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天皇陛下の生前退位、特別措置法で対応検討 皇室典範改正は難しく

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天皇陛下の生前退位、特措法で検討 皇室典範は改正せず

政府は将来の退位を強くにじませた天皇陛下のお気持ち表明を受けて、いまの天皇陛下に限って生前退位を可能とする特別措置法を整備する方向で検討に入った。皇室制度のあり方を定める皇室典範は改正しない方針で、早ければ来年の通常国会に法案を提出したい考えだ。お気持ち表明から8日で1カ月になる。

政府内ではこれまで、内閣官房にある皇室典範改正準備室を中心に、生前退位をめぐる論点を整理し、方法論を検討。憲法も皇室典範も生前退位を禁じているわけではないとの立場から、特措法のほか、退位規定のない皇室典範を改正して、生前退位の項目を加える案などを議論してきた。

ただ、皇室典範を改正して生前退位を制度化する場合、どのようなケースで退位を認めるかといった要件を定めなければならない。「退位の自由」を認めれば「即位を拒む自由」につながり、天皇制が不安定になるとの指摘もある。天皇の自由意思によらない退位の強制や「上皇」という権威の並立といった将来的な懸念をぬぐう必要もあり、改正は短期的には難しいと判断した。

さらに、憲法第2条が皇位について「皇室典範の定めるところにより継承する」と定めており、皇室典範の改正論議が憲法問題に及んで議論が長期化する可能性も考えた。官邸幹部は「(82歳という)天皇陛下のご年齢や負担を考慮すると、長々と幅広く議論するわけにはいかない。論点は極力絞る」と語る。

政府内には当初、皇室典範に定めのある「摂政」を置くことで、天皇陛下の負担軽減を模索する動きもあった。だが、お気持ち表明のなかで、天皇陛下が摂政について、「十分に務めを果たせぬまま、天皇であり続けることに変わりはありません」と否定的な見方を示したことに配慮し、生前退位を実現させる方向で動き出した。

生前退位を含む皇室のあり方について、政府は有識者から10月以降、意見を募る準備を進めている。菅義偉官房長官は「与野党を含め、国民にもできるだけオープンな形で進めていくことが大事だ」と説明。公開性を重視しつつ、スピード感をもって対応する方針を示している。

     ◇

〈特別措置法〉 現行の法制度では対応できない事態が生じた場合に、期間や目的などを限って対応するために特別につくられる法律。米英軍への後方支援や人道支援を目的に自衛隊のイラク派遣を定めた「イラク復興支援特別措置法」(2003年制定)や、東京電力福島第一原発事故で被災した福島県への支援策を定めた「福島復興再生特別措置法」(12年制定)などの例がある。

(朝日新聞デジタル 2016年9月7日21時43分)

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(朝日新聞社提供)

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