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ダコタ・アクセス・パイプライン建設計画にアメリカ陸軍省がゴーサイン

2017年02月09日 01時04分 JST | 更新 2017年02月09日 01時11分 JST
Terray Sylvester / Reuters
A banner flies in the Dakota Access Pipeline protest camp near Cannon Ball, North Dakota, U.S., January 24, 2017. REUTERS/Terray Sylvester TPX IMAGES OF THE DAY

アメリカ陸軍省は2月7日、ダコタ・アクセス・パイプラインに関する環境調査を中止し、建設を完了させる許可を与えると発表した。

ダコタ・アクセス・パイプラインは、石油パイプライン会社「エナジー・トランスファー・パートナーズ」がノースダコタ州からイリノイ州までをつなぐ1172マイル(約1886キロメートル)のパイプラインを建設するプロジェクト。建設ルート近くの居留地に住むアメリカ先住民スタンディングロック・スー族とその支援者たちが、水源のミズーリ川が汚染されることを懸念し抗議デモを続けていた。陸軍省は2016年12月4日、ミズーリ川をせき止めたダム湖「オアへ湖」の地下にパイプラインを通す工事を認可しないと発表し、建設は中断されていた。

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陸軍省副次官補のポール・クレイマー氏が、天然資源委員会の幹部で民主党議員のラウル・グリハルバ氏に宛てた書簡には、オアへ湖にパイプラインの一部を建設する地役権(ある土地の便益のために、他人の土地を利用する権利)をエナジー・トランスファー・パートナーズ社に与えるよう計画していると書かれていた。

陸軍省の決定は、石油パイプラインの建設計画を再開させようとするドナルド・トランプ大統領の大統領令に従った動きだ。

「今日の発表で、地役権を与える最終段階にたどり着く」と、暫定陸軍長官のロバート・スピア氏が声明を出した。NBCニュースによると、スピア氏は建設計画が環境に及ぼすとされる影響について、追加調査の必要はないと発言したという。

パイプライン建設反対派は、陸軍省の決定を非難した。

「ドナルド・トランプは、闘わずしてダコタ・アクセス・パイプラインを建設することはできない」と、先住民環境ネットワーク代表のトム・ゴールドトゥース氏は語った。「環境調査のやり直しや、部族との協議をふまえずに地役権を付与しても、この闘いは終わりません。新たな闘いの始まりなのです」

パイプライン建設計画はこの数カ月保留状態になっているが、エナジー・トランスファー・パートナーズによるノースダコタ州からイリノイ州までのルート建設は、パイプラインは、スタンディングロック・スー族の居留地近くの20マイル(32キロメートル)区間以外は、ほとんど完成している。

スタンディングロック・スー族はこの計画に一貫して反対しており、部族が生活する保留地の水資源に打撃を与え、神聖な土地を脅かし、連邦文化財保護法とスタンディングロック・スー族ら先住民の居留地を侵害しないと約束した1851年のフォート・ララミー条約に違反しているとして抗議している

スタンディングロック・スー族と彼らのサポーター「水の保護者」が数カ月にわたって居留地にある抗議デモの拠点「オセチ・サコウィン・キャンプ」で抗議した結果、陸軍省は12月、最終的な決定を下す前に建設計画が環境に及ぼす影響評価を命じることとなった。その時には、陸軍工兵隊の担当者はスー族の保留地を通らないようにパイプラインのルートを変更する選択肢も検討すると発言した。

エナジー・トランスファー・パートナーズは、ノースダコタ州からイリノイ州まで原油を輸送するには、38億ドルをかけたパイプラインを使用する方が、トラックや鉄道による輸送より安全だと指摘している。さらに、オバマ大統領が1月20日の退任前に、建設計画に対し不当に介入したとも主張している。

スタンディングロック・スー族は、建設計画が環境に及ぼす影響評価を陸軍省が打ち切ったことについては、法廷で合法性を争う意向を表明している。

「このパイプラインは、条約で保護されている我々の土地を不正に通るよう変更されました」と、部族長のデイブ・アーチャムボールト氏が声明を発表した。「トランプ政権は、法律やアメリカ国民の意思、世界中の我々の仲間を否定するような前例をまたしても作ろうとしています」

ダコタ・アクセス・パイプラインの完成は、トランプ大統領が選挙中に公約として掲げており、建設工事によって雇用を創出できると主張していた。トランプ大統領は、パイプラインの建設に関わる企業の株を所有している。トランプ大統領は1月24日、大統領令に署名し、オバマ政権時代に命じられた建設計画の中止を撤廃できないか調査するよう陸軍省に命じていた。

ハフィントンポストUS版より翻訳・加筆しました。

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