潘基文・国連事務総長に巨額の裏金疑惑が浮上 韓国大統領選への影響は

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Brazil Photo Press/CON via Getty Images
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潘基文(パン・ギムン)国連事務総長が2005年から2007年にかけて、23万ドル(約2700万円)の裏金を受け取っていたとの証言が韓国で報じられた。

この年末で任期満了を迎える潘氏は、2017年の韓国大統領選で有力候補の一人と目されており、選挙戦への影響が注目される。

韓国の時事週刊誌「時事ジャーナル」の12月24日の報道によると、裏金を渡したとされるのは、運動靴の製造などを手がける泰光(テグァン)実業の朴淵次(パク・ヨンチャ)会長。

潘氏が盧武鉉政権で外交通商相を務めていた2005年5月3日、ベトナムのグエン・ディ・ニェン(Nguyen Dy Nien)外相が訪韓し、外交通商相の公館で潘氏主催の歓迎晩餐会が開かれた。その晩餐会の直前、朴会長が潘氏に巨額の現金を渡したとの証言を報じた。

「朴会長に近い知人」は、時事ジャーナルと数回面会し、「朴会長が私に直接言った」と以下のように述べている。

「ベトナム外相一行を歓迎する晩餐会が開かれる約1時間前、朴会長が外交通商相の公館に先に到着した。そして、潘氏の事務所で20万ドル(約2350万円)が入った買い物袋を渡した。潘氏に「車代などに使ってくれ」と話したという。(時事ジャーナル、12月24日

このような証言は、司法当局側からも出たというのが時事ジャーナルの主張だ。

時事ジャーナルによると、2015年6月に会った「司法当局の核心人物」は、「国連事務総長が大統領候補に出るには、身体検査を経なければならないが、かなり大変だろう」と述べ「潘氏のお金の問題」を挙げた。この人物は「潘氏が外交通商相時代、朴淵次会長から数億ウォンを受け取った」として「明らかな事実」と強調した。

朴会長は、ベトナムに進出して22年になり、ベトナム・ホーチミン市近郊に700億ウォンを投資して事業を多角化してきた。経済紙「韓国経済」の7月20日の報道によると、1994年に靴業界として初めてベトナムに進出して以来、肥料工場をはじめ、火力発電所の建設などを推進し、現地での実力者と位置づけられている。このため、ベトナム名誉総領事の資格を持つ。

問題は、潘氏が「朴淵次氏の金」を受け取ったのが、1回だけではないと推定される点だ。時事ジャーナルによると「朴会長に近い知人」は、「潘氏は、国連事務総長に就任してからも、朴会長の金を受け取った」と述べた。この知人によると、当時の状況はこうだ。
「潘氏が国連事務総長に就任して間もない2007年初めだったと思う。ニューヨークに朴会長と親しいレストランの社長がいる。朴会長がそのレストランの社長に電話をかけ『潘氏が食事に来たら、事務総長就任祝いとして3万ドルほど渡しなさい』と言った。実際に潘氏に金が渡されたと聞いている」(時事ジャーナル、12月24日

しかし朴会長は、事実無根だと主張している。朴会長は、時事ジャーナルに送った回答書で「金を渡したことはない。多くの人が集まる晩餐に1時間ほど早く行くこともできず、、そんな場で現金を与えたという内容は理解できない」と反論した。

ステファン・デュジャリック国連広報官は24日(現地時間)、韓国特派員に報道資料を出し、「時事ジャーナルの報道は完全に根拠のない虚偽(completely false and groundless)」だとして、時事ジャーナルの編集長に謝罪と記事の取り消しを求める文書を送るつもりだと明らかにした

ハフィントンポスト韓国版に掲載された記事を翻訳・加筆しました。

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