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いじめ自殺の小6女児、遺族の裁判終結まで6年。母は「私がガイジンだから」と唇を嚙んだ

2017年02月17日 19時33分 JST | 更新 2017年02月17日 19時33分 JST

2010年の秋、群馬県に住む小学校6年生の女児が、いじめを苦に自ら命を絶った。

教育委員会の対応などを巡って、遺族は裁判を起こし、すべて終えるのに6年以上を要した。なぜ、これほど長い年月がかかってしまったのだろうか。

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群馬県桐生市の小学校に通っていた上村明子さん(当時12)は2010年10月23日、自宅で自ら命を絶った。母親はフィリピン出身で、同級生から「お前の母さんはゴリラみたいだ」「きもい」「くさい」などと言われ、班ごとの給食も一人で食べるなどのいじめを受けていた。学校や桐生市はいじめがあったことは認めたものの「自殺との直接的な原因は特定できない」との姿勢を貫いたため、遺族が市や県、加害者の家族を相手取って裁判を起こし、2014年までにすべて和解が成立した。

2017年2月17日、東京高裁で、学校での事故などに見舞金を支払う独立行政法人「日本スポーツ振興センター」(JSC)との和解が成立、見舞金2800万円が支払われることが決まった。同センターは学校のいじめが原因での死亡も見舞金の支給対象としているが、桐生市が自殺との因果関係を否定する文書を同センターに送ったため、センター側が支払いを拒否、遺族が裁判を起こしていた。一審の宇都宮地裁は2016年10月に遺族勝訴の判決を言い渡している。

原告側代理人の池末登志博弁護士は記者会見で、6年以上かかったことについて「桐生市が一貫して、自殺の主原因はいじめでないと当初から最後まで繰り返していたことが、大きな原因と考えている」と述べた。「市の第三者委員会の調査がずさんだった。人選について、遺族側の意見は聞き入れられず、桐生市が勝手に選任した委員が判断し『自殺の主原因がいじめだと言えない』と結論を出したので、最後まで尾を引いた」と桐生市の対応を批判した。

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記者会見した両親

父の竜二さん(57)は「やっと明子に報告できるが、本当に長かった。『こんなにかかるのか』というのが、今の正直な気持ち」と話した。「先生が目が届かなかったことがあるかもしれないが、安心して学校に送れるようにしてほしい。再発防止は大事ですけど、子どもは戻ってこない。どうしてうちの子がなくなったのか、遺族は原因がいちばん知りたい。その原因を明らかにして、それに対して再発防止に努めてほしい」と求めた。

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母(47)は6年以上かかったことを「たぶん私がガイジンだからじゃないか。日本人だったらすぐ認められたんじゃないか。何回勝てばいいのかと思った」と話す。

記者会見で言葉に詰まり、弁護士が「胸がいっぱい」とコメントを代弁した。会見後、ハフィントンポストの取材に「いっぱい、いっぱい、言いたかったけど、通じない、勘違いされるかもしれないから言えなかった」と声を振り絞った。

「本当に終わったよ。ゆっくり天国に行ってほしい。まだ心配かもしれないから、やっと安心して、天国に行って、幸せになってほしい」