潘基文氏の電撃不出馬で韓国大統領選の構図は激変 急浮上した有力候補たち

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2017年の韓国大統領選に、潘基文(パン・ギムン)前国連事務総長が電撃的に不出馬を宣言したことで、政局が揺れている。

▼グラフ「韓国大統領選 主要候補の支持率」▼ ※グラフが表示されない場合はこちらへ。

テレビ局「JTBC」の報道番組「ニュースルーム」が2月1日に発表した緊急世論調査の結果、潘氏を支持していた人々は、多くが黄教安(ファン・ギョアン)首相に流れたことが分かった。しかし、野党第一党「共に民主党」元代表の文在寅(ムン・ジェイン)氏が1位を走っており、2位との差はダブルスコアを超える。

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黄教安首相

黄教安首相は、弾劾訴追され職務停止中の朴槿恵大統領の職務代行を務めており、支持率は38%に達している。元公安検事でタカ派のイメージが強く、2014年に憲法裁判所が「統合進歩党」の解散を命じたときは、法相として「北朝鮮式の社会主義を目指している」と主張、民主化後初の政党解散を主導した。今回も北朝鮮への脅威を強く感じる60代以上の支持が26.6%と高い半面、20~30代の支持率は5%以下と低調だった

黄氏はまだ大統領選に出馬表明をしていないが、潘基文氏を失った保守票のよりどころとして期待され、支持が集まっていることが分かる。

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文在寅氏。2012年の大統領選では野党統一候補として、朴槿恵氏と大接戦の末に敗れた

1位を守った文在寅氏は26.1%の支持率を得たが、同じリアルメーターの1月第3週の調査と比較すると、約6%下落した。JTBCは「支持層の相当部分が重なる安熙正(アン・ヒジョン)忠清南道知事が出馬表明をした効果が見られる。安知事の支持率は5%余り上昇した」と伝えた。ただし文氏は、今回の調査では初めて全地域で1位となった。

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安熙正・忠清南道知事

文氏と同じ野党第一党「共に民主党」の安熙正知事が3位を記録したことも注目に値する。これまで「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)城南市長を上回ることなく5位以下にとどまっていたが、今回初めて李市長を追い越して3位に上昇した。

ハフィントンポスト韓国版に掲載された記事を翻訳・加筆しました。

■潘基文氏、不出馬宣言は選対スタッフにも事前に伝えず

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潘基文氏の2月1日の不出馬宣言は突然だった。選対のスタッフもテレビの会見中継を見て知ったと報じられた韓国日報が2月1日深夜に潘氏にインタビューした内容を見ると、報道担当者はもちろん、側近の元外交官の金塾(キム・スク)元国連大使しか知らなかったようだ。

「周りに相談もしなかった。一人で草稿を書いて(選対事務所を統括していた)金塾・元国連大使にそれとなく伝えた。報道担当にも、国会で発表することがあるとだけ伝えて、内容は言わなかった。選対で私を手伝ってくれたスタッフとも相談しなかった。相談したら止められただろうから」(韓国日報、2月2日)

潘氏の不出馬の背景については、支持率の落ち込みなどが理由とみられているが、理由を尋ねる韓国日報の質問に、潘氏は具体的に答えていない。その代わり、政治家への幻滅感を吐露した。「政治家たちは、全部自分のことしか考えていない。言葉は大義だと言うが、いざとなると大義のために自分を犠牲にする準備ができていない人が多かった」

マスコミ界への不満もぶちまけた。

「私は一生、私心なく純粋に生きてきたと自負する。国際社会でも、私のintegrity(正直さ、誠実さ)を疑った人はいなかったと思う。しかし、韓国に来て、なぜこんなに問題が多いのか驚いた。率直に言って韓国の大統領になるのに、エビアンのボトルを持ち間違えたとか、電車の切符を買えなかったとか(報道され)、何の関係もないじゃないか。ところが、新聞の1面に出るんだ。国民はこんなレベルのマスコミに教え導かれるのか…(韓国日報、2月2日)

インタビューの最後で、潘氏は将来、政治には関わらないだろうと述べ、大統領選でどの候補を支持するかなどの質問には一切答えなかった。

ハフィントンポスト韓国版に掲載された記事を翻訳しました。

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