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【千代田区長選】小池百合子都知事 vs 都議会のドン"代理戦争"、いよいよ佳境に

2017年02月01日 23時45分 JST | 更新 2017年02月03日 20時26分 JST
Wataru Nakano

今夏行われる東京都議選の前哨戦とされ、2月5日に投開票される千代田区長選が、激しい戦いとなっている。この一地方自治体の首長選挙が国政選挙並みに注目されているのは、小池百合子都知事と自民党都連の「代理戦争」とも言われているためだ。

立候補しているのは、5選を目指す現職の石川雅己氏(75)▽新顔で政治団体代表の五十嵐朝青(あさお)氏(41)▽新顔で外資系証券会社員の与謝野信(まこと)氏(41)=自民推薦=の無所属3人。4期16年の実績を強調する石川氏に対し、五十嵐、与謝野の両氏が「世代交代」や「変革」を訴える構図となっている

石川氏は、小池氏と同氏主宰の政治塾を運営する政治団体「都民ファーストの会」の支援を受ける。一方の与謝野氏は与謝野馨・元官房長官の甥で、小池氏が「都議会のドン」と評した地元選出の前自民党都連幹事長・内田茂都議らが所属する自民が支援する。小池知事は、今夏の都議選で支持勢力による過半数の確保を目指しており、区長選が都議選に及ぼす影響も注目される。

千代田区は、内田氏が1975年に区議初当選して以来、同氏の地盤となっている。石川区政を内田氏が支えた時期もあったが、2人には次第に溝が生まれた。内田氏は前回、石川氏を副区長として支えた人物を対抗馬に擁立したが、敗れた

■石川陣営

「小池知事と私は、物事を進めるやり方がほぼ一致しています。施策を進めるにあたり中身をつまびらかにし、そしてご意見をいただきながら判断する。情報公開をしっかりと進めております」。現職の石川雅己氏は1日夕方、神田淡路町で街頭演説をし、そう述べた。

歩きたばこ・ポイ捨てを禁じた条例を施行するなどした実績を強調。さらに、「知事は東京を大改革すると言っています。そのためには、今回の選挙が第一のステップです。知事の思いを実現するために、まずは私を当選させていただきたい」と小池氏との近さをアピールした。

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石川雅己氏と、応援に駆けつけた小池百合子都知事=2月1日、神田淡路町

応援に駆けつけた小池氏は「この選挙、私にとりましては、東京大改革を前に進めるための大変重要な選挙でございます。何としてでも石川候補には勝っていただきたい」と語った。さらに「代理選挙などと言われていますが、その通りです。ポスターをよくご覧ください。ポスターを透かして見てください」と声のトーンを上げ、与謝野氏の背後に内田都議の存在があることを示唆した。

告示日の1月29日、出陣式には自民党の若狭勝衆院議員や高野之夫豊島区長、河村たかし名古屋市長、音喜多駿都議らが応援に駆けつけた

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ガラス張りの選挙カーに乗って支援を訴える石川雅己氏=1月31日、秋葉原

「小池人気」で再選を目指す石川氏。小池氏の都知事選でのイメージカラーだった緑色をイメージカラーにしている。演説会では、白地に緑の文字で「区民ファースト」と記されたのぼり旗が立った。また、小池氏が使ったガラス張りの選挙カーに乗って街頭を回っている。

■与謝野陣営

一方、これに対する新人の与謝野信氏。1月31日夜に秋葉原で開いた集会には、都知事選やオリンピックの会場見直しで、小池氏と相まみえた丸川珠代オリンピック・パラリンピック担当相が応援に駆けつけた。

丸川氏は「何しろ私も、与謝野(馨)先生には本当にお世話になりました。初めて選挙をさせていただいた10年前は、まさに与謝野先生が手を引いて選挙をやって下さったような状況でした」と、千代田区を選挙基盤とした馨氏の「与謝野ブランド」を強調。「千代田に新しい風を入れなければいけないという時、その与謝野先生の甥っ子の信さんが彗星の如く現れてくれたのは、人の繋がり、ご縁ということでしょう」と語り、小池氏の批判は封印した。

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丸川珠代オリンピック・パラリンピック担当相と与謝野信氏=1月31日、秋葉原

これを受けて与謝野氏は「いつも僕は、子育てのことを言うんですよ。誰かがやらなければいけない。前に進めなければいけない。子供がいる人たちの、そして、未来のまだ生まれていない子供たちの夢や希望を、私はしっかりと守っていきたいです」などと自分の政策を説明した。

さらに「千代田区を美しい、魅力の溢れる街として、次の子供たちに引き継いでいきたいじゃないですか。そんな時に『代理戦争』だなんて、そんなことを引き継いでいきたいですか。違いますよね」と、「小池知事と自民党都連」との対立を区長選に持ち込まないでほしいと訴えた。

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与謝野信氏の集会には、丸川珠代氏のほか、東京1区選出の山田美樹衆院議員も姿を見せた=1月31日、秋葉原

29日の出陣式には、丸川氏のほか、知事選出馬をめぐり対立した石原伸晃・経済再生担当相ら衆参議員が応援演説をした。擁立した内田都議は姿を見せなかった。陣営は代理戦争と呼ばれるのを嫌い、内田氏を一切表に出さない戦略を敷いている。

1日に四ツ谷駅近くで開いた集会には、自民の今井絵理子参院議員が登場、「小池知事 vs 自民党という報道に違和感があります。候補者を見て選んでほしい」と訴えた

与謝野陣営にとって、「小池人気」と現職の壁は決して低くない。陣営幹部はハフィントンポストに「私たちは象に立ち向かうアリのようなもの」と状況を語った。

■五十嵐陣営

新人で元会社員の五十嵐朝青氏は、茨城県つくば市の五十嵐立青市長の兄。1日、千代田区役所前で支持を訴えていた五十嵐氏は、ハフィントンポストに「代理戦争と言われていることに辟易している人たちには、今まで選択肢がなかったんですね。代理戦争と言うけど、内輪揉め。区民不在の内輪揉め」とバッサリ。「党利党略、しがらみ一切なく、真の区民ファーストを実現したい」と語った。

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有権者に支持を訴える五十嵐朝青氏=2月1日、千代田区役所前


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