大会で初めて成功させた選手の名前を技に命名する慣習があるからだ。

代表メンバーのエースである内村も「あれは、夢のまた夢の技ですね」で、シライ3には舌をまいた

床運動で見せる「ひねり技」のオンパレードの華麗さからついたニックネームが「ひねり王子」。国際体操連盟のブッチャー男子技術委員長も「彼のひねりは並外れている」と称賛。「男子選手は一般的に25歳くらいで体力的なピークを迎えるといわれている。彼はまだ若い。これからもっと成長できる」と太鼓判を押した

■「床運動では世界を引っ張りたい」

全日本体操種目別選手権に出場した白井健三

コトバンクなどによると、白井は1996年8月24日生まれ。神奈川県出身。両親は元体操選手だった。小学3年から両親の設立した鶴見ジュニア体操クラブで、本格的に体操を始める。

2013年、高校2年生で出場した世界選手権・種目別ゆかでF難度「後方伸身宙返り4回ひねり(シライと命名)」を決めた。日本人選手としては史上最年少の金メダルに輝いた。

2015年には日体大に進学し、同年の世界選手権の床運動で2年ぶりに優勝。12月の豊田国際大会でシライ3を初成功させたときには、「満足せず、攻めていきたい。床運動では、世界を引っ張っていきたい」と意欲を語っていた

■大好物は1個10円程度の「お菓子」

リオ五輪に持ち込んでいるかは不明だが、白井は意外なものが好物として知られている。駄菓子の「蒲焼さん太郎(写真)」だ。うなぎの蒲焼きをモチーフにした10円程度で変える安いお菓子に高校生のときからハマっているという。

「スマイルスポーツ」2013年12月号のインタビューで、白井は次のように話していた。

―お気に入りは?

「『 蒲焼さん太郎』です(笑)」

―10円の駄菓子ですよね?

「はい。あれが一番好きです。今年に入ってから大好きになって、これからもずっと好きだと思います(中略)とにかく安い(笑)。いっぱい買えるじゃないですか。100 円で 10枚買えますから。世界選手権に行く時もクラブの子から50枚ぐらいもらって、帰ってきてからもお祝いで 50 枚ぐらいもらいました(笑)」

―まさか『蒲焼さん太郎』があの演技のエネルギーだったとは思いませんでした(笑)。

「自分からしたらエネルギーになっていましたけど、周りの人から見たら絶対にエネルギーになっていないですよね( 笑 )

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