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EU離脱に向けた白書公表、強硬な「ハードブレグジット」鮮明に でもExcelで作ったデータに間違いが

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BREXIT
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イギリス政府は2月2日、欧州連合(EU)離脱に向けた政府方針を記した白書を公表した。77ページの白書には、テリーザ・メイ首相が1月17日の演説で示した12項目の優先項目に沿った方針が説明されている。

・EU離脱交渉での確実性
・自国の法によるコントロール
・イギリス内4地域の強化
・アイルランドとの旅行自由の維持
・移民管理
・イギリス在住のEU市民と、EU在住のイギリス国民の権利保障
・労働者の権利保護
・ヨーロッパ市場との自由貿易
・EU以外の国との新たな貿易協定
・科学や技術革新の本場
・犯罪やテロリズム対策でEUと連携
・円滑で規則に沿ったEU離脱

この優先項目をもとに、移民の管理を優先し、単一市場には参加せず、包括的な自由貿易協定(FTA)の締結を模索する。

イギリスでのEU離脱をめぐる議論は、移民から貿易規制に至るまで、EU加盟がイギリス議会の主権を侵食しているという考えに基づいている。

イギリス議会は、常にEU加盟国として主権を保ってきた。しかし、EU離脱を通じて議会の主権を回復させようとする政府からみると、「いつもそれを実感していたわけではなかった」と白書には書かれている。

労働党のジェス・フィリップス議員は、この記述は「議会がまるで反抗的なティーンエージャーのように思わせる」とコメントした。ファイナンシャルタイムズのセバスチャン・ペイン記者も、この一文が白書の中で「最も馬鹿げた部分」と発言した。

議会がまるで反抗的なティーンエージャーのように思わせる

白書の中で最も馬鹿げた部分:議会はEU加盟期間を通して主権を維持してきたが、我々は「いつもそれを実感」していたわけではなかった。

弁護士で法律ジャーナリストのデビッド・アレン・グリーン氏は、この文章を取り上げ、「6カ月もかけて、こんな低レベルの白書を出している状態か」と批判し、メイ首相が約束した通り、EU離脱リスボン条約(EUの離脱条項)第50条の発効後2年以内にイギリスが本当にEUを離脱できるのか、疑問を呈した。

主権に関する表現は、全ページに付けられたタイムスタンプからみて、この白書が木曜日(2月2日)の午前4時17分時に完成したという事実と関係しているかもしれない。

この文書は、イギリスに居住しているEU市民の処遇など、EU離脱の様々な側面についての詳細を記載していないと批判を受けた。

EU市民のイギリスでの滞在権については明示的に保証せず、「イギリスに既に居住しているEU市民と他の加盟国のイギリス国民の状況については可及的速やかに確認したい」という記載にとどまっている。

労働党は、この白書は「何も(大切なことを)言っておらず」、「意味のある」精査を行うには遅すぎる、と批判した。

ガーディアンの欧州特派員ジョン・ヘンリー氏は、この白書の重要な点と、政府がこれまで述べてきた内容に追加された点を説明した。

ヘンリー氏は、北アイルランドとアイルランド共和国の境界線をどのように保つのかについてくわしく書かれておらず、メイ首相の単一市場、関税同盟、離脱後のEUの予算について説明した1月17日の演説を越える内容は含まれていないと指摘した。

また、白書には詳細が欠けているだけでなく、少なくとも1カ所、基本的な間違いがあった。

移民および雇用関連法律家のローリー・アンスティス氏は、白書中のグラフを見ると、イギリスの雇用法が従業員に毎年少なくとも14週間の休日を与えているように見えると指摘した。

確かに、白書32ページのEUとイギリスの休日を比較したグラフは何かが間違っている。イギリスで年間14週間の休日など、あり得るのだろうか?

…やはり、誰かが棒グラフのバーの配置を間違っていたようだ。

そう、彼らはExcel(表計算ソフト)で基本的なミスをしでかした。グラフ中の2番目と3番目のバーが逆だ。これを修正すればインパクトが随分薄くなってしまうので、ご注意を。

そのグラフが「ラベル付けを間違えている」ことに気が付き、修正した人もいた。

その白書のグラフ。完全にラベル付けを間違った、というほど「間違っている」わけではないが、正しくはこうだ…

ハフィントンポストUK版より翻訳・加筆しました。

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