韓国の大手新聞主筆、疑惑の造船大手からヨーロッパ旅行の接待? 指摘受け辞任

粉飾決算疑惑で検察の捜査を受ける大手造船会社から、ヨーロッパ旅行の便宜供与を受けていた疑惑が表面化。
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韓国の最大手新聞・朝鮮日報の主筆が、巨額の粉飾決算疑惑で検察の捜査を受けている大手造船会社から、チャーター便でヨーロッパ旅行の便宜供与を受けていた疑惑が表面化し、8月29日、辞任を表明した

疑惑が持ち上がったのは、朝鮮日報の宋(ソン)ヒヨン主筆。聯合ニュースによると、29日午前に与党国会議員が宋氏の実名を挙げ「大宇造船海洋が2011年9月にチャーターした豪華飛行機を利用し、ギリシャやイタリアのベニス、ローマ、ナポリ、ソレント、イギリスのロンドンなどヨーロッパ各地を周遊した」と明らかにした。この議員によると、便宜供与には「超豪華ヨット、ゴルフなどの観光とともに、ヨーロッパ往復のファーストクラス航空券も含まれ」ており、「ヨットのレンタルだけで2万2000ユーロ(約250万7000円)、往復のファーストクラスの費用は1250万ウォン(約113万円)」という。

ハフポスト韓国版によると、朝鮮日報はこの旅行直後にあたる2011年9月14日と10月13日に、大宇造船海洋が高卒者を幹部候補生として採用したことを称賛する社説を掲載した。旅行前の2011年5月と8月にも、大宇造船を好意的に取り上げる社説が掲載されている。

それまでも疑惑が指摘されていた宋主筆は前日の8月28日に「便宜供与を受けた距離を換算すると200万ウォン(約18万円)台に過ぎない」などと反論していたが、与党議員がこれに再反論すると、その後に辞意を表明した。

朝鮮日報は1920年創刊。2014年の発行部数は約167万部と韓国最大。親与党の保守的な論調で知られる。

大宇造船海洋は韓国を代表する大手造船企業の一つ。折からの造船不況で巨額の赤字を計上し、2014年10月には政府主導で4兆2000億ウォン(約3800億円)の経営支援策が発表されたが、粉飾決算疑惑が浮上して、前社長らが逮捕されるなど検察の捜査が続いている。

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