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地中海で溺死した難民、2016年は4500人を超え過去最悪に「密航業者は荒天でもむりやり出航させる」

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リビア国際赤十字のメンバー、海岸に打ち上げられた難民の溺死体を運ぶ

世界的な人の移動、移住の問題を専門に扱う国際機関「国際移住機関」(IOM)は11月17日、2016年にヨーロッパを目指して地中海を渡り、途中で遭難して死亡した難民が4500人を超え、過去最悪になったと発表した。

11月8日のアメリカ大統領選で、ドナルド・トランプ氏が驚くべき勝利を果たしたことを世界中が受け入れ始めたころ、厳しい現実が南ヨーロッパを静かに通り過ぎていった。

「2016年は、地中海経由でヨーロッパに渡るという危険な航海を試みた難民たちにとって過去最悪の年になる」とIOMの担当者は述べた。

ここ数日間でも、4隻の難破船が見つかり、およそ340人の難民が死亡または行方不明になった。


難民が夏に撮影した危険な渡航の様子

2016年、地中海を密航し、途中で遭難して死亡または行方不明になった難民らの数は、4500人にものぼる。

この人数は、過去最悪だった2015年の死者・行方不明者数3770人を大幅に上回った。

IOMはまた、密航あっせん業者が荒れた冬の海での渡航を強制しているため、死者数はさらに増加すると指摘した。


リビア赤十字のメンバーが集まり密入国者の溺死体の処理をする。

IOMの報道官、フラビオ・ディ・ジャコモ氏はAP通信に、「衝撃的なのは、その残酷なやり方です。密航あっせん業者は荒天時でも無理やり航海させます。難民が浜辺で乗船を拒むと、暴力を振るってでも強制的に船に乗せるのです」

ジャコモ氏は、これらの密航あっせん業者にとって、難民たちが無事渡航できるかはどうでもいいことだと述べた。「業者に金を払ったら最後、もう後戻りはできないのです」

国境なき医師団によると、17日にリビア沖で転覆した難破船の犠牲者数は、夜通しの救助活動で助けられた27人の難民から報告された内容に基づいている。救助された難民たちによると、彼らのゴムボートに130人が乗っていたという。現在までに7人の遺体が回収された。


11月初旬、地中海でゴムボートに座る難民たち

14日の転覆事故では、リビアの海岸から約30マイル沖で商船に救助された生存者15人が、密航あっせん業者の用意した船が転覆し、約135人が死亡したと証言した。

15日夜、別の船に救助された23人の難民は、船が沈んだときに120人以上が乗っていたと語った。4度の救助で114人中6人の遺体が回収された。

戦争、貧困、迫害から逃れ、ヨーロッパでの安全な生活を求めて無数の難民が密航あっせん業者の船で海を渡ろうとしているが、溺死した人数を人道支援組織が割り出すには、生存者の証言に頼らなければならない。海で命を落とす難民たちの遺体をすべて回収することは不可能に近いからだ。


11月10日、リビアの首都、トリポリから西に30キロのマヤ海岸で船が遭難した。

欧州連合(EU)の欧州対外国境管理協力機関(FRONTEX)によると、10月に2700人の難民が救助され、イタリアに送られた。これは今まで地中海中部で1カ月に救助された合計人数で一番多く、それまでの月に比べて2倍の数となる。

2016年は今までに約16万人の難民がイタリアに到着しているが、その数は2015年から13%増えたことになる。

ハフィントンポストUK版より翻訳・加筆しました。

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