Facebook、家族の看病で6週間の有給休暇 シェリル・サンドバーグCOO発表

「家族の世話をしたり、死を悲しんだりする時にも時間は必要ですから」

FacebookのCOOシェリル・サンドバーグ氏は2月7日、女性のリーダーシップイベントで「病気療養中の家族を世話するための、6週間の有給休暇を全従業員に付与する」と発表した。

この休暇に加え、子供の風邪など短期間の病気の世話をするための3日間の休暇、そして家族との死別のための、最大で20日の忌引き休暇も付与する、と明らかにした。

サンドバーグ氏は、2015年に事故で夫を突然失った。今回の有給休暇は、自身の経験によるところが大きいという。

「私は夫を突然なくしました。Facebookはこれまでも、有休休暇と柔軟に働ける環境を提供してきましたが、もっと強化したい」と、サンドバーグ氏は語った。

サンドバーグ氏自身は、夫のデイブ・ゴールドバーグ氏が亡くなった時、10日後に仕事に戻った。

(JEROD HARRIS VIA GETTY IMAGES)

アメリカでは有給での育児休暇、病気休暇が整備されていない。「育児介護休業法(The federal Family and Medical Leave Act)」はあるが、この制度で家族の世話をするために休みが取れるのは一定の従業員のみで、無給だ。

しかしここ数年、シリコンバレーのテック企業は、男女両方が取得できる産休を導入し始めている。Facebookも2016年から、新しい子供を迎える従業員に、男女関係なく4カ月の育児休暇を付与している。

今回導入する新しい有給休暇は、子供を育てる親だけではなく、全ての従業員に適用されるという点で大きな意味がある。「子供を迎えること以外にも、大切な人生のイベントがある」というメッセージがこの有給には含まれる。

産休や病気休暇を促進するNPO「Family Values @ Work」のエレン・ブラボー氏は、ハフィントンポストUS版に次のように語った。

「従業員には職場以外の生活がある、と企業が認識するのは、大切なステップです。多くの企業が、育児休業を取り入れはじめています。それはとても素晴らしいのですが、育児以外にも家族の世話もあります。そういった家族の世話をしたり、家族の死を悲しんだりする時にも休みは必要です」

サンドバーグ氏は、企業だけにとどまらず、社会全体でこういった有休制度を導入されるべきだと考えている。イベント後、同氏はFacebookにこんなメッセージを投稿した。

「家族か仕事か、どちらかを選ばなければいけないという状況をつくってはいけません。働きながら、家族の世話をできるようにしなければならないのです」

「子供や高齢の両親を世話しなければいけない時や、大事な家族を失って立ち直るのにしばらく時間がかかる時もあるでしょう。そういう時に休みが取りやすくなるような公共の政策が必要です」

ハフィントンポストUS版に掲載された記事を翻訳しました。

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