トランプ夫人、応援演説で「子供のいじめと闘う」 それって、夫に言うことじゃ...

「大人として、私たちは卑劣な言葉遣いや嘘を言わないようすることができるはずです」

アメリカ大統領選の共和党候補ドナルド・トランプ氏の妻でメラニア・トランプさんが11月3日、ペンシルベニア州フィラデルフィアの選挙集会で、7月18日の共和党全国大会で演説して以来初めてトランプ氏の応援演説を行った。

トランプ氏がいない集会で、メラニア夫人はファーストレディとして「いじめられている子供たちのために闘う」と述べた。

「私たちの文化はあまりにも卑劣で危険なものになってしまいました」と、メラニア夫人は語った。「12歳の少年や少女がからかわれ、いじめられ、攻撃されるのを許すわけにはいきません。こんなことが遊び場で起こるなら恐ろしいことですし、インターネットで名前を隠してやるなら受け入れがたいことです」

しかし、自分の夫には、このいじめ反対キャンペーンの矛先を向けるつもりはなさそうだ。トランプ氏のTwitterがいじめではないかという批判が起きている。

メラニア夫人はしばらく公の場に出ることを控えていた。2016年の共和党大会での演説の一部を、ミシェル・オバマ大統領夫人が2008年の民主党大会で行った演説から盗用していたことが明らかになったためだ。それ以来、共和党予備選の間は常に夫の横にいたものの、最近はほとんど姿を見せなかった。

しばらく姿を見せなかった彼女が今回の演説で主張したことは不可解なものだ。夫のトランプ氏は自分に反対する者なら誰であろうと(ネット上でも、面と向かっても)いじめ倒すことから評判が悪い。アメリカ教育協会は、「トランプ効果」に注意を促すキャンペーンを始めた。子供がトランプの行動に影響を受けていじめを始めているという。

「私たちはすでにこうした例を見てきました」とメラニア夫人は語った。さらに「大人として、私たちは卑劣な言葉遣いや嘘を言わないようすることができるはずです」と訴えた。ちなみに、SNS上では#ImWithTurというハッシュタグでNBCニュースのリポーター、ケイティ・ターを擁護する動きが広がっている。トランプ氏が11月2日、マイアミの演説で彼女をからかったからだ。

またメラニア夫人は、子どもたちが「容姿や学力」のせいでいじめの標的になることを嘆いた。彼女の夫はしょっちゅう、相手の特徴をあげつらって攻撃しているが……。確かに彼女の言うとおりで、いつも他人の容姿を馬鹿にし、相手の配偶者を辱める言葉を公共の電波で流し、近所の子供に「10年は付き合ってやってもいいな。信じられるか?」などと語りかけてはいけない。

「私の美しい妻メラニアが、この国と家族への愛情を語るところを見ている。みんな私たちのことを誇りに思うだろう」

メラニア夫人はこの演説で、おそらく自分の夫の行動と、夫が訴えられている数多くの性的な嫌がらせの件についても言及すると思われた。

演説の前の祈りの間、地元のキリスト教組織「チェスター・カウンティ・アクション」代表グウェン・アレクサンダー氏は、聴衆とトランプ陣営に「不義と殺人を犯したダビデに見せた寛大さをもって」赦しを与えるよう神に願った。

これは注目すべき、また政治的にも興味深い祈りの言葉だった。メラニア夫人が夫の性的な嫌がらせ(彼自身が認めたところによれば、そこには性的暴行も含まれている)について語る意向だと示唆していたからだ。たしかにイベントの説明では、メラニア夫人が「家族、自分の結婚、選挙戦の経験、そしてファーストレディとして掲げる目標」について語ると書かれていた。だからこそこれほどの注目を集めた。

しかしスピーチは決まり文句の連続で、他の政治家の妻がやる公演とほとんど変わらない、当たりさわりのないものだった。メラニア夫人はスロベニアで過ごした幼少時代について、それからファッション業界で活躍した経緯について語った。そして夫は「戦士」であり、アメリカ経済を「深く気にかけている」と称えた。

「ドナルドは事態を動かす方法を知っています。そうでしょう?」と、メラニアが問いかけ、群衆からは歓声が起こった。

トランプ陣営は、メラニア夫人が公の場に戻ってきたことにはそれほど関心を持っていないようだ。ハフポストUS版はトランプ陣営のケリーアン・コンウェイ選対本部長に、メラニア夫人が夫の疑惑に言及するかどうか尋ねた。コンウェイ氏は「合衆国憲法の良いところは、失礼な質問をする自由も保証してることですね」と言っただけで、すぐに他の記者の質問に移ってしまった。

■ 聴衆の反応は礼賛一色

4日の集会に参加した人々は、コンウェイ氏と同じようにトランプ氏の疑惑には無関心な様子だった。代わりにメラニア夫人を称賛し、ミシェル・オバマ夫人に対する失望を熱心に表明していた。

「メラニアがあまり騒ぎ立てるべきだとは思いません」。トランプ氏のわいせつ疑惑について、ペンシルベニア州チェスターヘイツ在住のパトリック・マクファデンさんはそう語った。「彼女は今日、もっと大きな話をするためにここに来たんだと思います」

「ここ8年間見られなかった気品と尊厳を彼女が見せてくれると思います」と、マクファデンさんは付け加えた。「彼女はとても正直に、とても誠実に私たちのところに来てくれました」

「メラニアには落ち着きと気品があります」と、フィラデルフィア在住のエイプリルさんは言う。苗字は伏せてほしいとの要望があった。「今のホワイトハウスに欠けていると感じるのは、政府当局への敬意です」

「ビヨンセだの、ドラッグの元売人だのを招くような人間はファーストレディに相応しくありません」と、エイプリルさんは付け加えた。これはビヨンセと夫のラッパー、Jay-Zがホワイトハウスによく訪れることを指している。Jay-Zは若い頃、仕事の一部としてドラッグの売買をしていた。

参加者たちはまた、メラニア夫人の演説盗用についても問題にしていないようだ。

「ほんとに?」と、ペンシルベニア州ポッツタウン在住のジェフ・リチャードソンさんは叫んだ。「元々ミシェル・オバマのアイディアだったってこと? そんなの大した問題じゃない」

バーウィン在住のアンナ・ペロンさんは、メラニア夫人はさまざまな論争の渦中で「プレッシャーの中でもすばらしい品位を発揮してきた」と語る。

「彼女は一流の人だと思う」とペロンさんは語った。「彼女は熱意と気概、忍耐を見せてきたと思います」

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ハフポストUS版編注:ドナルド・トランプ氏は世界に16億人いるイスラム教徒をアメリカから締め出すと繰り返し発言してきた嘘ばかりつき極度に外国人を嫌い人種差別主義者ミソジニスト(女性蔑視の人たち)、バーサー(オバマ大統領の出生地はアメリカではないと主張する人たち)として知られる人物である。

ハフポストUS版より翻訳・加筆しました。

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1998

メラニア・トランプ夫人

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