香川の高専生、ノーベル賞授賞式へ招かれる 日本の高専の学生が選ばれるのは初

毎年、科学論文などの功績が認められた学生25人ほどが全世界から招かれるが、日本の高専の学生が選ばれるのは初めてという。

開発したシステムについて説明する春日貴章さん。手にしたコンクリートを放射線が通過する様子が拡張現実(AR)技術で画面に表示される=香川県三豊市

香川の高専生、ノーベル賞授賞式へ 財団から招かれ交流

スウェーデンで10日に開かれるノーベル賞授賞式に、香川高専電子情報通信工学専攻2年の春日貴章さん(23)が参加する。毎年、科学論文などの功績が認められた学生25人ほどが全世界から招かれるが、日本の高専の学生が選ばれるのは初めてという。

春日さんは、18~24歳の学生が対象の「ストックホルム国際青年科学セミナー」に参加する。ノーベル財団の協力で、スウェーデン青年科学者連盟が毎年ノーベル賞授賞式の時期に開いている。参加者は式に招かれて受賞者と交流するほか、ストックホルムの高校生に研究内容を発表する。

セミナーには1987年以降、ほぼ毎年2人が日本から参加している。国際科学技術財団は今回、春日さんと京都大大学院生の松本明宏さん(24)を数十人の応募者の中から選んだ。

春日さんは香川高専(5年制)で学んだ後、海外でのインターンシップを経て専攻科(2年制)に進学。放射線防護教育の研究に取り組んできた。台の上に置いたコンクリートや鉛などの遮蔽(しゃへい)物にぶつかった放射線がどう動くかをシミュレーションし、画面に映し出すシステムを開発。表示する放射線の種類、エネルギーの強さを変えながら、どんな素材をどこに配置すれば放射線を防げるかを確かめられる。考えながら遮蔽物を配置し、人に見立てたアクリル樹脂がいかに放射線の影響を受けないか競うゲーム形式の機能を盛り込み、子どもたちが遊びながら放射線について学ぶことができる工夫もした。

(朝日新聞デジタル 2016年12月04日 13時27分)

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(朝日新聞社提供)

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