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【原発いじめ】「僕は間違っていなかったんだよね」 生徒の両親が会見(声明全文)

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避難先でいじめ生徒「絶対に死選ばないで」 両親が会見

 福島第一原発事故で福島県から横浜市に自主避難した中学1年の男子生徒(13)がいじめを受けて不登校になった問題で、生徒の両親が23日、市内で記者会見を開き、当時の心境や現在の生徒の様子について語った。生徒は今年5月からフリースクールに通い、休日には両親と外出することもあるといい、父親は「『学校(フリースクール)楽しい』といった子どもの声がうれしい」と話した。

 生徒は「いままでなんかいも死のうとおもった」などと書いた手記を公表している。両親によると、生徒は手記の公表後、「全国でいじめを受けてたくさん苦しんでいる人がいるけど、助けてくれる人がいるから絶対に死を選ばないで欲しい」とよく話すという。

 手記に対し、ネット上では「生きる勇気をもらった」などといったメッセージが書き込まれている。生徒はそれを読み、「僕は間違っていなかったんだよね。頑張ってきてよかった」と話しているという。

 代理人の弁護士によると、生徒と家族は小学2年の2011年8月に自主避難。直後から転校先の市立小で、名前に「菌」と付けて呼ばれたり、「放射能」と言われたりするなど、複数の児童からいじめを受け始めた。小学5年の14年5月ごろには、「(原発事故の)賠償金をもらっているだろう」と言われ、同級生らと遊園地やゲームセンターに行き、遊興費や飲食代など約150万円を負担した。

 同年6月、両親はいじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」ではないかと学校に伝えたが「(重大事態に)当たらない」と言われた。「生徒が率先して(ゲームセンターに)案内しているといった心ない言葉を浴びせられた」という。

 母親は「福島=賠償金になっていて、あきらめるしかないという思いもある」。また、加害児童に対して「家でどういった話をしているのか気になる。賠償金という話は親しかしないと思う」と語った。

 実際には、一家が自主避難で受け取った賠償金は「数十万円程度」で、引っ越し費用などに使い手元には残っていないという。生徒が持ち出したお金は、親族から借りていたもので、賠償金は含まれていなかったという。

 会見は両親が報道陣の求めを受け、匿名を条件に応じた。(大森浩司)

■男子生徒の両親が代理人を通じて15日に発表した「声明」

 提出された(問題を調査した第三者委員会の)答申内容を見て、いじめの事実についても、学校・教育委員会の対応についても想像以上の答申内容だと感じております。

 ここまで尽力して頂きました第三者委員会の方々には感謝のお言葉しかありません。

 子供は、いじめから逃れたい一心でお金を出していたようです。お金を出すことでいじめられなかったようです。子供としては精一杯の防衛行為だったと思います。

 答申には書かれておりませんが、「鬼ごっこの時、鬼をほとんどいつもやらされていた」ということも子供から聞きました。このことも付け加えておきたいです。

 私が最も悔しいことは、子供が5年生になり、お金を持ち出していた初期段階で、学校はその事実を把握していたにもかかわらず、電話1本の連絡もして頂けなかったことです。

 当然、私のお金の管理が不十分ではありましたが、初期段階で連絡して頂ければ、被害が拡大しなかったと思います。なぜ電話1本もしてくれなかったのか。

 その後、学校・教育委員会の対応がままならず、時間ばかり経過し、私達は精神的に追い込まれました。それ以上に子供が追い込まれました。時間がかかりすぎました。

 私達は横浜という地には知り合いもいない状況でしたが、私達の当時の状況を見かねてお力をお貸しして頂いた方々にはこの場を借りてお礼申し上げます。その方々のお力がなければ、黒沢弁護士、飛田弁護士にも出会えなかったことでしょう。

 完全に不登校になってからは外に出ることすら怖く引きこもりでしたが、現在子供はフリースクールに通っています。一人になるのはまだ怖いようで妻が送迎してますが、教育を受ける権利を侵害され、今は勉強もままならない状況ですが、元気にフリースクールへ通えています。今は、それだけでいいと思っています。

 震災・原発事故後、職を失い、自主避難しましたが、賠償金なども自主避難者はほとんどもらえず、時間をかければ住宅支援なども受けられたかもしれませんが、いつになるか分からない状況だったため、できるだけ早い自力再生、何事もなかった生活に戻そう。その思いだけだったのにこんな事になるとは…子供はSOSを出していたと思うんですが、それに対応出来なかった事は親として情けないし、ごめんね、としか言えません。後に、死にたいと思っていたのにいろいろ考え生きる道を選択してくれたこと知り、本当にありがとうの思いでいっぱいです。

 今の本心として、加害者・学校・教育委員会には、訴訟をしてでも時間を返して欲しいと訴えたいです。しかしながら、傷つきすぎてしまったのに、訴訟をして子供に当時の再度の聞き取り、取り調べ等をして、当時の嫌な感情を思い出させたくないという気持ちから、精神的な部分の回復を優先したい気持ちでおります。

 子供には卒業式、修学旅行、その他学校行事に参加させてやれませんでした。子供はそんなことを口にしませんが、今は小学生の時にできなかったことを子供にさせてあげたい。子供と接する時間を多くとって、楽しい思いをさせてやりたい。ただそれだけです。

 最後にここに至るまで本当に大変でした。時には、当時の副校長に心ないことを言われたこともあり、身近に関わって支援して下さる方々しか私共の思いを理解して頂けませんでした。学校・教育委員会はここまでしないと動いてくれないのか?の思いしかありません。報道が出てから数日、世論が味方についてくれたと感謝の気持ちしかありません。この場を借りてお礼申し上げます。

以上

(朝日新聞デジタル 2016年11月23日 22時54分)
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(朝日新聞社提供)

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