不起訴の高畑裕太さん弁護士コメントは「2度目のレイプ」と女性が反論

女性は、「性犯罪の被害者にとって、大声で助けを求めればよかったという決めつけが一番傷つきます」と訴えている。

8月23日に強姦致傷容疑で逮捕された俳優・高畑裕太さんが、女性と示談が成立して9月9日に不起訴処分となり釈放された。その後の弁護士側コメントなどに対して、女性側が反論するインタビューが週刊現代に連続掲載されている。

10月24日発売の週刊現代で女性は「示談に応じた理由」として、前橋地検での聴取で傷ついたことや、裁判員裁判で「また恥ずかしい思いをする」ことなどを理由に挙げて、「被害者にしかわからない恐怖、痛みをわかってほしい」と訴えている。

週刊現代に掲載されたインタビューによると、女性は、高畑さんに「歯ブラシをもってきて」と呼び出されたホテルの部屋で身体を強引に押さえつけられて無理やり性交させられたと訴えている。

示談に応じた理由として、女性は、検察官の事情聴取で「なぜ大声を出さなかったのか」「なぜ壁を叩かなかったのか」などと繰り返し質問され、だんだんと「自分に非があるのでは」と考えるようになったことを明かしている。そして、裁判で再度証言することは「もう耐えられない」と感じたとも話した。

さらに女性は、「性犯罪の被害者にとって、大声で助けを求めればよかったという決めつけが一番傷つきます。裁判で抵抗が弱かったという理由で加害者が無罪になってしまうのであれば、被害者は泣き寝入りするほかありません」と訴えている。

高畑さんの一件をめぐっては、釈放日に担当弁護士が経緯を説明するコメントを文書で発表。以下のように主張していた。

知り得た事実関係に照らせば、高畑裕太さんの方では合意があるものと思っていた可能性が高く、少なくとも、逮捕時報道にあるような、電話で「部屋に歯ブラシを持ってきて」と呼びつけていきなり引きずり込んだ、などという事実はなかったと考えております。つまり、先ほど述べたような、違法性の顕著な悪質な事件ではなかったし、仮に、起訴されて裁判になっていれば、無罪主張をしたと思われた事件であります。

高畑裕太の弁護士「悪質な事件ではなかった」【コメント全文】より 2016年09月10日)

女性は週刊現代のインタビューで、この高畑さんの担当弁護人のコメントに「まるで私がウソをついたかのようなことが書かれていました。私が悪かったというのでしょうか。なぜ加害者のように扱われるのでしょうか……。二度目のレイプをされたような気持ちです」と語っている。

この担当弁護士のコメントに対して、太田啓子弁護士はハフポスト日本版に寄せたブログで「女性側の了解を得ていなかったとすれば、当該女性への配慮をあまりに欠くもので、同業者としても非常に残念である」との見解を発表した。

一方で、示談前の時点での報道について郷原信郎弁護士は「『推定無罪』を無視している」との内容のブログを寄せた。

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