南極大陸から分離しそうな巨大氷山 大きさは千葉県並み 海面上昇のおそれは?(動画)

千葉県とほぼ同じ面積をもつ氷山が、南極大陸から分離しつつある状態になっていることがわかる。
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南極大陸の東側にある棚氷「ラーセンC」に大きな亀裂が入り、およそ5000平方キロ以上の巨大氷山が分離して漂流する可能性が高まっている。

英国南極調査研究所と研究プロジェクト「MIDAS」の調査チームが2月21日に公開した動画では、千葉県とほぼ同じ面積をもつ氷山が、南極大陸から分離しつつある状態になっていることがわかる。

空撮映像から、「ラーセンC」に幅約460メートルの亀裂が入っていることがわかる。科学者は、数カ月以内に分離すると見ている。

BBCによると、この亀裂は2016年12月に約16キロメートル、1月の最初の3週間でさらに約10キロメートル長くなった。あと約20キロメートル伸びると、氷山がウェッデル海に崩壊するとみられる。

分離した巨大氷山の影響で海面が上昇するわけではない。しかし、棚氷の崩壊で支流の氷河が海に流れ込むと、海面が上昇する可能性がある

ラーセンCは、南極のもっとも北に位置する主要な棚氷だ。この部分が分離すると、これまでに記録された南極の氷山なかでも、10位以内の大きさに入る。

氷山の分離は典型的な現象だが、亀裂を観測している科学者チームは、崩壊によってラーセンCの残り約5万4400平方キロメートルの棚氷は保たれるだろうと語った。

動画の公開にあたり、英国南極調査研究所の海氷モデル学者ポール・ホランド氏は「氷山分離は、氷河のライフサイクルにおける通常の現象で、ラーセンCが安定したまま、氷が再び大きくなる可能性は十分にあります」と語った。「しかし、この氷山分離で、ラーセンCが不安定な状態になる可能性もあります。そうなった場合には、さらに氷山が分離しラーセンCが縮小することもありえます」

「ラーセンCが不安定になるのかどうかは、氷山が分離して、残った氷の動きがわかるまで、はっきりしたことは言えません」と、ホランド氏は付け加えた。

科学者らは、かつてラーセンCの近くにあった「ラーセンB」で、同様の現象を目撃した。2002年にあったラーセンBの棚氷崩壊では、支流の氷河(主要な棚氷の中を流れる小さな氷河)が薄くなった。

「棚氷の安定性は重要です。なぜなら、内側の座礁氷の流れに抵抗できるからです」と、ホランド氏は語った。「ラーセンBの崩壊後は、支流の氷河が海に流れ込む速度が加速し、海面上昇の一因となっています」

ハフィントンポストUS版より翻訳・加筆しました。

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Marli sitting among the penguin colony at Cape Bird

南極探検

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