9歳の少女、射殺事件に涙の抗議「黒人だからこんな思いをするのは、おかしい」(スピーチ全文)

「私たちのお父さんやお母さんが殺されて、もう会えないなんて酷いです」
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アメリカ・ノースカロライナ州シャーロットで9月20日に黒人男性キース・スコットさん(43)が警察官に射殺された事件で、シャーロット市議会は26日に公聴会を開き、9歳の少女ザイアナ・オリファントさんが、事件に抗議する理由を訴えた。

「今日は、私が感じていることを話すためにここに来ました」と、オリファントさんは切り出した。「私たちは、他の人と違った扱いを受けているように感じます。私たちがこんな扱い方をされるのは嫌です。私たちの肌の色だけで……私にとっては何の意味もないんです」

「私は信じています」といった瞬間、突然オリファントさんの目に涙があふれ、言葉に詰まった。しかし、公聴会の参加者たちから「止めないで」「頑張れ」と励まされ、彼女は続けた。

「私たちは黒人です。だからといってこんな思いをしなければならないのは間違っています」とオリファントさんは言った。踏み台に乗って演台越しから人々を見渡しながら「あなたたちがみんな、私たちにひどいことをしているから抗議しているのではありません。抗議する必要があるから、抗議する権利があるから、そうしているのです」

オリファントさんは、緊張した空気に包まれた公聴会で胸を打つような証言をした。シャーロットでは、スコットさんが地元のシャーロット=メクレンバーグ警察の警察官に射殺された20日以来、市全体で抗議運動が巻き起こっている。AP通信によると、この公聴会は事件後初めて地元住民の意見を聞く場として設けられたが、オリファントさんの言葉は、多くの聴衆の涙を誘った。

抗議する必要があるから、抗議する権利があるから、そうしているのです

ザイアナ・オリファント

「私はシャーロットで生まれ、育ちました。そして、今までこんな風に感じたことは一度もありませんでした。そして、私たちがこんな扱いをされることに耐えられません」

Tシャツの袖で涙を拭いながら、オリファントさんは続けた。

「私たちのお父さんやお母さんが殺されて、もう会えないなんて酷いです。墓地に行って、お父さんやお母さんを埋葬しなければならないなんて酷すぎます。私たちは涙を流すけど、涙を流さなければいけないなんておかしいのです。私たちは、お父さんやお母さんがそばにいてほしいだけなんです」

シャーロット警察の警察官は20日、スコットさんと同じアパートに住む別の住人へ令状を届けようとして、警察官たちが立ち去ろうとしていた時にスコットさんと出くわし、射殺した。警察官たちはその時、「スコットさんが銃を持っていた」と主張している。スコット氏の家族は、スコットさんは武器など持っておらず、本を読んでいただけだと主張する。

スコットさんの妻ラケイアさんが撮影した動画が公開され、警察官たちがスコット氏に向かって銃を手放すよう叫んでいるのが映っている。さらに、その間ラケイアさんが、「夫は銃を持っていない。外傷性脳損傷で薬を飲んだばかりなんだ」と警官たちに訴えている様子も映っている。そしてその数秒後、警官が発砲した。

射殺事件の数日後、シャーロット市内で抗議運動が勃発し、抗議者たちは警察署長に、現場のボディカム映像を公開するよう求めた。抗議は2日間にわたって暴動となり、その混乱の中で男性1人が射殺されている。

シャーロット・メクレンバーグ警察が発砲事件の映像の一部を公開した後、週末を挟んで市の秩序は取り戻された。しかし9月26日の市民集会では、人々は感情を露わにし、多くの市民が市の当局者たちの対応を非難した。

ハフポストUS版より翻訳・加筆しました。

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ノースカロライナ州シャーロットで抗議デモ

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