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0.05ミリのペンで堺市の街並みを再現。発達障害と診断の芸術家「自分の言葉」として発信

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SAKAI
Ajuさんが描いたポスター=堺市提供 | 朝日新聞社
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0.05ミリペンで堺の街再現 緻密な線画、ポスターに

 仁徳陵古墳の周りに広がる街並みを再現するのは0・05ミリのサインペン。緻密(ちみつ)な線画が描く世界は、実写以上の迫力を生む。

 そんな堺市消防局のポスターを描いたのは大阪市出身のアーティストAju(アジュ)さん(27)=本名非公表。大学生の時に発達障がいと診断され、絵の表現を「自分の言葉」として、発信する。

 描き始めたのは、大阪教育大第二部(夜間学部)の学生時代。全線開通したばかりの九州新幹線の車両をスケッチした。同大学の准教授だった永浜明子さん=現・立命館大准教授、障がい者スポーツ=に「うまいね」と言われ、自信が付いた。

 当時、授業に出ようとするとじんましんが出たり、足が震えたりする症状に悩んでいた。大学の勧めで病院に行くと、対人関係などが困難な「自閉症スペクトラム」と診断された。高校まで「優等生」として育ってきた自分。ギャップに苦しんだが、絵を描いていれば、何時間でも集中できた。

 大学3年の終わりごろから、永浜さんの勧めで、堺市内で下宿を始めた。パソコン入力のアルバイトをしながら、高層ビルや電車をスマホで撮影し、スケッチブックを開いた。下書きはせず、数百の窓を忠実に描く。水も飲まず、トイレにも行かず、ただサインペンを握る。

 大阪・中之島や皇居近くのビル群、スカイツリー……。作品が30点ほどになった昨年5月、堺市で個展を開いた。今年7月の市のアートイベントでは、縦横180センチの紙に2日間、線を描き続けた。うわさが広がり、美術展に招待作家として絵を展示してもらったり、大阪の風景画が在阪テレビ局の番組のセットにも使われたりした。

(朝日新聞デジタル 2016年10月30日 08時14分)
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(朝日新聞社提供)

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