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レイプされた女性が、加害者と一緒にスピーチ TEDトークで彼らが語ったメッセージとは

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レイプされた女性と、加害者の男性が並んでステージに立った。「同意」について力強いメッセージを伝えるためだ。

ソーディス・エルヴァは、当時16歳だった。その時、18歳だったトム・ストレンジャーにレイプされた。1996年、高校のクリスマス・ダンスの後だった。

そのとき、2人ともこの出来事をレイプだとは思っていなかった。しかし、それは、成人になってから、それぞれの人生に影響を与え続けた。

9年後、2人は再び連絡を取り、さまざまな出来事についてお互いの考えを語り合った。彼らは、世の中はまさに「性暴力が世界に蔓延している」と実感し、TEDに出演し、自分たちの話を伝えようと決めた。

TEDでオーストラリア人のストレンジャーは、交換留学を通じてアイスランド人のエルヴァと出会ったと語った。そして、2人が交際を始めたばかりのとき、一緒にダンスパーティに行った。

「素敵な10代の恋を楽しんでいました。昼休みに会って、手をつないだり…僕は心暖かい彼女の家族と会い、彼女は、僕の友達と会ったりしました」

エルヴァもまた、新しいボーイフレンドと一緒にダンスに参加してとても楽しかった、と話した。その夜は素晴らしかったが、エルヴァは初めて飲んだラム酒に酔った。ストレンジャーは、彼女を自宅まで送ると言った。

「おとぎ話のようでした。彼のたくましい腕に抱えられ、ベッドにそっと寝かされました」

「でも、彼に対する感謝の気持ちは、すぐに恐怖へと変わりました。彼が私の服を脱がし、覆いかぶさってきたのです」

「意識ははっきりしていましたが、体が言うことをきかず、抵抗できませんでした。ものすごい痛みを感じました。体が2つに裂けたかと思いました。気持ちをしっかり保つために、目覚まし時計の秒針が進むのを静かに数えました。その夜を境に、知ったのです。7200秒は、2時間です」

間違いが起きたことが分かったが、エルヴァはそれをレイプだとは思っていなかった。通報もしなかった。

「数日間、体に力が入らず、数週間泣いて過ごしましたが、この出来事が、テレビで見たことがあるレイプだとは思いませんでした。トムは凶器を持った変質者ではなく、私のボーイフレンドでした」

「私は、女の子がレイプされるのは、それなりの理由があると教えられて育ちました。スカートが短すぎた、誰にでも笑顔を振りまいた、アルコールの匂いがする息を吐いた……などです。私はそれらすべてに当てはまりました。恥ずべきなのは私です」

翌日、ストレンジャーもいたたまれない気持ちで目が覚めたが、最初は、自分がしたことがレイプだとは思わなかった、と語った。

「今では、こうやって話すのが大切だと思うのです。僕は、自分のしたことが何であるか分かっていませんでした。『レイプ』という言葉は、僕の頭の中に浮かびませんでした。浮かばなければいけなかったのかもしれませんが、前夜の記憶に苦しむことはありませんでした」

「あれはレイプではなく、セックスだと信じ込むことで、真実を捻じ曲げていました。そして、それは嘘でした。きちんと立って歩けないほど深い罪を感じています」

ストレンジャーは2日後にエルヴァと別れ、エルヴァがレイプされたと気づいた頃には、すでにオーストラリアに戻っていた。

このTEDトークに伴い、イギリスの国内外の大学で「同意に関するワークショップ」の導入が増加している。学生に同意があるかないか状況を確認することを促し、また、同意のないセックスはレイプだと強調している。

同様に、エルヴァとストレンジャーは、決心して声を上げた。「これは、もっと若いときに聞いておくべき話でした」

その出来事から9年後、エルヴァはストレンジャーに手紙を書き、彼が彼女に何をしたか伝え、「赦し」を求めたいと書き加えた。

2人は再会し、1冊の本を共に執筆した。本では、2人は、双方の視点から語られた話をもとに、性暴力に取り組むことを望んでいる。

エルヴァは、一方的な言葉遣いでレイプに関する事柄を表現するのをやめるよう呼びかけた。「被害者」「レイプ犯」「暴行犯」などだ。両方の立場から同意について対話する必要があり、性暴力をなくさなければならないからだ。

「性暴力を女性の問題として扱うのは、もうやめましょう」と、エルヴァは語った。

「女性、そして男性に対する性暴力の大部分は、男性が加害者です。それなのに、こうした議論では、男性の声だけが一方的に表に出ません。ですが、私たちすべてがこの場には必要なのです」

「考えてみてください。みんなで一緒になってこの問題に立ち向かうなら、苦しみは和らぐのです」

(敬称略)

ハフィントンポストUK版より翻訳・加筆しました。

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