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メキシコの国民食となった「マルちゃん」 トランプ政権の影響は?

2017年02月13日 23時05分 JST | 更新 2017年02月14日 19時23分 JST

メキシコで意外な日本製の食品が大ヒットしているのをご存じだろうか。インスタントカップ麺「マルちゃん」(東洋水産)だ。メキシコでは誰もが知る商品で、海外市場にも関わらず、約9割のシェアを誇っている

マルちゃんは、アメリカに生産拠点を置き、メキシコに輸出している。そのため、トランプ大統領が言及する北米自由貿易協定(NAFTA)の見直しで、メキシコとの間の貿易事情が変われば、製品にも影響が出かねない。

ハフィントンポスト日本版は、メキシコ版と協力し、現地での実態を調べた。マルちゃんは地元のスーパーマーケットやお店で簡単に手に入り、日本と同様、お湯を注いでその場で食べることもできるという。地元の人の声を聞いた。

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メキシコの店で陳列される「Maruchan」

■メキシコ人にも「よく知られたブランド」

--どの程度の頻度で、どのようにマルちゃんを食べますか

「好きです。チーズやエビ、チリ味などいろいろ食べる」(39歳女性)

「1週間に1度のペースで食べる」(25歳女性)

「塩分が濃くて好きではない」(52歳男性)

--マルちゃんについてどう思いますか

「すぐに食べられるので、料理する時間がない時用に購入されている」(36歳男性)

「よく知られたブランド」(22歳女性)

「健康的ではないが味はおいしい」(40歳男性)

--トランプ大統領の影響で貿易事情が変わり、マルちゃんの値段が上がったらどうしますか

「値段が上がっても、メキシコ人は買うと思う」(52歳男性)

「マルちゃんを好きな理由は安いから。高くなったら買わない」(25歳女性)

「値上げしたら、誰が買うのか」(29歳男性)

ハフィントンポストは、マルちゃんを製造する「東洋水産」(東京都港区)にも取材し、メキシコで広まった経緯や、トランプ大統領がもたらす影響をどう受け止めているか、話を聞いた。

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東洋水産の本社(東京都港区)

■出稼ぎ労働者がお土産に持ち帰ったことから広まった

--マルちゃんがメキシコで広まった経緯を教えてください

もともとは1972年にアメリカに進出し、現地法人や工場をつくって国内販売していました。当時メキシコから出稼ぎに来ていた人が、休暇のお土産にマルちゃんを持って帰ったことから、現地で食べられるようになりました。実際、メキシコの業者が空のトラックで工場に来て、製品を買って行ったので、これならメキシコでも絶対に流行ると、2004年に現地法人を作りました。

--どんな商品を販売していますか

メキシコでは、エビやチキン、ビーフなど13種類あり、エビにライムとハバネロで味付けしたものが一番人気です。値段は日本円で40〜50円ぐらいで。メキシコではタコスが150円ぐらいなので、安さが売りです。

--なぜ人気が出たのですか

はっきりとした理由は分かりませんが、安い値段が一つの要因だと思います。ふたを1ミリ単位で薄くしたり、大量生産したりしてコスト削減しています。日本とは異なり、香辛料やライムを加え、スープ感覚で食べているようです。学校やバスターミナルなどでいつでも手に入ります。

--マルちゃんという名前が浸透しているようです

食べる人が増えて売り上げが伸び、ブランドとして認知されました。すぐに食べられることから、「早い」「すぐにできる」という意味の俗語としても使われるようになり、議会が早々に議論を打ち切った際に、「議会がマルちゃんした」と表現するそうです。また、ギャング団が募集広告で、豪華な生活をアピールするため、「入団するとマルちゃんではない本格的な食事を提供します」という誘い文句を使っているという話もあります。

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メキシコで販売しているインスタント麺「Maruchan」

■トランプのNAFTA見直し発言、影響を見極める

--トランプ大統領が発言したNAFTAの見直しや関税の復活で、製品に影響する可能性があります

メキシコが関税をかけるかどうかの話ですが、そうなっても、税金なのでやむを得ません。値上げして買わなくなったら大変ですが、どうなるかは分かりません。ただ、NAFTAができる前から輸出し、食べてくれていたので、影響はそこまで大きくないのではないでしょうか。

--どのような対策を検討していますか

状況を見守るしかありません。何も決まっていない段階では動けませんし、具体的な議論もしていません。起きた結果に対応するだけです。これまで通り、流通経費がかからないように工夫しながら、コスト削減を徹底しています。

--アメリカの影響を排除するため、メキシコに生産拠点を作ることは考えられますか

メキシコへの供給拠点であるアメリカ・テキサスの工場の生産量を落としてでも、新しいのを作ったらよいのかということになるが、そんなに簡単ではありません。そこまでの対策が必要なほど、売り上げの減少や大きな変動は起こりづらいと思います。


■関連画像集「メキシコや日本の「マルちゃん」インスタント麺」

メキシコや日本の「マルちゃん」インスタント麺


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