J.Kローリングは、Twitterを使ってトランプ大統領と戦い続ける 「次はアメリカ、あなたたちの番」

「あなたに敵はいますか?それはよかった」

『ハリー・ポッター』シリーズで有名な作家のJ.K.ローリング氏が、トランプ大統領やその政策を嫌っているというのは秘密でもなんでもない。

「無知で簡単にコントロールできる男が、核のボタンのすぐ近くにいるということは、世界中の人にとって重要なことです」

ローリング氏はアメリカ大統領選の1カ月前、こうツイートしている。これは、自身の立ち位置を世間に表明するためにSNSを活用するという彼女の習慣を守ってのことだ。

彼女が呟いたトランプ大統領に関するツイートをいくつか紹介しよう。

トランプ氏は、「言葉は言葉以上のものではない」と言った。(※)これは彼の告発であり、同時に弁明でもある。言葉は重要ではない。事実は重要ではない。だとしたら、私たちはみな、途方に暮れるしかない。

※ヒラリー・クリントン氏とのテレビ討論会での発言。

ほら、みたでしょう。極めて知的で、経験豊かな女性(ヒラリー・クリントン氏)がたった今、巨大なオレンジ色のツイッター・エッグ(トランプ氏)と討論を終えました。次はアメリカ、あなたたちが行動を起こす番です。#debate

グットマッカー研究所による「グローバル・ギャグ・ルール(口封じの世界ルール)」(※)の影響についての研究。

※グローバル・ギャグ・ルール(口封じの世界ルール):1984年にロナルド・レーガン大統領が最初に発令した大統領令「メキシコ・シティ政策」の通称。世界各国で人工妊娠中絶を支援する非政府組織(NGO)への助成を禁じる大統領令で、トランプ大統領は1月23日、この政策を復活させた

ローリング氏はトランプ氏が選挙で勝った後も、懸念している問題について発言することをやめなかった。イスラム教徒と難民を標的にした大統領令も、彼女の懸念事項のひとつだった。

ローリング氏は大統領令に反抗するツイートの中から、珠玉のものをリツイートした。

統計(※)。

※1年間に他殺されたアメリカ人の死因の統計。「イスラム教系の移民によって殺害されたアメリカ人の数」は2名なのに対し、「別のアメリカ人によって殺害された数」は11737名と記されている。

過去、大統領が入国禁止にした7カ国からアメリカに入国して、国内で死者を伴うテロ攻撃を起こした数は?ゼロだ。

同性愛者たちのためにケーキを焼くことは許されるのに、絶望的な立場にいて、助けを求めている人たちに同じことができない。そんな状況でも聖書が妥当だと言うのはすごく不自然だと思う。

また、ローリング氏は、「旅行の思い出」についての意見を募るトランプ・ホテルのツイートに対する応答も積極的にシェアした。

あなたの旅行の思い出を教えてください。写真?おみやげ?素敵な夕焼け?ぜひ聞かせてください!

以下2つの回答を、ローリング氏は気に入ったようだ。

私の父は18歳の時にナチスから逃れた。ユース・ホステルで一緒になった2人の見知らぬ人が、父がイギリスでビザを取得するために200ポンド出してくれた。それで父は、命が助かった。

私の祖母は(シリアの)アレッポからエリス島(アメリカのニューヨーク湾内にある島)にやってきて、アメリカでより良い生活をするようにと歓迎された。このままのアメリカであってほしい...。

また、トランプ氏が1月29日にTwitterでヨーロッパの政策を批判した時も、ローリング氏は他者がトランプ氏の発言を皮肉ったツイートを引用することで反応を示した。

私たちの国には、強固な国境と厳重な入国審査が必要だ。今すぐにだ。ヨーロッパ中で、そして、世界中で起こっていることを見てみろ。恐るべき混乱だ!

ドイツは本当にひどい国だよね。だって国民全員が医療保険に加入していて、失業率が低くて、犯罪も少なくて、教育は無償で受けられて、それに外国人を歓迎しているもの。

ローリング氏の行動はリツイートだけではない。

ローリング氏は1月29日、マイク・ペンス副大統領が2015年に投稿した、「イスラム教徒を入国禁止にするという要求は不快だし、憲法違反だ」というツイートをシェアした。

彼女はシンプルに聖書の引用をし、ペンス副大統領のツイートに反応を示した。

「人は、たとい全世界を手に入れても、まことのいのちを損じたら、何の得がありましょう」。

マタイの福音書16章26節

このツイートに対して、トランプ支持者が憎悪に満ちたメッセージを多数投稿した。しかし、ローリングはその一つひとつに見事に反論した。

ローリング氏は1月30日、ウィンストン・チャーチルを引用してこうツイートしている。

「あなたに敵はいますか?それはよかった。敵がいるということは、あなたが何かのために、何かを変えるために立ち向かっているということだからだ」——ウィンストン・チャーチル

ローリング氏は、Twitterというソーシャルメディアを通して、トランプ大統領と戦い続ける。

ハフィントンポストUS版に掲載された記事を翻訳・編集しました。

■関連画像集「トランプ大統領の大統領令に抗議する全米のデモ」

Demonstrators Protest Muslim Travel Ban In New York City

トランプ大統領の大統領令に抗議する全米のデモ

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