トランプ氏「アメリカは核戦力を大幅に強化、拡大する必要がある」

ドナルド・トランプ次期大統領が、「世界が核に関して良識を取り戻すまで、アメリカは核戦力を大幅に強化、拡大する必要がある」とツイートした。なぜこのような発言をしたのか。
U.S. President-elect Donald Trump talks to members of the media as retired U.S. Army Lieutenant General Michael Flynn stands next to him at Mar-a-Lago estate in Palm Beach, Florida, U.S., December 21, 2016. REUTERS/Carlos Barria
U.S. President-elect Donald Trump talks to members of the media as retired U.S. Army Lieutenant General Michael Flynn stands next to him at Mar-a-Lago estate in Palm Beach, Florida, U.S., December 21, 2016. REUTERS/Carlos Barria
Carlos Barria / Reuters

アメリカのドナルド・トランプ次期大統領は12月22日、「世界が核に関して良識を取り戻すまで、アメリカは核戦力を大幅に強化、拡大する必要がある」とTwitterに投稿した。

トランプ氏はこの発言の背景について、詳細を述べていない。しかし、ロシアのプーチン大統領がこの日、「戦略的核戦力の軍事能力を強化する必要がある」と述べており、この発言に対抗したものとみられる。CNNなどが報じた。

ロシアのタス通信によると、プーチン大統領は22日、国防省幹部らを集めた会合で、アメリカが整備するミサイル防衛システムを念頭に、「ミサイル防衛システムに迎撃されないようなミサイルを開発し、戦略的核戦力を強化する必要がある」などと力説した。時事ドットコムはこの発言について、「軍事大国としてのロシアの存在感をアピールする狙いもありそうだ」と分析した。

トランプ氏のツイートは、このプーチン大統領の発言に関する報道の直後に投稿された。ロイターによると、トランプ氏の広報担当者ジェイソン・ミラー氏はトランプ氏のツイートについて、「核拡散の脅威と、それを防ぐ喫緊の必要性に言及したものだ。特にテロ組織やならず者政権に対するものだ」と説明。「強さによる平和を追求する重要な手段として、抑止力を改善し、近代化する必要性を強調している」と述べた。また、ミラー氏は「トランプ氏は核の使用を主張しているわけではない」ともコメントした。

トランプ氏のツイートに対し、アメリカ国内では様々な反応が出ている。

次の冷戦は一つのツイートで始まる? トランプ氏とプーチン氏はどちらもそれぞれの核能力を拡大させようとしている

これは、何年も続いた核不拡散に努めるアメリカの政策に反するものだ。

トランプ氏は核兵器保有量を拡大することを望んでいる。私の叔母と赤ん坊のいとこは、広島で焼かれた。こんな兵器はなくなるべきだ

アメリカとロシアの声明を比べてみよう。どちらも24時間以内に出たものだ。アメリカとロシアは互いの核兵器競争に参加しているわけではない。代わりに、トランプ氏のもとで、第3者に対して核兵器を使用する意思を共有している。

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1976

ドナルド・トランプ氏1976から現在まで

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