「都議会のドン」内田茂氏が引退を正式表明 高齢で「不安を感じていた」

「都議会のドン」が、正式に引退の意向を表明した。
時事通信社

「都議会のドン」が、正式に引退の意向を表明した。

前自民党東京都連幹事長の内田茂都議(77)は2月25日、都内で自民党千代田区支部の会合に出席。報道陣の取材に応じ、7月の東京都議選に立候補しないことを明らかにした。毎日新聞によると、「この後の4年間、議員として政治活動ができるか不安を感じていた」と、高齢による体調不良を理由に挙げた。

産経ニュースは、内田氏が脳梗塞で手術していたことを明かし「加齢も含めて、なかなか回復ができない。これは政治の世界の中では大変厳しいこと」と述べ、都知事選での対決が尾を引く小池百合子知事に対し「二元代表制の世界に飛び込んできたのだから、そのことをわきまえて知事もやってもらいたい」と注文したことを伝えた。

内田氏は千代田区議を4期務めて1989年の都議選で初当選、計7期務めた。2005年に都議として初めて自民党の都連幹事長に就任した。

「都議会のドン」としての存在がクローズアップされたのは2016年夏の都知事選だった。自民党に離党届を提出して選挙に臨んだ小池百合子氏に対し、自民都連として増田寛也氏を擁立したが、石原伸晃会長や内田茂幹事長らの連名で文書を出し、小池氏を支援した場合は親族も含めて「除名等の処分の対象」と締め付けを図った

小池氏は選挙戦でこうした締め付けを逆手に取り、内田氏に自殺に追いやられたとする元都議の妻が応援演説に立ったほか、内田氏の地元の千代田区では「ボスみたいな人が決めるのではなく、自由闊達な都政にする」と演説するなど「都議会のボス」との対立構図をアピール。勝利を収めた。

内田氏は都知事選敗北の責任を取って、都連幹事長職を辞任していた

内田氏の地元で2017年1月にあった千代田区長選でも、内田氏が中心になって擁立した与謝野信氏(41)が、小池知事が支援した現職の石川雅己区長(75)に大敗。責任を問う声が上がり、2月上旬には「引退の以降を固めた」との報道が流れていた

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