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ロシアのサイバー攻撃「プーチン氏が関与」オバマ大統領が報復措置を言明

2016年12月18日 02時53分 JST | 更新 2016年12月18日 02時53分 JST

アメリカ連邦捜査局(FBI)は16日、大統領選でドナルド・トランプ氏勝利を有利にするためロシアがサイバー攻撃を仕掛けたと結論づけた中央情報局(CIA)の分析結果を支持する方針を固めた。

オバマ大統領は同日の会見で、「私が得た情報によれば、ロシアがサイバー攻撃を実行したと確信を持って言える」と、ロシアが関与していたと断定した。

NBCは15日、プーチン大統領がサイバー攻撃を直接指示したと報じた。オバマ大統領はプーチン大統領の関与について「ロシアでは、プーチン氏なしに重要なことは実行されない」と語った。

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16日、大統領として最後とみられる記者会見に臨んだアメリカのオバマ大統領

オバマ大統領は、ロシアへの報復措置を講じる考えを示した。

「目的は変わらない。ロシアもしくはその他のハッキング組織に対し、『アメリカに手を出すな、我々には対抗手段があるぞ』という明確なメッセージを送ることだ」と、オバマ大統領は述べた。「しかし、慎重に、秩序に則った方法で対処することも大切だ。公表される報復措置もあれば、相手には伝わるが公にはならないないやり方で実施される措置もあるだろう」

【参考記事】「ロシアのサイバー攻撃、プーチン氏が直接指示」NBCニュースが報じる

ワシントンポストが16日報じたところによると、FBIはこれまでロシアのサイバー攻撃の動機は不明と議会に説明していたが、現在は、ロシア政府がトランプ氏勝利の可能性を意図的に引き上げたとのCIAの見解に同意しているという。

FBIは10月、ロシアがサイバー攻撃を指揮していると初めて公表したが、そのとき動機については明言しなかった。11月8日の大統領選が近づくにつれ、民主党の議員は、「流出したメールが民主党候補ヒラリー・クリントン氏の選挙運動に悪影響を及ぼしているのは明らかだ」と不満を募らせ、オバマ政権により強硬な対応を求めていた。

バラク・オバマ大統領は16日、おそらく年内最後となる記者会見で、ロシアのサイバー攻撃に対する政府の対応を擁護した。「仮にホワイトハウスが大統領選の期間中有権者に対し、『ロシアがトランプ当選の可能性を高めようとしている』と明確に警告したら、クリントン氏の側に立った政治的な芝居に見えただろう」と、オバマ大統領は記者会見で語った。

「党利党略が過熱した大統領選の雰囲気の中、当時私が一番注意を払ったのは、どんな形であっても選挙のプロセスが損なわれないようにすることだった。当時私やホワイトハウスの高官が何か発言すれば、すぐに党利党略ではないかという目で見られるという状況だった。その中で私は、我が国はこの選挙を正々堂々と闘っているという理解をみんなで共有できるようにして欲しいと思っていた」と、オバマ大統領は語った。

オバマ大統領はまた、9月に中国で行われたG20サミットでプーチン大統領直接「ハッキングの中止を求める。あなたが対処しなければ深刻な結果になるだろう」と告げたことを明らかにした。

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G20サミットで顔合わせしたアメリカのオバマ大統領とロシアのプーチン大統領

ロシアによるサイバー攻撃に関する質疑応答は20分近くに及んだ。この中でオバマ大統領は、民主党全国委員会(DNC)から流出したメールを大々的に報じたことについて、会見室にいた記者たちに自戒を求めた。「ニュース報道が強迫観念に支配されていた」と、オバマ大統領は語った。

「実際には、誰もがメール問題に関する情報を持っていた」と、オバマ大統領は続けた。「公になっていた情報だった。そして私たちは適切に対処していた」

上院情報特別委員会のリチャード・バー委員長(共和党)は16日、FBIが何を根拠に10月の時点でロシアを名指ししたのか再調査するつもりだと発表した。委員会では、退陣するオバマ政権と後継のトランプ政権の関係者に、必要なら委員会に召喚し、聴取する予定だという。

バー委員長は、ロシアが故意に大統領選に介入してトランプの勝利を援助したとのCIAの見解には言及しなかった。バー委員長の事務所は、CIAが結論を導いた過程についても委員会で再調査するつもりか、との質問には答えなかった。

バー委員長の発表の1週間前には、ホワイトハウスが情報機関に命令して、オバマ大統領が2017年1月に退陣するまでに、大統領選に関わる「悪意あるサイバー攻撃」について徹底的に再調査するよう求めた。民主党は、ロシアが選挙に及ぼした影響について独立した調査機関を設置するよう強く要請した。一方共和党は、トランプ次期大統領の姿勢にならい、追加調査には消極的だ

【参考記事】「一種の戦争状態だ」トランプ氏を側面支援したロシアへの怒り、党派を超える

ホワイトハウスは、ロシアのサイバー攻撃に関して追加の情報が開示されるには数週間かかるという見通しを示しており、19日に予定されている選挙人団の投票前にくわしい情報は得られないことになりそうだ。

「これは国家にとっての危機であり、ただちに国民に対して完全な説明がされないといけない」と、民主党のロン・ウィデン上院議員は声明で述べた。「外国政府が我が国の選挙に影響を及ぼそうとしたのなら、非公開の調査をゆったりとやっている場合ではない。そのような事実を隠し続けることはできないし、大統領の就任演説が行われる前に国民に説明されなければならない」

トランプ氏側は、ロシアの介入が自陣に有利にしなかったとロシアによる大統領選への介入があったとする情報機関の見方に繰り返し疑問を示している。共和党首脳のミッチ・マコーネル上院院内総務は、サイバー攻撃問題に関する特別調査会の開催要請を拒否し、代わりにホワイトハウスと上院情報委員会に調査を委ねた。

ロシアのハッキング疑惑が浮上して以来、バー氏を含む共和党議員たちの動きは異例そのものだ。共和党は従来ロシアによる他国への干渉に強硬姿勢を取っている。2014年にロシアがウクライナ領土だったクリミアを併合し問題で、より強い制裁を課すべきだとオバマ大統領を繰り返し激しく非難した。ロシア政府とより親密な関係を築くことを公言しているトランプ氏が党の大統領候補となって以来、共和党議員のロシア批判のトーンは明らかに下がっている。

オバマ大統領は会見で、共和党員の37%がプーチン大統領に好意的だという調査結果について指摘し、「ロナルド・レーガンが墓の中で嘆いていることだろう」と語った。

ハフィントンポストUS版より翻訳・加筆しました。

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オバマ大統領とプーチン大統領

(スライドショーが見られない方はこちらへ)

アメリカ共和党員の間で、プーチン大統領の好感度が急上昇(調査結果)

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