「女性は地図が読めない」は、本当じゃなかった? 実は女性だって......

今度地図を読む時、こう考えてみたらいいかもしれません。
Women backpacking with map
Jupiterimages via Getty Images
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「話を聞かない男、地図が読めない女」という本があったが、本当に女性は地図が読めないのだろうか。

カリフォルニア大学サンタバーバラ校(UCSB)のマーガレット・タランピ氏らが行った研究によると、どうもそう単純な話ではないらしい。

これまで行われてきた研究では、男性の方が女性より、空間能力を調べるテストで良い成績を残してきた(わかりやすく言えば、地図上の物体が現実世界ではどこにあるのかを認識する点で、男性の方が長けていた)。

しかしタランピ氏らは、これには「ステレオタイプ・スレット(自分が所属するグループに対する偏見を受け入れてしまうこと)」が関係しているのではないかと推測した。

つまり、社会で一般的に「女性は地図を読むのが不得意」と信じられていることが原因で、女性たちが「自分たちは地図を読むのが苦手」と思い込み、いい結果を出せなかったのではないか、と考えたのだ。

また研究者たちは、求められるスキルに社会的な要素が含まれていれば女性はいい成績を残せるのではないか、つまり、地図を読むことで誰かを助けられ状況であれば、いい結果が出るのではないか、とも考えた。

この理論を調べるため、タランピ氏らのチームは、UCSBの学生たちに参加してもらい3つの実験を行った。

最初のグループは、女性・男性の両方に参加してもらった。研究者たちは参加者に「男性の方が女性より空間能力に優れている」と伝えた上で、2つの地図を渡した。一つは物や建物のみが書かれた地図で、もう一つは人間のアイコンが書かれた地図だった。

2番目と3番目の実験グループは女性だけで構成され、「男性の方が女性より空間能力に優れている」とは伝えず、「これは共感について調べるテストだ」と伝えた。

その結果、男性が女性よりいい結果を残したのは、テストする前に、男性の方が優れた結果を残すと触れた場合だけだった。

研究者たちが何も触れない場合は、女性の結果は全体的に向上した。また、地図に書かれているのが物や建物ではなく、人間のアイコンだった場合、結果は良かった。

「参加者に、『これは共感について調べるテストだ』と伝えた後に同じテストを行ったところ、女性は男性と同じ結果を残しました」とタランピ氏はハフィントンポストUS版に話した。

また、結果からわかるのは、社会には文化的な偏見が存在していて、それを信じるがゆえに、現実になっているということだ、と同氏は述べた。

つまり、「男性は女性より地図が読めるといった」と社会的に信じられてきたことが「地図が読めない女」を生み出してきたのだろうが。

「私は地図を読むのが苦手......」と思っていた女性の皆さん、「実は女性も地図が読める」と思ってもう1度地図を見てみよう。思っていたより簡単に読めるかも......?

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※ 研究は、学術誌Psychological Science誌に掲載されました。

ハフィントンポストUS版に掲載された記事を翻訳しました。