謎に包まれた生態のシャチ、サメを襲う ドローンの貴重な映像

「沖合型シャチは発見が難しく、その生態がほとんど分かっていない」

カリフォルニア州モントレー湾沖で12月13日、めったに目にしない種のシャチがサメを捕獲する様子が動画に収められた。

カメラマンのスレーター・ムーアさんはドローンを使い、モントレー湾にいたオフショア(沖合型)のシャチ4匹の映像を撮影した。2匹のメスのシャチと2匹の子供のシャチがサメを引きずりまわしている。

ムーアさんによると、このシャチたちはおよそ25匹いた群れの一部だ。他の数匹も映像の後半に姿を見せる。この動画が撮影されたのは、「モントレー湾ホエール・ウォッチ」が主催したクルージングの最中だった。

運悪く犠牲になったのは、エビスザメとみられる。

「沖合型のシャチを見かけても、何を食べているのか分からないことが多いのです。食べ物が判明する映像は滅多に入手できません」と、モントレー湾ホエール・ウォッチ所属の動物学者カトリン・テイラー氏は地元紙「モントレー・カウンティー・ウィークリー」に語った。「シャチのエサは主にサメで、恐らく沖合魚もある程度含まれるでしょう。シャチが餌を食べている様子を見られるのは、相当運が良いですね」

名前の通り、沖合型のシャチは他のシャチに比べ、海岸線から遠い位置に生息する習性がある。アメリカ海洋大気庁(NOAA)漁業局によると、沖合型シャチは海辺から少なくとも9マイル(約14.5キロ)離れていることが多いという。

NOAA漁業局によると、沖合型のシャチは、レジデント(定住型)、トランジェント(回遊型)のシャチと比べてその生態が不明だという。

「沖合型シャチは25匹から75匹の群れで移動する習性があるが、200匹の群れも発見されている」と、漁業局は説明する。

海の哺乳類の保護を活動目的とする慈善団体「クジラとイルカ保護協会」(WDCS)のウェブサイトには「沖合型シャチは発見が難しく、その生態がほとんど分かっていない。陸から遠い場所、主に領海外大陸棚より離れた場所に生息しているので、人間と遭遇することはめったにない」という。

人間と遭遇する場合は、50匹以上の大群の場合がほとんどだ。

「シャチの歯はすり減っていることが多い。これはサメのような皮膚の堅い生き物を食べている証拠だ」と、WDCSのサイトには書かれている。

テイラーさんがニューヨークを拠点とするニュースサイト「ザ・ヴァージ」に語ったところによると、モントレー湾では1年おきくらいに沖合型シャチが目撃されるという。

「シャチはちょっと研究がやりにくい動物です」と、テイラーさんは語った。「長い間水中にもぐり、泳ぐスピードが非常に早く、沖合を移動しているからです。だから研究して楽しい部分もあります。次にどんな発見があるか予想もつかないからです」

ハフィントンポストUS版より翻訳・加筆しました。

▼画像集が開きます

ドローンで撮影したシャチ

(スライドショーが見られない方はこちらへ)

【お知らせ】

ハフィントンポストでは、12月18日に働きかたに関するイベントを開催します。お申し込みは以下よりお願いします。

■イベント詳細と申し込み用フォームは下記リンクからもご確認いただけます。