島根の女子大生殺害、事故死の男を殺人容疑で書類送検へ 一斉に報道

7年前、島根県浜田市で当時19歳の女子大学生の行方がわからなくなり、広島県の山で遺体の一部が見つかった事件が、急展開を見せた。

7年前に島根県立大1年生の平岡都さん(当時19)の切断された遺体が広島県北広島町の山中で見つかった事件で、遺体発見直後に交通事故死した30代の男が事件に関わったとして、島根、広島の両県警合同捜査本部は殺人と死体遺棄容疑で、男を被疑者死亡のまま20日に書類送検する方針を固めた。時事ドットコムなど大手メディアが一斉に報じた。

捜査関係者によると、捜査の結果、男の所持品から失踪後の平岡さんとみられる人物の姿が映った画像データが見つかったという。平岡さんは09年10月26日夜、島根県浜田市内でアルバイトを終えた後に行方不明となった。同年11月6日、頭部が北広島町の臥竜山山中の林道がけ下で発見され、その後、胴体など複数の部位が付近で相次いで見つかった。

捜査関係者によると、男は同8日、山口県内の中国自動車道で単独事故を起こし、死亡した。

交通事故死の男関与か=女子大生切断遺体事件-20日に書類送検-島根・広島両県警:時事ドットコムより 2016/12/17 13:09)

犯人のDNA型や指紋がなく、当初、捜査は難航していた。テレ朝newsは容疑者を特定した経緯について「今年になって、当時付近で起きていた性犯罪事件などを調べ直したところ、今回の男が浮上しました」と伝えた。男の関係先を捜索したところ、平岡さんの画像が見つかったという。

2人に接点はなかったとみられる。2009年11月には、平岡さんが住んでいた大学の寮から300メートル離れた道路脇の側溝から、本人のものとみられる靴も見つかった。警察は、平岡さんが、歩いて帰宅している途中に車で連れ去られた疑いがあると見て、捜査員延べ31万人の捜査員を投入していた

捜査関係者によると、男は当時、浜田市に隣接する島根県益田市に仕事のため1人で暮らしていた。事故により、同乗していた当時50代の母親とともに死亡したという。

■「やりきれない。複雑な心境だ」

平岡さんの母校、香川県立高松商業高(高松市)で元教頭で3年間数学を教えた横山賢治さん(61)は毎日新聞の取材に「まじめで勉強もこつこつ頑張り、成績も良かったのに」「このままうやむやになるより良いが、やりきれない。真相を語って反省し、罪を償ったら解決した意識になるが、複雑な心境だ」と話した。

事故死した男は、かつて山口県下関市にも住んでいた。下関市の地域の自治会長の男性によると、男は両親ときょうだいの4人暮らしだった。朝日新聞デジタルは「近所の男性は『そんなに付き合いはなかったが、あいさつくらいはした。普通の人だった』と話した」と伝えた。

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