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「イギリス政府のEU離脱戦略は混乱し、機能不全に陥っている」内部分析メモが流出

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イギリスのEU離脱に関して、内閣府に依頼されたコンサルタントがその影響や評価を記したメモが流出した。メモには、イギリス政府のEU離脱の準備が整っておらず、戦略も描けていないという厳しい評価が並んでいる。

このメモはコンサルティング会社「デロイト」のジョー・オーウェン氏がまとめたもので、イギリス政府のEU離脱計画について警告し、離脱戦略は部分的に「混乱と機能不全」を招くと記している。

コンサルティング会社「デロイト」は数カ月かけ、各省庁とEU離脱手続きを開始させるために必要なリスボン条約第50条を発動する準備について協議し、タイムズ紙に流出したメモに書かれていたような主張を認識しているという分析をまとめた。

政府は、流出したメモについてデロイト社を非難している。メモには、テリーザ・メイ首相にはEU離脱戦略がないと記されている。また、閣内でも、次のステップをどうするか大きな亀裂が入っているとも記されている。デロイト側は、メモは主に内部関係者のためのものだ説明している。

流出したメモには、ホワイトホール(イギリス政府)とEU離脱について機能不全を起こしている問題が書かれている。秋の予算案審議で詳細が明らかになるだろう。

メモには、EU離脱のために3万人の公務員が追加雇用される必要があり、閣僚の意見が対立しているため、2017年3月末の第50条発動までに閣内合意は困難だと書かれている。オーウェン氏のグループが欧州連合離脱省と協議し、見解をまとめた。デロイト社は、EU離脱に関する計画があるとすれば、政府はそれを一切口外していないと考えている。

「このメモに書かれている数字が正しいかは分からないが、いくつかの点で問題があると認識している」とオーウェンはメモの中で以下の4点を挙げた。

1. ホワイトホールはさらなるリソースを必要としている

「『交渉する人間が不足している』という話は誤解を生む」とし、「ホワイトホールはすでに始まっているEU離脱を実行する能力がない」と危惧している。また、政府が雇用の影響を受ける役人が「今ここにある脅威」に対処するのは「長続きしない」と警告している。

2. 誰も十分な長期計画をしていない

「目に見える方針がなく、政府首脳への秘密裏の接触も足りない」と警告している。計画が数カ月単位ではなく、数日や数週間単位で作られている。さらに「各省庁のEU離脱を指揮している者たちは、一般市民と同じ程度の知識しかない。2017年3月までに第50条が発動されることや、2年間の交渉期間があることくらいしか知らない」と指摘している。

3. EU離脱計画は「混乱と機能不全」に陥っている

イギリスに拠点を置き、「優先順位について口の堅い」日本の日産自動車がイギリス政府からEU離脱後のビジネス環境を保証するという確約を得たことからイギリスでの事業を継続することを決定したことに触れ、「政府はビジネス交渉に慣れていない」としている。「政府は企業に何度も同じ質問をし、得た回答をアプローチの変化に反映していない。外側からみると、EU離脱のプロセスは混沌と機能不全に陥っている」

4. 沈黙は戦略ではない

政府の計画が明かされないことで「ビジネスと投資家の信頼を失っている」。「また、沈黙は、とても複雑でプレッシャーのかかった環境の中で、重要な業務について政府に公の議論がまったくない」。また、「ホワイトホールは最大で予算の5分の1を削減し、同時にEU離脱計画を進めている」と指摘している。

ハフポストUK版より翻訳・加筆しました。

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