佐藤さとるさん死去 「誰も知らない小さな国」コロボックルシリーズは今後も書き継がれる

佐藤さとるさんが2月9日、自宅で死去した。「あの本が子どものときの宝物だった」「コロボックルが私にも見えるのではないかと探した」など、追悼のコメントが多数投稿されている。

「コロボックル物語」シリーズで知られる児童文学作家の佐藤さとるさんが2月9日、心不全のため横浜市内の自宅で死去した。88歳。共同通信などが報じた。

公式サイトによると、佐藤さんは1928年、神奈川県横須賀市で生まれた。横浜市の職員や中学教員などを経て、1954年に実業之日本社に入社。編集者として働いた。

1959年3月、31歳のときに身長3cmほどの小人たちが活躍する「コロボックル物語」シリーズの第1作「だれも知らない小さな国」を自費出版。講談社から正式に出版され、毎日出版文化賞を受賞した。以降、シリーズは累計300万部を超える人気となった。

2011年、コロボックルシリーズは、物語を読んで育ったという作家の有川浩さん(44)が書き継ぐことになった。講談社の公式サイトによると、有川さんのファンだったという佐藤さんが、有川さんに次のように提案したという。

「ぼくはこの物語の続きを

誰でも禁則さえ守れば書けるように

オープンエンドにした。でも誰も書いてくれない。

有川さん、書いてみたら?」

コロボックル物語特設ページ|講談社文庫|講談社BOOK倶楽部より)

有川さんが「いつか、現代の私たちが、コロボックルに出会う話を、書いてもいいですか?」と聞くと、佐藤さんは、「もちろんだよ、是非書いて」と承諾した。佐藤さんがつくったコロボックルシリーズは、今後も続く。

Twitterには佐藤さんを追悼するツイートがあふれている。

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