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南極に世界最大の海洋保護区 世界各国が利害を越え合意

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オーストラリア・タスマニア島ホバートで開催されていた「南極の海洋生物資源の保存に関する委員会(CCAMLR)」年次会合が10月28日閉幕し、南極のロス海に世界最大の海洋保護区を新たに設置することで合意した。これにより、世界で最後に残された手つかずの自然環境である155平方キロが保護されることになる。

南極保護に取り組んでいる24カ国とEUが、2週間の交渉の末、決議を発表した。この区域は35年間保護されることになる。

アメリカのジョン・ケリー国務長官は声明で、「ロス海に海洋保護区を設置することで、地球上に最後に残された手つかずの海洋自然区域を保護する。この海域には、比類のない生物多様性があり、ペンギンや、アザラシ、クジラ、海鳥、魚たちが繁栄する生息地となっている」と述べた。ケリー国務長官はこの海洋保護区を「この地球が直面している危機の緊急性を、世界がついに理解し始めたことの証」と呼んだ。

ロイター通信によると、今回の合意で、ロス海の155平方キロのうち112平方キロでの漁業は禁止され、海域内の他の区域は研究のための地域として利用され、科学的な目的のためにごく小規模の漁業のみ許可される。ニューヨーク・タイムズによると、ロス海でも保護地区の外側は、動物たちの繁殖地であり餌場でもある重要な地域から遠く離れており、今後も商業漁業は許可されることになる。

この地域は2017年12月1日に保護区となる予定だが、そこにはペンギンやクジラ、アザラシ、オキアミ、巨大イカを含む1万種類以上の生物種が生息している

この海洋保護区の交渉は5年間に及んだ。ガーディアンによると、国際海域に作られた初めての海洋保護区になる。

ガーディアンのマイケル・スレザク記者は、35年間の期限を設けたのは、中国とロシアへの妥協策だったと語った。両国はここ数年間、漁業について異論を唱えていた。CCAMLRでは、海洋保護区の設置は全会一致が条件となっていた。

しかし、2015年に中国が賛成に回り、漁業権への懸念から反対していたロシアも、ケリー国務長官からプーチン大統領への働きかけがあり、今回賛成に転じた。

不十分な側面はあるが、今回の合意は環境団体から歓迎された。グリーンピース・オーストラリアは今回の決議を「クジラや、ペンギン、メロ、また私たちの海を保護するために活動する人たちにとっての大きな勝利」と述べた。

グリーンピースは、海洋環境の少なくとも30%を保護するため、国際自然保護連合(IUCN)主催の世界自然保護会議(WCC)で発表されたイニシアティブを達成するためにさらなる努力を求めた。

世界は目標達成に向けて取り組みを強化している。9月には、さらに240平方キロの海洋を保護するために、アメリカ国務省主催の「Our Ocean Conference 2016」で国際委員会が設置された。

ハフポストUS版より翻訳・加筆しました。

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