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クリントン氏、チャリティ晩餐会で自虐スピーチ「史上最年少の女性大統領になる」(全文)

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CLINTON SPEECH DINNER
Carlos Barria / Reuters
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アメリカ大統領選の民主党大統領候補のヒラリー・クリントン氏が10月20日、大統領選挙の恒例行事となっているアルフレッド・E・スミス記念財団の慈善晩餐会で、共和党候補ドナルド・トランプ氏を穏やかに批判し、自身についてもジョークを飛ばした。

この晩餐会はニューヨーク大司教区主催で年に一度ニューヨークで行われ、カトリックの有力指導者や献金者、ニューヨークの大物たちが出席する。大統領選挙の年には、候補者が自虐的なジョークを交えたスピーチをするのが恒例となっている。しかし、今回は緊張感が漂っていた。

トランプ氏のスピーチがいつものようにクリントン氏への中傷に傾くと、会場からはブーイングが起きた

続くクリントン氏のスピーチは、より好意的に受け止められた。伝統にもなっているように彼女は自虐も交えながら、穏やかにトランプ氏をからかってみせた。

クリントン氏は個人メールサーバーの使用や人格に対する批判、メディアに対してあまり口を開かないことなど、自身の欠点や選挙で議論になっている点について自虐的に語った。

スピーチ全文は以下の通り。

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ありがとうございます。猊下、閣下、聖職者の皆様、ドナルドとメラニア、そして賓客の皆様。先程アルは、彼が最初に大統領に立候補をした時、副大統領候補にアーカンソー州の進歩的なジョセフ・G・ロビンソン上院議員を選んだことを思い出させてくれました。彼は私の夫の政治的なヒーローの一人です。

アル、あなたがこの晩餐会を通じて行ってきたことは――これをあなたは30年間続けてこられたわけですが――素晴らしい奉仕の心に満ちています。あなたは大司教区の子供たちとニューヨークの街のヒーローであり、私たちは皆アル・スミスに盛大な拍手を送るべきだと思います。

このような特別な会ですので、私は分刻みの仮眠スケジュールを曲げて出席させていただきました。

すでにご存知かもしれませんが、この会は皆様方にとっても貴重な体験でしょう。なぜなら、普段私はこのようなスピーチで莫大な講演料を請求するからです。ですが、熱心な人道主義者のアル・スミスに対してそのような考えを持つのは皮肉と言っていいでしょう。

彼が今日この場にいて私たちが集めた寄付金の額を見たら、とても誇らしく思ってくれたことでしょう。

そして彼の功績を称えるために富裕層の人たちが集まったこの豪華絢爛な部屋を目にしたら、彼はとても混乱するでしょう。

猊下と共にこの場にいられることは特別な名誉です。あなたは今夜ドナルドと私の両方を招いたことで批判されましたね。それに対するあなたの反応はこうでした、「もし私が聖人とだけ食卓を囲むことになったら、ずっと一人で食事をすることになるだろう」と。はっきりさせておきますが、枢機卿は私に聖人としての資格がないとおっしゃっているのでしょう。ですが、ドナルドとの討論を3回も乗り越えたことは奇跡と見るべきです。

どうやら私は最も高くて硬いステンドグラスの天井に向き合っているようですね。しかし猊下がお互いにいがみ合う不倶戴天の敵同士をこの場に集めたことは賞賛されてしかるべきです。お聞きしますが、今夜はどうやってここに知事と市長を呼んだのですか?

この部屋には私にとって馴染みのある顔も多くいます。交流を持ち、一緒に働く栄誉を持つことができた素晴らしい人々です。あなた方を可愛らしい動物たちのカゴに入れてしまいたい。タキシード姿のあなた方は素晴らしい、いや、あの人たちの言葉を借りればフォーマルなパンツスーツと言うべきでしょうか。

そしてこの晩餐会は素晴らしい趣旨で開かれているので、ドナルド、もし私の言うことが気に入らなければいつでも好きな時に立ち上がって「違う」と叫んでくださいね。そのことを考えると、私がドナルドの後に喋っているというのは驚きです。彼が平和的な権力の移行に同意するとは思いませんでした。ドナルド、あなたのスピーチを聞きましたが、マイク・ペンスが「ドナルドはそんなことを言わなかった」と否定するのも楽しみです。

私は今までもアル・スミス氏の晩餐会に参加するという栄誉にあずかってきましたし、そこで常に楽しい時間を過ごさせていただきました。でも覚えておいてください。もし気に入らないことがあったら、そこでは不正が行われているに違いありません。私にとって、ニューヨークに帰ってくるのはいつでも特別な喜びです。私が愛するこの街は、アメリカの最良の部分を偽りなく体現していると思います。そうではありませんか?

自由の女神像を見る人々は、そこに移民の国としての私たちの歴史の誇らしき象徴を、世界中の人々の希望の光を目にします。ドナルドが自由の女神を見るとき、「あれは4点だな」と思うのです。

女神像が松明と銘版を捨てて髪型を変えれば、それが5点になるかもしれません。それについて言えば、女性にとって良い数字はなんだかおわかりですか? 45です。

話が逸れました。今夜は精いっぱいベストを尽くすつもりですが、私にはユーモアのセンスがあると評判なことは理解しています。陣営総出でこうしたジョークを作ってきたのはそのためです。皆が話し、私はそれを聞きます。私はドナルドに比べて退屈だと言われますが、まったくそんなことはありません。実際、参加したパーティーではいつも主役でした。パーティーには3回行ったことがあります。

パーティーで収拾がつかなくなった時は、それは時折起こることなのですが、皆を安全に家まで送り届ける責任あるお目付け役の存在が重要です。だから私はティム・ケインを副大統領に指名したのです。

今夜はテレプロンプターがないことにお気づきかもしれませんが、それは賢い選択かもしれません。ドナルドが自分のテレプロンプターを壊すのを見たかもしれませんね。元のロシア語から翻訳する方が難しいかもしれません。

ですが毎年この晩餐会には、思慮深く献身的な共和党の主流派の方々がご参加されています。あるいは最近の言い方をすれば、ヒラリー支持者というべきでしょうか。

私を批判する人の声は私にも聞こえていますが、彼らは私が聞こえの良いことしか言わないと思っているようです。今夜については、それは真実です。では皆さんが聞きたいと思っていることを言いましょう。この選挙はあとほんの少しで終わります。この席をご覧ください。チャーリー・ローズにクリス・マシューズ、ゲイル・キングにケイティ・クーリックです。これは記者会見にカウントされますよね?

ブルームバーグ市長にもお目にかかれて光栄です。今夜彼のスピーチが聞けないのは残念です。億万長者が何を話すのか興味があるのですが。そしてあの席をご覧ください。チャック・シューマー閣下、アンドリュー・クオモ閣下、ビル・デブラシオ閣下、デイブ・ディケンズ閣下、その他大勢の素晴らしい政府関係者の方々。

そしてルディ・ジュリアーニ氏(トランプ氏を支持する元ニューヨーク市長)です。ご存知でない方も多いかもしれませんが、ルディは脱税しようとするニューヨークの富裕層を追及する検察官としてキャリアをスタートさせたのです。しかしことわざにもあるように、相手に勝てないならFOXニュースで「彼を天才と呼べ」と言っています。

先ほども言いましたが、私たちは3回目の、そしてありがたいことに最後の討論を終えました。ドナルド・トランプと同じ壇上に立つのはまるで、そうですね……何も思いつきません。ドナルド・トランプと同じ壇上に立つのは唯一無二の体験です。

昨夜の討論の前に、ドナルドは私に薬物検査を求めました。ドナルドは私が能力増強剤か何かを使っていると思っているようで、それについては光栄に感じていると言わざるをえません。実際私は使いました。準備という名の増強剤を。

振り返ってみると、私はドナルドの発言を議論3回分丸々聞かなければなりませんでした。なのに彼は私には体力がまるでないと言うのです。私には体力がまったくないと言うんです。4時間半ですよ。私はドナルド・トランプの選対本部長の誰よりも長く彼の隣に立っていたことになります。

私はケリーアン・コンウェイを始めとする方々に深い尊敬の念を持っています。彼女は日夜ドナルドのために働いていますし、彼女は契約社員なので彼から給料を受け取ることもないでしょう。

ですが、私が良いニュースだと思うのは、3回の議論によってようやく共和党員が候補者の下で一致団結できたことでしょう。悪いニュースは、それがマイク・ペンスだということです。本当に長い長い選挙戦でした。選挙期間を短くすること、それが私たちの最優先事項のひとつでしょう。

どちらがこの選挙に勝っても、その結果は歴史的なものになります。初の女性大統領か、Twitterでシェールと口げんかを始めた初の大統領が誕生します。もしドナルドが勝ったら、毎年歴代大統領が集うワシントン誕生日の写真撮影は気まずいものになるでしょうね。それはビルがいるからだけではありませんよ。バラクはイスラム教徒の入国禁止をどうやってくぐり抜けるのでしょうか。

共和党員の方々は自分たちの党の候補者に特にご不満なようです。ポール・ライアン(下院議長)は議員たちに対して「トップの公認候補を支持する必要はない。自分たちの利害を考えて行動しろ」と言いました。ドナルドは自分の信念に則って党を団結させたということでしょうね。

彼らがなぜ不満なのか私にはわかりません。ドナルドには政策がないと彼らは言います。そういう声ばかりが聞こえてきます。私はこれについて彼を擁護したいと思います。ドナルドには問題が、深刻な問題があります。本当に深刻な問題です。私はドナルドの一人でやってやろうという姿勢を心配しています。例えば、ある集会で彼は「俺一人で立て直せる」と言いました。1990年代、私もアメリカの医療制度について同じことを言いましたが、うまくいきませんでした。

健康といえば、ドナルドは私の健康をとても心配してくれているようです。今夜も迎えの車を寄こしてくれました。実を言うと、それは霊柩車でした。

ここで私は情報だけをお伝えして、私たちの健康が相対的にどうなのか皆さんに判断していただきたいと思います。私たちどちらの医療記録も優秀です。私の血圧は上が100で下が70。彼の血圧は信じられないほど素晴らしい。

私のコレステロール値は189。彼のは「大統領にふさわしい」値です。私の心拍数は1分間に72。彼は「史上最多か史上最小か、どちらか聞こえのいいほう」です。でもドナルドは馬並みに健康です。ウラジミール・プーチンが乗り回している馬みたいに。

でも矛盾を恐れず言いますが、私は史上最も健康的で最年少の女性大統領になるでしょう。

しかし本当に奇妙な選挙戦でした。昨晩も今夜もご覧になったでしょうが、ドナルドは私の政治家としての仕事を常に批判してきました。最初はその理由がわかりませんでした。でも今ならわかる気がします。ハワード・スターン(ラジオ司会者)に語ったように、彼は女性に35年以上もの政治経験があることが気に入らないのです。でもドナルド、あなたが思っている以上に私たちには共通点がたくさんあります。例えば、私は粘り強さと努力によってなんでもできると若い人たちに示そうと努力してきました。それはあなたも同じです。小学3年生を担当するある先生に聞いたのですが、生徒の一人が「査定の対象」にならないからといって宿題の提出を拒んだそうです。他にも共通点はあります。共和党全国委員会は私たちのどちらにも一銭もお金を出してくれません。

今夜はこの会の精神を受け入れましょう。一つになって私たちを結びつけているものを思い出し、テッド・クルーズの悪口を言いましょう。

私のスピーチを楽しんでいただけたでしょうか。やり過ぎかなと思ったジョークは却下したのですが、それについては数日以内にウィキリークスから発表される情報からご自分で判断されるといいかもしれません。

祝祷の後、ドナルドがこの晩餐会の終了を受け入れるかどうか教えてくれるでしょう。彼は成り行きに任せるべきです。しかしこの選挙に懸かっていることに何ひとつ冗談はありません。結局、この晩餐会が重要なのは私たちのジョークではなく、私たちが未来に繋いでいく遺産なのです。この国が歩んできた長い道のりについてはついつい忘れがちです。今夜この会場にいる方々の多くが、自らが、あるいはご両親や祖父母の方が移民としてこの国にやってきて、自分の力で人生を切り拓き、アメリカンドリーム、そして歴史上最高のシステムの恩恵を受け、努力する意志をもつすべての人々の才能、活力、野心を解き放とうとしてきました。アル・スミス氏の生涯を考える時、一人のカトリック教徒だった彼にとって、我が民主党の大統領候補になったことがいかに画期的なことだったかについて思いを馳せることが大事です。

忘れないでください。もしアル・スミスが大統領になったら聖書を所持したり読んだりできなくなるという子供たちの手紙を、教育委員会が送りました。国民は彼がプロテスタントの婚姻を無効にしてしまうと聞かされました。最近読んだ記事では、彼がオランダとアメリカの間に秘密トンネルを作り、ローマ教皇にアメリカを支配させるのではないかという話もあったそうです。

こうした分断の恐怖は、私たちを他人同士にしてしまいます。こうした言葉はお互いを見ること、聞くことを難しくしてしまい、隣人を自分自身のように愛することがずっと難しくなってしまうのは確かです。他人にどう接するかは、信仰と奉仕の最上の表現方法だと私は信じています。私はカトリックではなくメソジスト教徒ですが、私たちに共通していることのひとつは、救いを得るためには信仰と善行が必要だという教義です。

聖なる父であるローマ教皇の謙虚さや御心に感銘を受けたり彼のメッセージを受け取るために、カトリック教徒である必要はありません。敵対心を拒絶する彼のメッセージ。不平等を減らそうという呼びかけ。気候変動への警告。壁ではなく橋を作ろうという訴え。そして私の副大統領候補であるティムはカトリック教徒であり、イエズス会の学校に通いました。私が語ってきた考え方のひとつは、多ければ多いほど良いということです。

私たちは議論の作法や礼節については同じ姿勢を持ちながら、政策の問題について異議をぶつけ合うより良い方法を身につける必要があります。お互いの対話の仕方、接し方、敬意の払い方をどうするのかということです。

私はそのことを選挙戦の中心に据えました。大統領選の日々の激しいやり取りの中で、どうすればお互いにより多く、より良いことができるのかを問うことです。なぜなら私たち一人ひとりにとって、この地球における最大の業績は何を建てるかではなく、私たちが触れる生命にあるからです。それこそがこの晩餐会の本質です。だからこそ、皆様とこの場を共にできることは多大な栄誉であると改めて申し上げます。ありがとうございました。

ハフポストUS版より翻訳・加筆しました。

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