「クリントンは911のときNYにいなかった」ジュリアーニ元市長、主張を撤回「やっぱりいました」

「間違えました。謝罪します」

2001年9月12日の写真。テロ攻撃のあった世界貿易センタービル周辺でニューヨーク州知事のジョージ・パタキ氏と上院議員のヒラリー・クリントン氏(民主党・ニューヨーク)を案内するニューヨーク市長のルドルフ・ジュリアーニ氏(肩書はいずれも当時)。

アメリカ大統領選で共和党候補ドナルド・トランプ氏を支持するルディ・ジュリアーニ元ニューヨーク市長は10月12日、「ヒラリー・クリントンは嘘をついている」との主張を撤回した。民主党候補のクリントン氏は2001年9月11日の同時多発テロのとき、ニューヨーク市にいたと発言している。

ジュリアーニ氏は1994年から2001年末までニューヨーク市長を務め、在任中は同市の犯罪率を大幅に低下させて人気を集めた。911以後は救助活動と復旧の陣頭指揮を執り、2011年末には雑誌「タイム」の「パーソン・オブ・ザ・イヤー」に選ばれた。

ジュリアーニ氏は、民主党大統領候補のクリントン氏がある日、「その日はニューヨークにいた」と発言するのを聞いたと語った。世界貿易センタービルの「グラウンド・ゼロ」にいたという。

「私はその日、そこ(グラウンド・ゼロ)にいました。ヒラリー・クリントンを見かけた覚えはありません」と、フロリダ州オカラで行われたトランプ氏の集会で、集まった人々を前にジュリアーニ氏は語った。クリントン氏について長々と批判を述べている最中のことだ。

「"決して忘れてはならない"という思いを強く共有する私たちと一緒だなんて、彼女に言われたくない」

ジュリアーニ氏はある意味正しい。ニューヨークの上院議員だったクリントン氏は911当日、ニューヨークにはいなかった。首都のワシントンD.C.にいたからだ。同じく攻撃を受けたペンタゴン(国防総省)の近くだ。

しかし、ワシントン・ポストが指摘しているように、クリントン氏は翌日、飛行を許可された政府専用機でマンハッタンに向かった。彼女はグラウンド・ゼロを視察し、ジュリアーニ氏と並んで歩いているところを写真に収められている。

フロリダ州のトランプ集会から数時間後、ジュリアーニ氏は911のときのクリントン氏の居場所について発言を撤回した。彼はAP通信に「間違っていました」と語った。「間違えました。謝罪します」

「911のときにヒラリー・クリントンを見かけた覚えはない」ルディ・ジュリアーニさん、今すぐ左側を見てください。

そもそも、クリントン氏が「911の時にはニューヨークにいた」と発言したことを証明する証拠は何もない。そして、彼女は911の時、どこで何をしていたか公に語っている。

同時多発テロから15年が過ぎた2016年9月に行われたインタビューで、クリントン氏は惨劇に対する思いを語った。彼女は2001年9月12日にチャック・シューマー上院議員と一緒にヘリコプターでマンハッタンへ向かい、惨状を見た。

クリントン氏は「生き残った人は多くなく、一命をとりとめた人も、深刻な怪我をしていました。失われた人命は想像を絶するものでした」と、CNNに語った。「しかし、ニューヨーク市とニューヨーク州、そしてアメリカ合衆国に必要なものを届けるのが私の仕事であり、他の政府職員の役目でもありました」

---

ハフポストUS版編注:ドナルド・トランプ氏は世界に16億人いるイスラム教徒をアメリカから締め出すと繰り返し発言してきた嘘ばかりつき極度に外国人を嫌い人種差別主義者ミソジニスト(女性蔑視の人たち)、バーサー(オバマ大統領の出生地はアメリカではないと主張する人たち)として知られる人物である。

ハフポストUS版より翻訳・加筆しました。

▼画像集が開きます

グラウンド・ゼロ

(スライドショーが見られない方はこちらへ)

注目記事