トランプ大統領就任前夜、ニューヨークで2万5000人が抗議デモ マイケル・ムーア監督ら呼びかけ

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クラーク・ラスターさん(72)が最後にニューヨークでデモ行進したのは、ベトナム戦争に抗議した1960年代だった。

その半世紀後、新たな危険人物が登場したおかげで、もう一度街頭に繰り出さざるを得なかった、と話す。その人物こそ、ドナルド・トランプ次期大統領だ。

「私たちは彼に対して、何らかのことをしなければなりません」とラスターさんは1月19日、ハフィントンポストに語った。「選挙以来起きたことと言えば、彼の閣僚の指名、指名承認の公聴会の間に実証された無能さ、ロシアとの関係、こうしたことの全てが渾然一体となって、非常に無秩序で理不尽な時代の中に、私たちがいることは明らかです」。

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クラーク・ラスターさん

ラスターさんは、ノースカロライナ州アシュビルの自宅から、ニューヨークの「立ち上がって団結する」(We Stand United)集会と、ワシントンでの女性大行進(Women's March)に参加するため飛行機でやって来た。

イベントの主催者によると、 トランプ大統領就任式の前夜の『We Stand United』集会で、セントラルパーク近くのトランプ・インターナショナル・ホテル・アンド・タワー周辺の通りには約25,000人が集まった。

映画監督のマイケル・ムーア氏とニューヨークのビル・デブラシオ市長は、この大規模な反トランプデモで演説をした。ロバート・デ・ニーロ、アレック・ボールドウィン、マーク・ラファロ、シェールといった有名人も、あらゆる年齢層と民族が参加した群衆に加わった。

最近ニューヨーク市立大学を卒業したニューヨーク育ちのタニア・ウルフさんは、コロンビア人の母とエクアドル人の父のような移民に、苦痛を与えかねない公約に異議を唱えるため、この集会にやって来た。

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タニア・ウルフさん

タニア・ウルフさん(25歳)は、トランプ氏の大統領就任によって、アメリカ中の移民がどうなるのか心配している。「私は国外退去や嫌がらせを心配しているのです。そして LGBTの権利が踏みにじられることを心配しているのです」。ウルフさんは19日、ハフィントンポストに語った。「私たちはただ座ってぼんやりとしていることは、もはやできない。ここに出て来ることは、私にかすかな望みを与えてくれるのです」。

『We Stand United』集会は、環境保護運動団体グリーンピースやリベラル系組織のMoveOn.org、そして地元のNPOが主催した。

主催者はこのイベントのFacebookページで、自分たちは「団結して立ち、トランプ次期大統領と議会に、ニューヨークは人々の権利と環境を守るという一つのメッセージを送る」と宣言した。

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19日、ニューヨークのトランプ・インターナショナル・ホテル・アンド・タワー近くの通りには、およそ2万5000人が詰めかけた。

自分の父親が公民権運動の間、マーティン・ルーサー・キング・ジュニアと一緒に、アラバマ州のセルマからモンゴメリーまで行進したというクイーンズ地区の住民、ファイザ・ディーンさんは7歳の娘と一緒に「ノー!トランプ/ペンスのファシスト体制が始まる前に辞めさせろ」と書かれたプラカードを持ってブロードウエイを歩いた。

「自分が信じていることを、正々堂々と言うことは大切なような気がする」とディーンさんは19日、ハフィントンポストに語った。「彼が正当な大統領だとは思っていません。辞めさせる必要があると思います」。

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ファイザ・ディーンさんと7歳の娘

「私は心配しています」。ディーンさんは、自分の娘に及びかねないトランプ政権の影響について語った。「人種差別はあからさまになるだろう。狂ってる。娘が大きくなった時、何が起こるのかわかりません」。

ムーア氏は先週、 Twitterでこのイベントを発表した。

「19日の午後6時、トランプ・インターナショナル・ホテルの前で、 NYC の大規模集会を、マーク・ラファロさん、アレック・ボールドウィンさん、私が開催します!来てください!」

デブラシオ市長は16日の一連のツイートで、次のように出席を誓っていた。

「ここはニューヨークです。私たちが誰であるかという本質は、投票日にも、何一つ変わっていません。さあ、やりましょう。1月19日。コロンバス・サークル。そこに来てください」

「次期大統領に地元の街の尊さを思い出させるために、そしてアメリカの問題を解決する仕事を続けるために、1月19日コロンバス・サークルで、私と一緒に参加してください」

民主党のデブラシオ市長は、他の有名な人々と一緒に、その集会で演説した。彼らは医療、移民、環境の問題で、進歩的な政策を求めて闘うことの大切さを強調した。

「ドナルド・トランプ氏はアメリカ政府の課題を支配するかもしれないが、私たちはアメリカ人として、自分の運命を支配しているのです」とデブラシオ市長は、トランプ・インターナショナル・ホテルの外側に座り込んだ大勢の参加者に語りかけた。「私たちは未来を恐れません。もし人々の声が届くなら、未来は明るいと思っています。私たちはこのために、一緒に闘うのです」

「この国は、あなたの国です。この国は、私の国です。来てくれた人々全員に感謝します」

女優でブルックリン出身のロージー・ペレスさんは、次期政権の「脅迫と弱い者いじめ」に対して団結するよう呼びかけた。

「何千人という人がここトランプホテル前にいる。参加者が数ブロック向こうでルート変更せざるをえなかったので、これが私が近づける最短距離」

「ドナルド・トランプ氏はニューヨーク出身です」とペレスさんは群衆に語った。「彼はニューヨーク育ちですが、ニューヨーカーの私たちの本質とは正反対のメッセージを、この国じゅうにばら撒いているのです」。

ペレスさんが演説した時、熱狂した群衆が「全世界が見ているぞ」と繰り返し言っているのが聞こえた。

トランプ・ホテルのこちら側には数千人がいて、群衆が数ブロック離れたルートに変更する必要があった。これにより、私はより接近することができた。

公民権活動家アル・シャープトンさんと女優のシンシア・ニクソンさん、サリー・フィールドさん、シェイリーン・ウッドリーさんも参加していた。

「私たちアメリカ人は、私たちニューヨーカーは、私たち愛国者は、自分の権利と仲間の市民の権利のために、団結して立つのです」とデ・ニーロさんは群衆に語った。

MoveOn.orgの運動の指導者、ジャスティン・クレブスさんは、トランプ氏の52階建ての豪華ホテルの外側の集会の場所を、「悪魔を象徴する稲妻」と呼んでいた。

ニューヨーカーが環境、移民、医療に関するトランプ氏の公約を支持しないなら、地元の地方・州の議員に責任を取らせるよう、このデモが促すことを望んでいる、とクレブスさんはハフィントンポストに語った。

「ニューヨークのトランプ・インターナショナル・ホテル・アンド・タワーの外側で行われた #WeStandUnited集会には、数千人が集まった」

「この集会は、私たちが団結する意志の表明です」とクレブスさんは語り、選挙以来、アメリカ国民の中で自分の意見を堂々と表明する「エネルギーが明確に高まっている」と話した。「ここには非常に信頼できて、私たちを奮い立たせるものがあります」。

マンハッタンに住むドーン・スチュワート・ルーキンさんと夫のダニエル・バルディーズさんは、二人の18カ月の息子、ビクターさんのため、より良い未来を求めて闘うために、抗議の列に加わった。

「一家族としての私たちの大きな心配は、気候変動です」とバルディーズさんはハフィントンポストに述べた。「見て見ぬふりをし続けるのは罪です。そしてこれは、今から50年後、非常に現実的な問題としてこの問題に対処する世代への罪なのです」。

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ダニエル・バルディーズさん、妻のドーン・スチュワート・ルーキンさん、二人の18カ月の息子のビクターさんは、19日にニューヨークシティーでの数千人の反トランプ活動家たちに加わった。

19日の夜の集会は、週末中ずっと開かれるデモの「スタート」でしかない、とこの夫婦は語った。一家はまた、21日にワシントンの女性大行進に参加することを計画している。

「抗議することが重要でないと思っている人もいますが、私たちがお互いに支援しあっていることを、お互いに明らかにすることは大切です」とスチュワート・ルーキンさんは語った。「このシステムを終わらせ、大きな違いを生み出し、トランプ政権に抵抗するために、自分にはとてもたくさんのことができるのです」。

トランプ氏は、アレック・ボールドウィンが『サタデー・ナイト・ライブ』で自分の物まねをしたことが許せず繰り返し暴言を吐いてきたが、このイベントに関しては、いつになく静かだった。

この集会は、大統領就任式の日の前後でに世界の数百カ所で計画されている反トランプのなデモ行進の前に行われる。ほぼ150万人がワシントンの女性大行進に参加することが予想されており、600人以上の世界的な修道女たちが、21日にデモ行進する。

ミネアポリスのベッツィー・ホッジズ市長もまた、このイベントに参加した。トランプ氏は移民、イスラム教徒、障がいのある人々、 LGBTQコミュニティ等のグループを標的にすることによって、「私たちの価値観を攻撃」している、と同市長はハフィントンポストに語った。
「この集会に対する私の望みは、今後4年間の私たちの先を見越した課題が何であるのか、人々が考え始めてくれれば、ということなのです」とホッジズ市長は語った。「体系化することは、人々がする必要のある主要なことの一つです。ソーシャルメディアは非常に強力ですが、あくまで道具箱の道具にしか過ぎないのです」。

トランプ氏は近代史上最も低い支持率で就任する大統領として、政権を握ることになる。同氏がTwitterで17日に、この世論調査が「誤って」いて「不正操作」されたと反論していた。

トランプ氏は正しいことも言っている。「今週末、ワシントンに人々が押し寄せることになるだろう」と。もし『We Stand United』集会が一つの兆しならば、押し寄せている人々のうちの多くは、トランプ氏を賛美するためにそこにいるわけではないのだが。

ハフィントンポストUS版に掲載された記事を翻訳しました。

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