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「鳥獣戯画」の絵順が違っていたと判明 本当はどういう順番だった?(画像)

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京都市右京区の世界遺産、高山寺に伝わる国宝の絵巻「鳥獣人物戯画」の「甲巻」で、中盤と後半の絵の順序が入れ替わっていたことが調査でわかった。場面のつながり、絵の連続性に不自然な箇所があることは以前から指摘されていたが、今回の調査で制作当初の姿を知る手がかりとなりそうだ。朝日新聞デジタルなどが報じた。

「鳥獣人物戯画」は平安~鎌倉時代に成立したとされ、「甲巻」「乙巻」「丙巻」「丁巻」の4巻から構成される。23枚の和紙をつなげた「甲巻」は長さ11メートル。ウサギやカエル、サルなどの動物が擬人化して描かれており、カエルとウサギが相撲をとるシーンなどは最も知名度が高い。漫画やアニメーションの原点とも言われる。

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国宝「鳥獣人物戯画」甲巻(部分)

今回の調査は、2009年から4年を要した大規模な修理の際に実施。絵を1枚ずつに分離し、裏打ち紙をはがして透過光で紙の特徴を調べた。その結果、「甲巻」23枚目と11枚目は、紙をすいて乾かす段階でついた「はけ」の跡がつながっており、元は1枚の紙だったことを確認できたという。そのため、現在つながっている10枚目〜11枚目は正しい順番ではなく、23枚目〜11枚目とつながるのが本来の形だという。 

修理を監督した一人、鬼原(きはら)俊枝・元京都国立博物館列品管理室長は「絵巻の形になってから切り離されたのだろう。現在の16~23枚目の後に、11~15枚目が続くのが制作当初の順序と考えられる」と話す。

鳥獣戯画、やっぱり順序違った 紙のはけ跡で裏付け:朝日新聞デジタルより 2016年10月3日13時05分)

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現在の「甲巻」10枚目(右)と11枚目

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本来の形とみられる「甲巻」23枚目(右)と11枚目(修理報告書より編集部で再現)

20枚目以降は法会の場面が描かれており、新たに連続する場面をつなげると、僧侶の格好をしたサルがカエルの姿をした仏像に読経し、それに対するお礼としてウサギやカエルが貢ぎ物を運んでくる…という流れになる。

絵が入れ替わった年代は不明だが、室町時代の戦乱で高山寺の伽藍(がらん)が焼けた記録があり、その時に持ち去られた可能性があるという。

文星芸術大学の上野憲示学長(日本絵画史)は産経新聞の取材に対し、「鳥獣戯画は江戸時代初めに、後水尾天皇の中宮だった東福門院和子によって本格的な修復が行われた。その際に後の時代の鑑賞に堪えるようにと編集されたのではないか。絵の順番の入れ替えや切断などが行われた可能性がある」と指摘した

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