「この世の終わりのような光景」イタリアで雪崩、ホテルをのみ込む 30人死亡のおそれ

「すさまじい雪崩だった」

イタリア中部アブルッツォ州ファリンドラのグランサッソ山スキー場で1月18日夜、雪崩が発生してリゾートホテルを直撃し、少なくとも4人が死亡し、30人以上が行方不明となっている。

イタリア中部では18日以降、マグニチュード5を超える地震が4度発生し、雪崩も地震の影響で起きたとみられる。雪崩が直撃した3階建のリゴピアノホテルの救助活動は、2メートルの豪雪に加え、地震の影響で救助隊が現地に到着するための道が塞がれるなどして難航しているとみられる。

山岳救助チームのリーダー、アントニオ・クロチェッタ氏は、「死亡者が多数出ています」と語った。「このホテルは、ほぼ完全に破壊されています。私たちは声を掛けしましたが、返事も、声も聞こえません。現在雪を掘って捜索しています」

ジャン=クロード・ユンケル欧州委員会委員長は事故をうけて、「欧州連合(EU)は支援の準備がととのっている。最愛の人々を失くした方々に心からの哀悼の意を表したい」と述べた。

ロイター通信によると、救急隊の広報担当ルカ・カリ氏は「ヘリコプターを使って救助部隊を現地に降ろし、現在救助部隊が雪を堀り始めています」と語った。

イタリアのアブルッツォ地域のペスカーラで、雪崩がホテルを襲った後、少なくとも25人のホテル客と従業員が行方不明。死亡のおそれも。

スカイTG24のテレビが本日午前中、このホテル内で遺体がいくつか発見されたと伝えていたが、この地域の当局者はこれを否定している。

当初は、雪崩に巻き込まれたホテルの客がテキストメッセージを送信することができたとみられる。

イタリアANSA通信によると、ホテルに宿泊していたあるカップルが「助けてください。凍死しそうだ」と、知人にテキストメッセージを送った。

AP通信によると、18日夜には、ホテル客が救助隊や友人に助けを求めて、メッセージ送信した記述内容が明らかになった。

BBCによると、雪崩発生時ホテルの外にいた2人の宿泊客ジャンパウロ・パレテさんとファビオ・サルセッタさんの生存が確認された。

ローマの新聞「タイムズ」のトム・キングトン記者は、まだ救助隊はホテル内に入るのも難航している、とスカイ・ニュースに語った。

消防隊が現地に到着

「見たところ、本日早朝の午前4時頃の時点で、消防隊がスキーでそこに到着しただけのようです」とキングトン記者は語った。

「このホテル内で少なくとも20人が生き埋めとなって死亡したという情報があり、2人が生き残ったという情報もあります。この2人は雪崩が発生した時、ホテルの外部にいて、車の中で身を守ることができ、救助隊にメッセージを送信し続けていたということです」

「ホテル内には、4歳と5歳の2人の子どもがいます。事態は深刻であることは言うまでもありません」

救助隊員のホテル内部を撮影した動画によると、他の人々の生存の兆候は認めらないという。

地元紙「コリール・デッラセラ」によると、救助されたサルセッタさんは「壁が倒壊した」というメッセージを送信していたという。サルセッタさんは「メンテナンス担当者とホテルの外にいましたが、ホテル内のことは何も見えませんでした。私の前には、雪の壁しかありませんでした」と証言した。

スカイニュースによると、救助隊は「すさまじい雪崩だった」と語った。「雪崩の直後は、この世の終わりのような光景だった」

ハフィントンポストUK版より翻訳・加筆しました。

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