突っ走って結婚。一緒にいたかったけれど離婚。そして気付いた。「結婚は万能じゃない」

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DRESS編集長 池田園子さん

結婚は義務ではない。それなのに、多くの男女が「結婚はしなければならないもの」という呪縛に苦しんでいる。池田園子さんは、その呪いを解いて幸せに生きるための方法を提案している。

自分らしく輝きたい女性のためのWebメディアDRESS編集長、そして自身の結婚と離婚をきっかけに、『はたらく人の結婚しない生き方』(クロスメディア・パブリッシング)の執筆者である池田さんに、話を聞いた。

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『はたらく人の結婚しない生き方』(クロスメディア・パブリッシング)

■「結婚さえすれば安泰」という幻想が消えるまで

――ひとりの生活を楽しむ独身の人、事実婚を選んだカップル、結婚せずに親になることを選んだ人など、『はたらく人の結婚しない生き方』ではさまざまな人生の選択肢が紹介されています。本書を企画したきっかけはご自身の結婚・離婚体験だそうですね。

私、ちょうど1年前の今頃に離婚したんですね。そのときに「私ってそもそも結婚すべき人間だったのかな?」ということを考えたんです。

元夫とは1年ほど交際してから同棲を始めたんですが、その半年後くらいには私の中で「この人と結婚したい!」という気持ちが高まってしまって。相手のことが大好きすぎたんですよ。それで私のほうから「そろそろ籍入れない?」と提案して、結婚しました。

法律で結びつく結婚という形式のほうが、好きな人と確実に一緒にいられるはずだ、と思い込んでいたんです。

式は挙げなかったし、結婚したからといって、生活自体に変わりはなかったけれど、法律的に「妻」という座を手に入れたことで満足できた部分はありましたね。

当時の私は27歳で、選び、選ばれみたいな恋愛市場に疲弊していて、もう戦いたくなかった。そういう戦場から足を洗いたかったんです。それと、元夫に対して、「こんなに愛している人を手放したくない。結婚さえすれば安泰だろう」という気持ちもありました。

今思えば、まるで相手を拘束するための結婚ですよね。それでも「この幸せは、おばあさんになるまで続く」と本気で信じていました。

――離婚に至る直接的な理由はあったのでしょうか。

いろいろとありますが、彼と私の仕事の成長スピードの違いは、主要な理由のひとつだったと思っています。

彼のほうが結婚後にグングンと成長して新しいことをたくさん始めていたのに対して、私の成長曲線がなだらかというか、遅れていたんですね。

私なりに頑張ってはいたんですけど、そこで比べ物にならないくらい差がついちゃって。あとは夫婦として将来のビジョンをうまく共有できなかったことも大きかったと思っています。

――夫婦としてのビジョンの共有とは具体的にどんなことだったのでしょう?

結婚当初は、私も彼も子どもを欲しいとは思っていなかったんですね。でも離婚する数カ月前から彼が「子ども、欲しいかも」と言い始めて、その部分で意見が一致しなかったんです。

そこから「じゃあ夫婦として、別のビジョンを一緒に考えよう」と言われたときに、私が明確に答えられなくて。それが致命的だったのかな、と思います。

ビジョンという言葉を使うと堅苦しいですが、夫婦で一緒に目指していくもの、理想のようなものが私の中からは何も出てこなかった。ただ、この先も今みたいにふたりで幸せに過ごせばいいじゃん、くらいしかなかったんです。現状維持に甘んじて、すっかり落ち着いてしまっていた私は、彼からすれば「長い人生をともに歩む相手」としては物足りない、ふさわしくないと判断したんだと思います。

ただ、私はどうしても関係性を立て直したかったので、いったん別居することにしたんですね。

離れて暮らすことで付き合っていた頃の感覚に戻れるんじゃないかな、という期待を持っての別居だったので、Facebookで「別居婚します」と報告したんですが、別居を離婚のステップとして捉えていた彼にはそれも嫌だったみたいで(笑)。

私としては自分の人生を使って、夫婦の新しい在り方を実験して、世の中にというと大げさですが、ささやかながらも発信していきたいと思っていたんですが……。結局、結婚生活は2年2カ月で終わりを迎えました。


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離婚を経験して「結婚は万能じゃない」と悟った池田園子さん

■「結婚」という形式には向き不向きがある

――29歳で再びシングルに。離婚後はどんな心境でしたか。

落ち込みました。さみしさと、喪失感と、自分という存在が否定された感じ。でも一番強く感じたのは喪失感でした。

私は自分の家族と折り合いがよくないので、夫という絶対的味方が欲しかったし、新しい自分の家族という居心地のいい場所を作りたかった。それが壊れてまたひとりになったことで、「結婚って万能じゃないんだ」ということを悟ったんですね。

今の時代、離婚なんて珍しくはないものの、私の経験もこれから結婚する誰かの役には立つかもしれないという思いがあって。それで『はたらく人の結婚しない生き方』を本の企画として出したんです。

――本書では「結婚(法律婚)しない生き方」を実践している人々へのインタビューなど通じて、さまざまな生き方のバリエーションが紹介されています。

今はSNSやブログを通じて、誰もが自分の生き方を積極的に発信している時代。だから取材対象者はすごく見つけやすかったですね。自分の生き方をオープンにする人は増えてきているのではないでしょうか。

およそ30人の方へのインタビューを通して見えてきたことは、「結婚」という形式には合う人と合わない人がいるということ。

独身、法律婚、事実婚、ひとり親、子どもを持たない夫婦の生き方、いずれの選択にも楽しみと苦労、メリットとデメリットがそれぞれあって、そのどれに耐えられるか、向いているのかは、人によって違って当然なんですね。

――これまでは「法律婚」の枠に入ることがスタンダードとされていたが、どの選択が一番ストレスなく生きられるかは、実はその人の性格や価値観に応じて変わってくる、と?

そうです。たとえば私の場合なら、再度の「結婚」という選択肢は、今のところはないんですね。それよりはほどよい距離を保ちながらの別居婚というスタイルのほうが向いていると思っています。

結婚生活が長い方からは「甘い! 相手の嫌な部分を受け入れることは人生の修行だ!」と怒られるかもしれませんが(笑)、自分で自分を養うことができれば、これからの時代は必ずしも「結婚」という形式にとらわれなくていいのではないでしょうか。

――今の池田さんにとって、結婚しない生き方がもたらしている最大のメリットはなんですか?

自由ですね。どこに住んでもいいし、どんな仕事をしてもいい、恋愛をしてもいいししなくてもいい。誰にも何にも縛られない、すべてが自由であることがメリットですね。

私は2年に1回くらいは引っ越しをするんですが、12年間東京にいるので次の更新が来る前には大阪に引っ越そうかなと考えているんですよ。好きな街だし、一回くらいは住んでみたい。

自分が慣れ親しんだ人間関係や資源に甘えてしまうと、人としてたるんでしまうんじゃないかな、という恐怖もあって。新しい場所で新しい居場所を築くことで、自分もどんどん変化していきたいですね。

(取材・文 阿部花恵

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