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日本と韓国が軍事情報の協定に署名 その日、記者たちは異例の「出迎え」(画像)

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日韓両国が11月23日、「軍事情報包括保護協定」(GSOMIA)に署名した。

主に北朝鮮の核・ミサイルについて、これまでアメリカを介して共有していた軍事機密を、両国が直接やりとりすることが可能になる。

協定は、国家間の軍事機密の共有のために守るべき原則を定めている。両政府が交換した映像、文書、技術などの「秘密軍事情報」を、第三国や個人に提供したり、目的外使用したりすることを禁止し、双方に秘密保護義務を課す内容。日本はアメリカやインド、オーストラリアなど6カ国・機関と、韓国は33カ国とGSOMIAを結んでいる。

韓国側は、日本の情報衛星5基やイージス艦6隻などの情報インフラに期待しており、日本側は脱北者や中朝国境地域、軍事境界線での諜報活動などの情報を、アメリカを介さず迅速に得ることが可能になる。

一方で日本では、韓国から提供された情報がすべて「秘密」指定され、特定秘密保護法の「特定秘密」扱いになると共同通信が報道。「全情報が無条件に秘密指定されることで、国民の「知る権利」が制約されていく懸念は拭えない」と憂慮した。

■日本大使を出迎えたのは…

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署名式の取材を巡って、韓国国防省とメディアが対立した。ハフィントンポスト韓国版によると、原因は「密室署名」のためだ。

協定締結の取材のため、ソウルの国防省庁舎に到着した写真記者たちは、協定の署名式を取材させないという国防省の一方的な通告に強く反発した。記者たちは、国家的な事案だからメディアの現場取材を認めるべきだと、署名式会場への立ち入りを要求。しかし国防省は受け入れなかった。

国防省は、署名式の取材を許可しないのは日韓両国の了解事項だとして、国防省が撮影した写真をメディアに提供するとの方針にこだわった。笑顔で握手する写真などが報じられた場合、世論の反発が起きることを恐れたためとみられる。

写真記者たちは、日本代表団の到着を前に、国防省のロビーに2列に並んで立ち、カメラを床に置いて抗議の意を示し「協約が密約でない以上、非公開は受け入れられない」として取材拒否を決めた。カメラの列の間を通り過ぎた長嶺安政・駐韓大使は、やや当惑した表情を見せたが、これといった反応を見せず、足早に署名式場に向かった。

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■韓国野党は国防相の解任決議案を検討

韓国政府が敏感になっている背景には、「陰の実力者」の国政介入や財団の不正疑惑に揺れる朴槿恵大統領にとって、GSOMIAが新たな火種になりかねないことがある。

韓国では戦前の植民地時代の影響で、日本との軍事協力自体に否定的なイメージがつきまとう。GSOMIAは2012年6月、当時の李明博大統領の政権末期に署名寸前まで行ったが「密室交渉」との批判がわき起こり、署名式の1時間前に締結が延期された

約4年半が経ち、朴大統領がGSOMIA交渉再開を宣言してから27日間で署名したことに、野党は「拙速・売国交渉」と批判しており、韓民求・国防相の解任決議案を国会に提出することを検討している

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