防災をもっとオシャレに、楽しく。「防災ガール」に聞く、今すぐ始められる対策5つ

2017年02月23日 23時00分 JST | 更新 2017年02月23日 23時00分 JST

地震や津波、土砂災害……。「災害大国」と言われる日本では、いつ自分が被災してもおかしくない状況です。しかし、東日本大震災から7年目を迎えようとしている今、私たちはあのときの教訓を生かせているでしょうか?

「防災をもっとオシャレで身近なものにしたい」。ヒールの日にもバッグに忍ばせておける携帯シューズの開発など、女性目線を生かした防災活動をしているのが、「一般社団法人防災ガール」の田中美咲さん。私たちに求められている防災意識と、今すぐ始められる防災対策について、田中さんに聞いてみました。

the huffington post

あなたの“防災意識レベル”がわかる、5つのチェックポイント


田中さんによると、災害による被害が大きくなる原因の1つが、「個々人の防災意識の低さ」。まずは自分の“防災意識レベル”をチェックしてみましょう。

□「自分は大丈夫だろう」「運がいい」という根拠のない自信がある

—意外と多くの人が抱いているのが、自分に都合の悪い情報を「大したことないだろう」と過小評価してしまう「正常性バイアス」。危機感のなさが、災害時には初動の遅れの原因になります。

□防災グッズは家にあるが、1年以上中身を確認していない

—「防災グッズを買うことで安心してしまうのが、一番怖いパターンですね」と田中さん。いざというときに使い方がわからなかったり、消費期限が切れていたりしては、役に立ちません。

□自宅や職場近くの災害リスクや避難場所を知らない

—自宅や職場がある地域の地盤や活断層は? 木造住宅密集地域に囲まれていないか? 災害が起きる可能性を考えておくことは防災の基本。自治体によって防災対策もさまざまなので、事前に情報を知っているのと知らないのとでは大きな差がつきます。

□災害が起きたら、「自治体や職場の指示に従うだけでいい」と考えている

—東日本大震災では、避難訓練やハザードマップを頼りに行動して、犠牲になった人もたくさんいます。もちろんそういった情報はとても大切ですが、「想定外」の事態も起き得るということを覚えておいてください。

□「いつもの場所」以外で被災する可能性を考えていない

—被災する場所は、自宅や職場、学校など「いつもの場所」とは限りません。備えはしっかりできていると思っている人でも、取引先への訪問途中、旅行先などで、突如「帰宅難民」になる恐れがあります。初めて訪れた場所で被災する可能性も想定して、「24時間備える」という意識を持ちましょう。


いかがでしょうか? 当てはまる項目が多ければ多いほど、防災意識が低いということです。ぜひ日頃の防災対策を見直してみてください。

「今すぐ始めたい防災対策」5つのポイント


では、被災しても慌てないために、どのような防災対策を心がければよいのでしょうか。田中さんに5つのポイントを教えてもらいました。

1.命を守る「三種の神器」は水、エマージェンシーシート、スマホ&充電器

smart phone battery

危機的状況に陥ったとき、生死を分けるのは水分補給と体温保持の2つ。水と携帯用のエマージェンシーシート(毛布のように、防寒の役割を果たすシート。数百円から購入可能)をバッグに入れておきましょう。スマートフォンは、SOSを出すときに活躍するのはもちろん、懐中電灯、地図など1台で何役も果たしてくれます。ただし、バッテリーが命なので、常に携帯用充電器とセットで。

2.「シンプルな暮らし」はオシャレなだけでなく災害時にも強い

clean room

生き抜くための知恵として、普段から身の回りを整理整頓しておくことも重要です。避難経路の確保につながると同時に、必要なものをすぐに見つけ出し、素早く行動を起こせるようになります。また、「最近人気を集めている『シンプルな暮らし』は、実は防災にも強いんです」と田中さん。普段から本当に必要なものだけを選んで暮らしていると、さまざまな制限のある避難生活でも「モノのない寂しさ」にとらわれず、自然と創意工夫ができるように。

3.携帯電話だけでは安心できない。どんなときにも、大切な人とつながれる方法を確保

emergency

もし自分や大切な人が意識不明になったり、うまく話ができない状況になったりしたら、どのように連絡を取ることができるでしょうか。携帯電話を持っていれば安心だと考える人が多いですが、そうとは限りません。ロックがかかっていると、第三者が解除できないうえ、東日本大震災ではバッテリー切れや水没によって使えなくなってしまった人も多くいました。特に被災時に影響を受けやすい高齢者、子ども、障がい者には、常に緊急連絡先がわかるものを持たせておきましょう。また、普段から最低限の情報を第三者に伝えられるよう心がけることが大切です。

4.過去の被災地を避けるのは間違いの場合も? 引っ越し先を決める前に最新の防災情報をチェック

move house

これから進学や転勤で引っ越しをする人が増える季節。もし物件を探すなら、「防災意識が高い地域」を選びましょう。役所の防災情報を調べるのはもちろん、一歩進んでぜひ「地域の消防団」のウェブサイトをチェックしてみてください。消防団がきちんと機能している地域は、防災意識がしっかりしているということ。また、「過去に被災したエリアは避けられがちですが、防災意識が非常に高い場合が多いです」と田中さん。先入観をもたず、最新の情報を確認しましょう。

5.防災グッズは自分に合わせてカスタマイズ

emergency

必要な防災グッズは、年齢、性別、季節などによって異なり、セットを買えば完璧というわけではありません。メガネやコンタクトレンズ、持病の薬はもちろん、簡易冷却剤、カイロなど、季節に応じて必要になるものも持っておくと、避難時の快適さが増します。また、防災グッズの使い心地も、人によってさまざま。例えば、一見便利に見える「手回しラジオ」は、ハンドルを回し続けることで体力を消耗してしまう場合も。実際にお店で手に取りながら、自分に合ったものを選びましょう。

「防災を生活の一部に」20、30代が変えていく日本の防災


防災対策について、啓蒙活動を続ける田中さん。最後に、「防災ガール」を立ち上げてからの4年間で世の中がどう変化してきたのか聞いてみました。

「3人ではじめた『防災ガール』は、現在20、30代を中心に100人以上になり、全国で活躍しています。企業や団体も、アートや福祉など、さまざまな方向から防災へのアプローチを始め、少しずつ人々の意識が変わってきました。『同じことを繰り返したくない』という思いを胸に、『生活の一部としての防災』をこれからも多くの人に広げていきたいです。日本は世界有数の災害大国であることは間違いないわけですから」

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「防災ガール」田中美咲(たなか・みさき)さん プロフィール

1988年奈良県生まれ。大学4年生のときに東日本大震災の被災地・陸前高田でボランティア活動を経験。株式会社サイバーエージェントに入社し、ソーシャルゲームのプランナーとして活躍した後、本格的に被災地支援をするため福島に移住。福島県庁や8市町村と連携した復興支援事業に携わる。2013年「防災ガール」を設立。2015年に一般社団法人化して代表理事に就任。企業や自治体と協力しながら、商品開発や講演活動を行っている。

(取材・文:樺山美夏 / 撮影:西田香織)

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