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「ダコタ・アクセス・パイプライン」抗議デモで女性が重傷、当局の釈明に反発強まる

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アメリカ・ノースダコタ州とイリノイ州を結ぶ石油パイプライン「ダコタ・アクセス・パイプライン」の建設をめぐり、建設ルート近くの居留地に住むアメリカ先住民スタンディングロック・スー族が抗議デモを続けている。

11月21日、抗議デモに参加した女性ソフィア・ウィランスキー(21)さんに、治安部隊が使用した衝撃手榴弾が直撃したとみられ、腕を切断するかもしれない重傷を負った。ノースダコタ州保安官事務所は、ケガの原因が衝撃手榴弾ではなく、デモ参加者が持ち込んだ自家製の爆発物が誤爆したと説明している。

22日付けの地元紙モンタナ・スタンダード紙に、2人の目撃者たちの証言が掲載されている。彼らは、保安官事務所の説明に反論している。

モンタナ・スタンダードによると、治安部隊は20日夜から21日午前にかけて、氷点下の温度の中、高圧放水砲でデモ参加者たちに水を浴びせた。ソフィアさんは警官たちと対峙して、バリケードの近くに立っていたという。

「その女性はゴム弾で攻撃され、倒れました」と、目撃者のアロンゾ・ウィリスさん(23)はモンタナ・スタンダードに語った。「それから、警察はパーカッション・グレネード(衝撃手榴弾)を投げ、それが彼女の腕に命中したんです」

「彼女に当たって、『ブーン!』という音を立て、暴風で彼女は吹き飛ばされました」と、ウィリスさんは証言した。


【参考記事】「ダコタ・アクセス・パイプライン」建設抗議デモ中に重傷を負った女性、腕切断の可能性


ウィリスさんの友人、イサイア・アザー・ブルも同様の証言をしている。2人の証言は、 ソフィアさんの怪我の写真画像と共に、ネット上で拡散した説明と一致している。

「娘は、治安部隊が衝撃手榴弾を自分に投げつけてきたのを見た」と、ソフィアさんの父ウェイン・ウィランスキーさんは22日、ソフィアさんが搬送されたミネアポリス病院の外で報道陣に語った。この病院で彼女は、腕の切断を回避するため外科手術を繰り返している。

モートン郡保安官事務所は、パイプライン建設に抗議する先住民から人権侵害の申し立てを受けている。しかし、今回の爆発は「無謀な活動家たちによるもの」と説明している。

「治安部隊はデモ参加者たちが橋の上で、円筒形のものを作動させ、それが爆発するのを目撃していた。その直後、数人の抗議者たちがその橋の爆発現場まで走ってきて、女性を運び去った」と同保安官事務所は、Facebookに投稿していた。

この投稿には、事務所が発見したと主張する、「一度現場から片付けられた、手製の爆発物とみられるもの」の写真も掲載され(現在は削除されている)、次のように主張していた。

手製の爆破装置を使ったデモ参加者たちが21日午前3時頃にバックウォーター橋で爆発を引き起こした。警察はデモ参加者たちがその橋で円筒形のものを作動させ、それが爆発するのを目撃していた。その直後、数人の参加者がその橋の爆発現場まで走ってきて、負傷した女性を運び去った。いったんその現場は片付けられ、捜査員は橋を調べ、その橋の上で爆発するように、急ごしらえで作ったとみられる重さ1ポンドのコールマンプロパンタンクを発見した。治安部隊にに向けて投げられた爆破装置(IED)と石の写真は、こちらを参照

ノースダコタ州ハイウェイパトロールの報道官は、治安部隊がデモ隊に暴力行使したこと否定している。ソフィアさんのケガは、「配置された治安部隊の動きと一致しておらず、彼らが使用した道具や武器と直接関連しない」と語った。

治安部隊とパイプライン建設反対派との衝突は数多く発生し、最近は頻度が増している。デモ参加者ではなく、自らを「水の保護者」と呼ぶ500人以上の人々が、モートン郡保安官事務所に逮捕されている。

スタンディングロック・スー族とその支持者たちは、ノースダコタ州のミズーリ川の下を横断する形で建設される予定の長さ1172マイル(約1886キロ)のパイプラインに対し、居留地と水資源と近接しているとして反対している。スタンディングロック・スー族はまた、この建設計画は1851年に調印された居留地を設定する「ララミー砦条約」にも違反すると主張している。


【参考記事】「まぎれもない戦争行為」感謝祭の最中、アメリカ先住民のデモ隊と警察が衝突


この建設計画は現在、宙に浮いた状態だ。オバマ政権は、パイプラインの所有者「エナジー・トランスファー・パートナー」に、争点となっている地域の建設許可を撤回した。政府関係者は、アメリカ陸軍工兵司令部によってなされた最初の承認が、適切であるかどうかを精査している。

このパイプラインは、ノースダコタ州のバッケン油田からイリノイ州まで、原油 57万バレルを輸送することになっている。エナジー・トランスファー・パートナー社は、トラックや列車で原油を輸送するよりもパイプラインの方がはるかに安全だと主張してきた。ケルシー・ウォーレンCEOは、今回のパイプライン建設で先住民の墓地や水資源を荒らすことはないと主張し、計画ルートの変更を拒否している。

ウォーレンCEOは、ドナルド・トランプ次期大統領はこの建設計画を完了させる許可を与えてくれるだろう、という見通しを立てている。

ハフィントンポストUS版より翻訳・加筆しました。

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