「ロシアのサイバー攻撃、プーチン氏が直接指示」NBCニュースが報じる

「プーチン大統領の目的は多岐にわたっていた」

NBCニュースは12月14日、アメリカ大統領選にロシアがサイバー攻撃を仕掛けたのは、ウラジミール・プーチン大統領が直接指示したとアメリカ情報当局が結論づけたと報じた。

NBCニュースの報道に先がけ、ワシントンポストは「ロシアがアメリカ大統領選に干渉し、危害の少ない次期大統領としてドナルド・トランプを勝たせようと画策していた」とする中央情報局(CIA)の調査結果を報道していた。ロシアは妨害工作として、民主党全国委員会(DNC)やヒラリー・クリントン陣営の選挙対策委員長ジョン・ポデスタ氏のメールをハッキングし、内部告発サイト「ウィキリークス」に提供したという。ニューヨークタイムズは、サイバー攻撃の詳細や民主党の下院議員候補たちも攻撃のターゲットになっていたことを報じている。

NBCニュースによると、こうした干渉工作にプーチン大統領が関わっていたとアメリカ当局はみなしている。NBCニュースは次のように報じた。

情報筋によると、民主党からハッキングした資料をどのように流出させ、利用するかについて、プーチン大統領が直接指示していたという。この情報は外交筋とアメリカ同盟国のスパイ活動から得られたものだと幹部らは証言した。

「プーチン大統領の目的は多岐にわたっていた」と、ある幹部クラスの情報筋はNBCニュースに語った。当初はヒラリー・クリントン氏への復讐として始まったが、その後、アメリカの政治の腐敗を暴露し、アメリカはもう世界のリーダーとして信頼できないとのイメージを作ることで、アメリカの主要な同盟国を分裂させる目的に変わったのだという。

最新情報:@jeffpeguescbs(CBSのジェフ・ペギーズ)の報道によると、アメリカの複数の情報筋が、ハッキングはプーチンの承認なしには起こり得なかったと断言した。

CIAも、トランプ氏の広報担当ヒープ・ヒックス氏も、ハフィントンポストUS版の取材に応じていない。

プーチン大統領は長年クリントン氏を敵とみなしている。クリントン氏が国務長官を務めていた2011年、ロシア下院選挙後に不正があったとして抗議デモが起きた時、プーチン大統領はクリントン氏が扇動したと批判していた。クリントン氏は抗議デモを支持し、「自由で、公正で、透明性のある選挙」をロシアに求めていた

対照的に、プーチン大統領はトランプ氏を「すばらしい能力がある」と賞賛し、トランプ氏も、プーチン氏のロシア大統領としてのリーダーシップをほめている。

トランプ氏は、先日報道されたロシアの選挙への干渉疑惑について一蹴している。11日のFOXニュースでは、ロシア政府が自分を有利にするために選挙に干渉したと信じるのは「ばかげたこと」だと述べた

「ただの新しい言い訳にすぎない。私は信じない」

他の共和党議員は、今回の報道をより深刻に受け止めている。ジョン・マケイン氏やリンゼイ・グラハム氏ら上院議員の超党派グループは、ロシアの選挙干渉疑惑についてさらなる調査を要求し、党派間で対立すべきではない、と議員たちに呼びかけた

「我が国にとってあまりにも危険だ。私たちは党派を超えて協力することを誓う。同志が結束して、外国政府のサイバー攻撃による国家安全保証上の深刻な脅威を調査し、阻止するのが目的だ」と議員たちは声明で発表した。

ハフィントンポストUS版より翻訳・加筆しました。

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