30歳という節目をお祝いしてもいいじゃない。「三十路祭り1986-1987」にアラサー女子が行ってみた

1月の第3日曜日は、「三十路の日」。
Teenagers enjoying confetti in front of roller door whilst partying in street
Teenagers enjoying confetti in front of roller door whilst partying in street
wundervisuals via Getty Images

30歳限定参加のイベント「三十路祭り1986-1987」が1月29日(日)、東京ビッグサイトで開催された。30歳を迎える人達が「人生の節目」をともに祝福し、同年代の「繋がり」を作るというコンセプトを掲げたイベントだ。

イベントではお笑い芸人のハライチがMCを務め、タレントの麻美ゆまやお笑い芸人のオアシズ・大久保佳代子らによるトークショーや、世代にとっては「懐かしさ」満点といえるバンド・元ロードオブメジャーの北川けんいち、近藤信政によるライブも行われた。

30歳限定ということで、本来筆者に参加資格はなかったが、取材としてイベントを体験した。イベント当日の模様や独身アラサー女(28歳)として感じたことをレポートする。

■「三十路祭り」とは?

「三十路祭り」は、「20歳のための成人式があるなら30歳のための式典も必要ではないか?」という発案から生まれた企画。

20歳が成人だとすると、社会において独り立ちができるようになる30歳は「社会的成人」と言えるという考えのもと企画を固めていき、運営スタッフや参加者すべてを三十路だけで構成した。第1回目となる「MISOJIMATSURI 1985-1986」が2016年1月17日に開催され、今回の「三十路祭り1986-1987」は2回目の開催となった。

また、イベントの実行委員会は1月の第3日曜日を「三十路の日」として制定し、社団法人日本記念日協会から登録認定を受けている。

そうした経緯で実施された「三十路祭り」。イベント会場には協賛企業が出展したブースが並び、子育て世代や女性に向けたワークショップや、「性と健康」をテーマにしたトークショーなどが行われた。また、会場では出身地別に色分けされたリストバンドが参加者に提供され、独身者同士の「マッチング」につながるような仕掛けもあった。

入り口に置かれたボードには大きく「30」の文字。

会場には座り込んで団らんできるスペースが用意されており、知らない人同士が気軽に会話できる交流の場にもなっていた。

「性と健康」をテーマにした対談形式のトークショーには、ハライチ、麻美ゆま、大久保佳代子、ラブライフアドバイザー・OLIVIA、日経メディカルの記者・増谷彩が登壇。

トークショーでは、セックスライフや三十路の健康について、赤裸々なトークが繰り広げられた。男女ともに「性経験なし」の独身世代が増加している傾向についても言及され、登壇者各々がセックス観について語っていた。

イベントの終盤には30歳の書道家による書道パフォーマンスも。書かれたのは「繋」という文字。

■「ここにいるのは30歳だけ」という安心感

運営者の発表によると、第2回目の「三十路祭り1986-1987」には約2500人が参加したという。

約2500人の30歳が集まって、一緒にお酒を飲んで、知らない人と会話を楽しむ…「三十路祭り」は大規模な「同窓会」のようだった。知らない人だけど、同い年というだけで妙な安心感が生まれて、「みんな友だち」のような気持ちになって、会話も弾む。

実際に、イベントに参加していた人に感想を聞くと、「同年代しかいないから居心地がいい」「知らない人でも話しかけやすくなる」という声が多かった。

「三十路祭り」は婚活をメインにしたイベントではないが、独身者にとってはこのような場が増えていくことはありがたいかもしれない。年齢の呪縛にとらわれずに出会いを求めることができる。

イベントには人気タレントが多数出演していたが、誰かが目立つわけでもなく、主役はあくまで「30歳の参加者たち」という空気感にも好感を持った。周りは知らない人ばかりなのに、いい意味で、どこか「内輪」で盛り上がっている雰囲気が漂っていたのも、参加者がみな「今年で三十路」という共通項をシェアしていたからではないかと感じた。

男性にとっても女性にとっても、「30歳」という年齢は大事な節目だ。社会人経験をある程度積み、今後の人生をどう生きていくか、改めて考えるタイミングでもある。

特に独身女性にとっては、「三十路」という年齢がもたらすプレッシャーは重い。ことあるごとに「20代のうちに結婚した方がいいよ」と言われてきた著者も、どう30歳を迎えるべきか常々考えている。

「三十路祭り」や「三十路の日」のような、百人百通りの30歳を「まるごと祝おう」という趣旨で生まれた行事は、そういったプレッシャーと直視したことがある人を優しく受け入れてくれる行事のひとつになるのかもしれない。

■関連画像集「1986年生まれ(2017年に30歳)の芸能人」

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