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オバマ政権、イスラエル非難の国連安保理決議に拒否権行使せず

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NETANYAHU OBAMA
2016年9月21日、ニューヨークで会談するネタニアフ首相とオバマ大統領 | Drew Angerer via Getty Images
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アメリカは12月23日、イスラエルが占領したパレスチナ領での入植活動を非難する国連安全保障理事会の決議で、イスラエル擁護という「伝統」を破った。

ニュージーランド、マレーシア、セネガル、ベネズエラが提案したこの決議案は、14カ国が賛成して採択され、アメリカは棄権した。

拒否権行使ではなく棄権を選んだアメリカの決定は、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ政権下でイスラエルの入植地建設が拡大したことに、オバマ政権が強い不満を持っていることを示している。入植を熱心に支持するドナルド・トランプ次期大統領への政権交代を前に、バラク・オバマ大統領として、ヨルダン川西岸のイスラエル入植地建設に反対する最終的な立場表明でもあった。

1993年のオスロ合意以来、入植者の数は35万5000人増え、ヨルダン川西岸と東エルサレムの入植者の総人口は59万人を超えた。

「イスラエルの入植拡大と、紛争を終結させる可能性のある(イスラエルとパレスチナの)二国共存案を同時に支持することはできない」とサマンサ・パワー国連大使は述べた。ネタニヤフ首相は入植者運動への支持を公言しており、ネタニアフ政権顧問の一部は二国共存案を完全に否定しているという。

投票を阻止できなかったトランプ氏は、23日午後、就任する1月20日以降、国連での「動きは違ってくるだろう」とツイートし、政策転換を宣言した。

パレスチナ人とリベラルな親イスラエルの団体は決議の成立を賞賛したが、オバマ氏はアメリカの拒否権を行使しなかったことで、国内でもイスラエルでも大きな批判を浴びた。

元ホワイトハウス報道官アリ・フライシャー氏は、イスラエルとアメリカの間の「壊れない絆」を破るとオバマ氏を非難した(フライシャー氏の元上司、元大統領ジョージ・W・ブッシュ元大統領の下では、アメリカがイスラエルの異議を押し切り、占領地での家の解体を中止するよう求める2004年決議の採択で棄権した)。

民主・共和両党の議員は、オバマ政権は反イスラエルという「偏見」があり、イスラエルとパレスチナの紛争に介入してはならないと主張した。

「入植への見解がどうであれ、イスラエルの将来と地域の平和を懸念している人は、一方的な国連こそが、平和をもたらすには間違った集まりだと知っている」と、上院院内総務のチャック・シュメル氏(民主党)は声明で述べた。

パワー大使もシュメル氏の懸念に同調し、数分間かけて、パレスチナ人を含む他の人権侵害を無視しながら、イスラエルの占領に露骨に反対してきたアメリカの歴史を批判した。

上院歳出委員会のメンバーであるリンジー・グラハム(共和党)上院議員は、決議に対抗して、国連へのアメリカの資金拠出を「中断または大幅に削減する」と脅した。

ダイアン・ファインスタイン(民主党)上院議員は、棄権の決定を支持する数少ない議員の1人だった。「入植の拡大は、二国共存案の実現可能性を損なう可能性がある」と彼女は声明で述べた。

イスラエルの当局者は、オバマ政権が入植決議の投票を主導したと非難した。 「オバマ政権は、国連でのこのような暴力からイスラエルを守ることができなかっただけでなく、舞台裏で共謀した」。ハーレツによると、ネタニヤフ氏の事務所はこう述べた。

ネタニヤフ氏と公然と対立しているにもかかわらず、オバマ政権自体はイスラエルの要求の大部分を黙認しているという批判もある。オバマ氏は初期、入植の凍結を求める努力を放棄した。そして、国務省からのたまの批判を除いて、政権はイスラエルにこの問題で圧力をかけていない。2016年、アメリカは、イスラエルに次の10年間で380億ドルの軍事支援を提供すると約束した。

入植決議を可決させするというオバマ政権の決定は、イスラエルの占領が始まった1967年のアメリカの政策と一致している、とパワー大使は指摘する。彼女は23日、ロナルド・レーガン元大統領の1982年の声明を読み上げた。

「アメリカは移行期間中に入植の目的で土地を追加利用することを支持しない。事実、イスラエルが入植を即時凍結することは、他のいかなる行動よりも、関係国の協議への幅広い参加に必要な信頼を醸成する可能性がある。さらに入植活動はイスラエルの安全保障にとって決して必要ではなく、アラブ人の信頼を低下させるに過ぎない」

1967年以来、どのアメリカ大統領も、イスラエル政策の批判を含む安保理決議の成立を許してきた。1980年にアメリカは、入植が「法的に妥当性はない」と述べただけでなく、中止を求めた決議に賛成した。

今回、国連安保理でイスラエルの入植を巡る決議がほぼ全会一致で採択されたことは、投票前の複雑な駆け引きも影響している。エジプトが後押しした決議案は当初、22日午後に投票される予定だった。しかし、イスラエル政府関係者から介入を求められたトランプ氏の圧力で、エジプトは折れ、投票を延期するよう求めた。

トランプ氏の露骨な圧力を受け、ニュージーランド、マレーシア、ベネズエラ、そしてセネガルは、この決議と同じ案の決議を翌日に採決するよう求めた。イスラエルとの平和条約に調印した最初のアラブ諸国であるエジプトは、この決議案に賛成票を投じた。

イスラエルは、ニュージーランドとセネガルに対し、報復として制裁を加えることを計画しているという。イスラエルはマレーシア、ベネズエラと外交関係を結んでいない。

パワー大使とマレーシアの国連代表は、ヨルダン川西岸の入植を合法化するためにイスラエルが最近、精力的に動いており、安保理が緊急に動かざるをえなくなったと述べた。

自国民を占領地に移転させる占領政策は国際法に反し、国際社会のほとんどはイスラエルの入植を違法とみなしている。

アメリカは、イスラエルの入植停止を求める2011年の決議に拒否権を行使している。オバマ政権がこのときから方針転換した理由の一つとして、パワー大使は「8年間で入植が拡大し、和平協議は失敗した」と説明した。

「アメリカは約50年間にわたって、入植を停止しなければならないというメッセージを公私にわたって送っている」とパワー氏は述べた。

ハフィントンポストUS版に掲載された記事を翻訳しました。