日本の「絵文字」文化はここまで来た インド人学生がEMOJI バッグを作る

絵文字があれば、たくさんの言語があるインド人もおしゃべり出来る。
Madhura Kulkarni

TwitterやFacebookばかりやっていると、人と直接会話をするのが、どこか面倒になってしまう。そんな「無口な私たち」の救世主となるのが日本から生まれた「絵文字」かもしれない。

インド出身の20歳の学生、マドゥラ・クルカルニさんが、絵文字が浮かび上がるLEDバッグを開発した。クルカルニさんは、ハフポスト・インド版の取材に対して次のように答えた。「21世紀に入って、みんながソーシャルメディアばかりに集中するようになった。私は、こうした風潮を変えたかったんです。そこで、絵文字が浮かび上がるバッグを作ることを思いつきました。バッグを見た人同士が、会話を始めてくれればいいなって」。

絵文字は5種類あり、バッグの表面に綺麗に浮かび上がる。徐々に話題を呼んでいて、販売も始まった。注文などの問い合わせは、彼女のメール( madhecii.madhura@gmail.com )にメッセージを送れば答えてくれるそうだ。

photo from MADHECII - Madhura Kulkarni

クルカルニさんはイギリスの大学でファッションの勉強をしている。卒業前に、彼女自身で作ったブランド「MADHECII」名義で、このバッグを製作した。

「何か未来っぽいものを作りたかったんです。未来に何があるか誰もわからないということは、作り手に多くの自由があるということ。オリジナルで、誰もが想像したことがない、この世界にないものを作ることができると思いました」

クルカルニさんの取り組みを取材した、ハフポスト・インド版のエディターによると、インドでも絵文字は大人気。お国柄か、悲しい顔より笑っている顔が好んで使われるという。インドの連邦公用語はヒンディー語だが、憲法に公認されている言葉は21もある。方言も多様だ。「絵文字があれば、違う言葉を話すインド人でも簡単に会話ができる」そうだ。

シャネルのデザイナー、カール・ラガーフェルドが絵文字をデザインに取り入れるなど、日本から生まれた絵文字は世界中に広まっている。米自動車最大手ゼネラル・モーターズが2015年6月、新型車の発表の際、絵文字だらけのプレスリリースを作って話題になった。世界で販売するグローバル企業にとって、どの国の人も直感的にわかる絵文字は「世界共通語」として便利なようだ。

日本では、携帯電話が広まり始めた1990年代から絵文字が普及した。海外でもカッコやピリオドを使ったシンプルな絵文字を電子メールで使うことはあったが、日本ほど種類は多くなかった。

ソーシャルメディアの普及で、世界中の誰もが、素早くメッセージを送り合うようになり、一つの絵で多様な感情を表現できる絵文字が急速に広まった。iPhoneやチャットツールのslackなど、各種ITサービスの辞書に絵文字が入っていることも普及の背景にありそうだ。

ハフポスト・インド版に掲載された記事を元に編集・加筆しました。