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保険証は「普段の性別の名前」で。戸籍変更できなかったトランスジェンダーに

2017年02月06日 23時36分 JST | 更新 2017年02月07日 19時16分 JST
時事通信社

心と体の性が一致しない性同一性障害と診断され、女性として生活している京都市の50代の男性が、保険証に日常使う女性名を記載することが認められたと、毎日新聞などが報じた。公的な身分証として利用される保険証で通称が認められるのは珍しいという。

通称の使用が認められたのは、京都市の50代の会社経営者。2012年に性同一性障害と診断され、14年春に性別適合手術を受けた。ところが、性別変更について定めた性同一性障害特例法にある「未成年の子どもがいない」などの要件を満たしていないため、戸籍上の性は男性から女性に変えられず、名前も男性名を使い続けた。

京都新聞によると、経営者はこれまで、保険証に記載された名前と女性の外見とが一致しないため、病院で「他人の保険証は使えません」と言われたり、男性名で呼ばれて周囲の視線にさらされたりし、日常生活で精神的苦痛を感じていた。

経営者は2015年8日、保険証を女性名に変えてもらえるよう、京都府酒販売国民健康保険組合に要望。組合が厚生労働省に変更の可否を問い合わせた。厚生労働省が2016年7月、「保険者の判断で記載して良い」と回答したことを受け、組合は経営者に女性名が記載された保険証を交付した。

交付された保険証は、表面の性別欄を「男」と表記されていたのから「裏面参照」に変え、裏面に「戸籍上は男」と記載した。

厚労省は2012年、保険証の性別表記に関する事務連絡で、記載で嫌な思いをする人がいない表記を心掛けるよう保険者に伝えた。その中で、表面の性別欄を「裏面参照」とし、裏面に戸籍上の性別が分かるような表記を書くことなどを例示していた。

経営者は京都新聞の取材に対し、「新しい保険証は身分証明にも使え、1人の人として認められるようになった。変更を諦めている性同一性障害者も、これを機に声を上げてもらえれば」と話した。

保険証の表記をめぐっては、外国人が氏名欄に日本名を表記する例などがある。厚労省によると、国民健康保険の保険証に記載する情報は、原則住民基本台帳の記載を基にするが、保険者の判断に委ねられている。


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